「バロメーター」としての25日移動平均線

2017/02/17

今週の国内株市場ですが、日経平均は19,400円台を挟んだ推移が続いています。先週末に一段高した水準を維持しているため一応は堅調なのですが、日経平均の日足ローソク足を見ると、陰線(終値が始値よりも低い)が多く、必ずしも強い基調とも言い切れません。また、米国株市場では主要3指数(NYダウ、S&P500、NASDAQ)が揃って5日連続の最高値を更新していますが、その流れにも乗り切れていないようにも見えます。

 

とはいえ、市場の関心事として優先事項が高いのは引続き米国、とりわけトランプ大統領の動向です。先週末(2月10日)の株価上昇も、同氏の税制をめぐる発言や日米首脳会合での警戒感が後退したことが背景になっています。上昇する前の日経平均は19,000円割れが目立ち、米トランプ政権への警戒感が漂っていましたので、この日を境にガラリとムードが変わった印象です。

 

恐らく、米トランプ政権に対しては期待と警戒が繰り返され、今後も相場を振り回す可能性が高いですが、日経平均の25日移動平均線に注目すると、楽観と悲観のバロメーターとしてこれまでのところ機能しています。

 

例えば、日経平均が直近に高値をつけたのは1月27日です。1月20日にトランプ米大統領が正式に就任して以降、矢継ぎ早に大統領令を連発し、当初は政策実行への意欲が評価されて株式市場は上向きでしたが、この27日に、多くの批判を集めた中東・アフリカ7カ国からの入国制限などを命じた大統領令を出し、以降の日経平均は25日移動平均線を下回る動きとなりました。さらに遡ると、トランプ氏が大統領就任前に開催した初の記者会見(1月11日)のタイミング前後でも、25日移動平均線上をキープしていた日経平均が割り込む展開に転じています。

 

つまり、楽観や期待が強まれば株価が25日移動平均線より上、反対に悲観や不安が強まれば株価が下に位置して推移して行くというわけです。

 

足元では、「そう遠くないうちに、税に関する驚くべき発表をする」というトランプ大統領の発言に対する期待が先行する格好で株式市場は堅調になっていますが、政権の閣僚人事がスムーズに行っていないことや、政策の財源確保の問題などから、政策実施のスピードや規模などの面で、期待ほどにスムーズに進まないのではないかとの警戒感も燻っています。

 

そのため、株式市場の基調は崩れないものの、今月末の大統領議会演説や、税制に関する政策発表を見極める動きとなり、しばらくもみ合う展開が想定されそうです。

 

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