次々と押し寄せるダウンサイドリスク

2012/05/07

Sell in May and go away ―

米雇用統計、仏大統領選、ギリシャ総選挙。いずれも「そうあって欲しくない」方向の結果が出て、ゴールデンウィーク明けの東京市場は大荒れの様相を呈している。まさに冒頭の格言のような状況である。

さて、4月のモデルポートフォリオについてのご報告である。4月のマーケットは米国が堅調であったのに対して、日本は大幅に下落する対照的な展開となった。

米国市場はわずかながらも7ヵ月連続の続伸。スペインの国債入札が不調となったのをきっかけにスペインの国債利回りが急上昇。イタリアやポルトガルの国債も売られ欧州債務懸念が再燃。NYダウは4/10に213ドル安と今年最大の下げを演じ、12715ドルまで下落した。その後は、米企業の四半期決算が概ね好調となり、好業績銘柄が買われた。マクロ経済指標は好不調まちまち。FOMCはゼロ金利を維持しつつも追加の金融緩和の可能性を示唆したため、投資家心理にはプラスと働いた。4月のダウは13213ドルで取引を終え1ドル上昇し月間の騰落率は+0.0%。ナスダックは3046ドルとなり45ドル下落の-1.5%となった。

日本市場は5ヵ月連続の上昇とはならず急落。欧州債務問題の再燃は確かにマイナス要因であったが、それによって引き起こされた円高で対ドル80円台、対ユーロ105円台まで円が上昇。先月の対ドル84円台、対ユーロ110円台まで売られていた反動は大きく、企業業績への懸念が急速に高まった。日経平均は3月の高値10254円から4/11には9458円まで下落し、下落幅は800円弱に及んだ。4/27に発表された日銀の金融政策決定会合はほぼ予想通りの内容で材料出尽くし感が広がった。売買代金は1兆円を割り込む日が増え、様子見ムードが強まった。4月の日経平均は563円下落の9520円にて終了し月間騰落率は-5.6%、Topixは-5.9%となった。一方、小型株市場はジャスダック平均およびマザーズ指数はともに+1.4%となり、小型株優位の展開であった。

太田忠投資評価研究所のインターネットによる個人投資家向け「投資実践コース」における4月のモデルポートフォリオのパフォーマンスは-1.2%となった。年初来は+6.0%(3月末+7.2%)、累計では+51.8%(3月末+53.6%)となりやや後退したものの、株式市場全体の下落に比較して小幅にとどまった。相場の下落に備えて準備をしていた先物のショートによるヘッジ戦略が機能したことが寄与した。一方、現物株は相場の下落によって次々と逆指値にヒットし、4月末のポートフォリオのネットロング比率は-3%(3月末は58%)となり、この1ヵ月で劇的に変化した。

本格化している決算発表における2012年度の業績予想は、事前の楽観的なマーケットコンセンサスに対して「今ひとつ」のものが多く、最近の急激に進んだ円高も手伝って、業績相場の状況にはとてもなりそうにもない気配である。次から次へと押し寄せるダウンサイドリスクを身に受けつつ、嵐が止むまで待つしかないだろう。保守的な姿勢で様子見をするのが賢明だと思う。

太田忠投資評価研究所株式会社
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