やや異例の中国全人代「政府活動報告」

2017/03/10

今週の国内株市場ですが、日経平均は25日移動平均線がサポートとして機能しているものの、やや軟調気味に推移しています。米国のイベント(週末の米雇用統計と来週のFOMC)が控える中、利上げ動向の見極めムードで方向感が出にくく、日経平均19,500円台超えがなかなか定着しない印象です。

 

何かと米国の動向に視線が集まっていますが、中国では先週末(3月5日)に全人代(全国人民代表大会)が開幕しました。毎年この時期になるとこの全人代への関心が高まるのですが、実際のところ、全人代であまり目新しい政策が出てくることはあまりありません。開幕初日に首相が行う演説(政府活動報告)で、その年のGDP成長率目標がどのくらいなのか、国防費や国内の治安維持費がどのくらいなのかが注目される程度です。

 

全人代は日本でいう国会にあたるとされています。中国は中国共産党の一党独裁の政治構造になっていますので、主な政策方針を共産党が決め、それを全人代で承認されるという流れになっています。そのため、大体の政策方針は前年12月に共産党が開く「中央経済工作会議」で決められています。

 

3月5日に李克強首相が行った政府活動報告の内容もほぼ中央経済工作会議で決められた方針に沿ったものとなりました。ちなみに、2017年のGDP成長率目標は前年比6.5%前後でした。昨年(6.5%~7.0%)、2015年(7.0%程度)、2014年(7.5%前後)の目標と比べると、ここ数年の成長率目標は引き下げられている格好です。

 

ただし、今回の政府活動報告で少し異例だったのは、細かい政策内容に触れる箇所が多かったことです。特に、携帯電話の料金(長距離料金と国内ローミング費用を年内に廃止する)については日本でも大きく報道されましたし、中国国内でも歓迎ムードです。

 

さらに、優遇税制が適用される中小企業の所得上限を引き上げたり、医療保険への財政補助を増額するなど、先ほどの携帯電話料金引き下げを含め、国民生活の向上をアピールする具体的な内容が多く出てきました。

 

今年の中国は秋に共産党の党大会を控え、できるだけ穏健かつ安定的な政策運営をしていくものと思われますが、国民向けに具体的なアピールを盛り込んだのもこうした姿勢の現れと言えそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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