ヤマゲン流!新社会人はじめてのマネー心得3カ条

2018/04/03

<新社会人、おめでとうございます!>

 

今回は、新社会人向けのスピーチ原稿のつもりで書いてみます。新社会人以外の読者の皆さんは、ご自身ならば、新社会人に何を言うだろうかと考えながら、読んでいただけると幸いです。

 

さて、新年度に入りました。多くのオフィスに新社会人がやって来ます。学生も社会の中にいて、個人として様々な責任を負っているので、十分「社会人」なのですが、自分で働いて自分の暮らしを立てて行く人という意味で、慣例に従って、皆さんを「社会人」と呼びます。新社会人、おめでとうございます!

社会人になると、自分でお金を稼ぎますし、そのお金の扱いを自分で決めることになります。学生時代よりも、お金との関わりが飛躍的に増えると言っていいでしょう。

そこで、新社会人の皆さんが、これから気を付けると得になるような、マネーの心得を3つほど述べてみようと思います。

 

【心得その1】 最も大切なのは、自分の稼ぐ力への投資

 

直接的にマネーの話に聞こえないかも知れませんが、新社会人の皆さん方にとって、最も大切なのは、自分の稼ぐ力に対する投資です。

具体的に言うと、仕事を早く覚えること、仕事に関連する知識やスキルを強化すること、に対して、自分の時間と努力、そして時にはお金を惜しみなく投入することです。

仕事には大いに時間と努力を傾けるべきです。また、ライバルとの有効な「差」を作るためには、たとえば、土日が休みなら、どちらか一日の半分くらいは、将来の仕事に役立つ何かのために自分の時間を投入することを考えましょう。他人との「差」は小さくても、将来、大きな経済価値の差につながります。

また、一般論として教育への投資は、早いほうがいい。若い方が吸収力が旺盛であることと、教育の成果をより長く使うことができることの2点が理由です。

新社会人が「投資」できるものは、はじめは自分の「時間」が大半でしょう。社会人は、自分の時間にお金と同様の経済価値があることを意識するべきです。自分の時間には、おおむね、「時給」の2倍くらいの価値があるはずです。まず、自分の時給を計算してみて、そして、どうして自分の時間にその2倍くらいの価値がなければいけないかを考えてみてください。ヒントを言っておくと、自分の時給と提供する価値が等価では、会社のビジネスが成り立たないからです。

まずは、何らかの仕事で「稼ぐ力」を早く持ち、これを育てていくことこそが、マネーの心得としても、最も大切なことです。

 

【心得その2】 必要な貯蓄ができるように、収支を合わせる

 

いわゆる初任給では、生活が楽ではないかも知れませんが、自分が稼ぐ以上に使わないこと、自分のお金の収支を適切に管理して、計画的に貯蓄ができるように行動することが大事です。

いわゆるサラリーマンの場合、個々には自分の数字で計算してみる必要がありますが、老後に必要な備えを作るためには、手取り所得の2割程度を貯蓄しなければならないという計算結果が出ることが一般的です。

貯蓄したお金は、銀行の預金口座に置くだけではなく、投資信託などへの投資の形で持っていてもいいのですが、自分の給与振込口座から、自動的に、いわゆる「天引き」の形で、先に必要な貯蓄額を確保して、残りのお金で収支を合わせて生活することが大事です。

必要な貯蓄を確保した上で使えるお金が、いわばあなたの「本当の経済力」であり、収入のすべてを今使うのは「無理な背伸び」であると認識しましょう。

 

【心得その3】 DC(確定拠出年金)、つみたてNISAを利用する

 

皆さんのお勤め先には、通称「DC」と呼ばれますが、確定拠出年金の制度があるでしょうか? 会社が用意する確定拠出年金制度のことを「企業型DC」と呼びますが、企業型DCがあれば、ぜひ、これを利用してください。初年度は、まだ大きな金額を掛け金として支払うことができないかも知れませんが、二年目くらいからは、できるだけ大きな金額で利用するよう努力してください。

DCには、掛け金が所得から控除されて、所得税・住民税が節約できる確実なメリットがあるので、これを利用することが圧倒的に得です。

お勤めの会社に企業型DCがない場合は、「iDeCo(イデコ)」という通称で呼ばれている個人型DCの利用をぜひ検討しましょう。

DCでは、運用益が非課税のまま資産が複利で運用されるメリットもあるので、定期預金などの元本確保をうたう運用対象で運用するのは、かなり「もったいない」使い方だと言えますし、運用管理手数料が年間0.3%を超えるような商品は、手数料が高すぎるので選ばないほうがいいでしょう。私は、先進国中心の外国株式のインデックス・ファンドとTOPIX(東証株価指数)に連動する国内株式のインデックス・ファンドの2つに、外国株式6:国内株式4の比率で資金を配分することをおすすめしています。

年金の一種であるDCには、原則として60歳まで運用資産を引き出すことができないという制約があります。この制約がどうしても気になる人や、DCの他にも資産形成のための投資を行っていきたいという人には、今年から始まった「つみたてNISA」の利用をすすめたいと思います。

つみたてNISAは、運用益非課税の期間が20年もあるので必然的に長期投資になりやすいこと、長期投資に向いた手数料の安い商品を金融庁が厳しく選んでいること、ルールを決めた積立投資なので実行しやすいことなど、現実的なメリットが上手く組み合わせられた制度になっています。毎月の積立の場合、1カ月に約3万3,000円の積立投資が可能ですが、たとえば1万円でも利用してみると、投資の要領を実地で学ぶことができるかと思います。

運用商品の選択はDCの場合と同じで結構です。

金融庁は「長期投資に向いた商品を選んだ」と説明していますが、実は、長期投資に向かない商品や運用法は、短期・中期の投資でもダメなので、つみたてNISAで運用の方法を学ぶと、それ以外のマネー運用にも応用が利くので、ぜひ、つみたてNISAを「投資教育の実地教材」として利用してみてください。

 

新社会人の皆さんが、今後長きにわたって、お金と上手く付き合って、お金のことで悩みを持たない、充実した人生を送ることを願って、私の話を終わります。ご静聴、ありがとうございました。

 

楽天証券株式会社
山崎元「ホンネの投資教室」   楽天証券株式会社
楽天証券経済研究所客員研究員の山崎元の提供レポートです。経済やマーケット、株式投資、資産運用のノウハウと考え方など幅広い情報提供をおこなってまいります。資産運用の参考にお役立てください。
本資料は情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。
銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。
本資料の情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本資料の記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本資料の記載内容は、予告なしに変更することがあります。

商号等:楽天証券株式会社/金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第195号、商品先物取引業者
加入協会:
  日本証券業協会
  一般社団法人金融先物取引業協会
  日本商品先物取引協会
  一般社団法人第二種金融商品取引業協会
  一般社団法人日本投資顧問業協会