激しい業績相場で銘柄間格差広がる

2014/08/19

お盆の時期の珍しい台風一過の後は、パッとしない天候が続いている。空を見上げてみると、もはや秋空の風情である。株式市場はエネルギーが乏しく夏枯れの様相から脱却できておらず、日経平均もあまり動かない展開が続いているが、1Q決算発表を境にマーケットの中身はドラスチックな変化をしており興味深い。

さて、まずは7月の太田忠投資評価研究所のモデルポートフォリオのご報告から始めたい。7月のマーケットは米国市場が反落、日本市場は続伸の対照的な展開となった。

米国市場は6ヶ月ぶりの下げを記録。7月上旬こそNYダウは初の17000ドル台に乗せ、6月の雇用統計が+28.8万人と予想の+21.1万人を大きく上回ったことや中国の6月のPMIが4ヵ月連続の改善になったことを受けてリスクオンとなり17138ドルの最高値を付けた。その後はポルトガルの金融不安やウクライナにおける飛行機墜落事故やイスラエル情勢、アルゼンチンのデフォルトやユーロ圏での経済減速懸念から下落。米景気および米企業決算は概ね堅調であった。7月末におけるダウは16563ドルと前月より263ドル下落し月間騰落率は-1.6%。ナスダックは4369ドルとなり38ドル下落の-0.9%となった。

日本市場は3ヵ月連続の上昇となった。売買代金は連日2兆円を割り込む日が続いたものの四半期決算発表における個別銘柄物色意欲が強いことが支えとなり、業績相場の様相となった。また為替は久々に対ドルで103円台を付けたこともプラスに働いた。米国市場が下落した外部要因についての影響は限定的に留まったことで、日本市場の底堅さが目立った。7月の日経平均は15620円で取引を終え、6月末の15162円から458円上昇し月間騰落率は+3.0%。また、Topixは+2.1%上昇した。一方、小型株市場はジャスダック平均が+2.9%、マザーズ指数は+8.0%となり新興市場の値上がりが目立った。

太田忠投資評価研究所のインターネットによる個人投資家向け「投資実践コース」 における7月のパフォーマンスは-0.4%となり、年初来は-3.3%(6月末-3.0%)、累計では+131.9%(6月末+132.7%)と足踏みした。保有株式のウェートは6月末の81%から83%へ上昇。ヘッジ戦略をおこなっていないため、ネットロング比率は83%となった。

ウクライナやイスラエルでの不安定情勢、ポルトガルやアルゼンチンの金融不安が台頭しており、外部環境は6月に比べて不安定であったが、7月は3ヵ月連続の上昇となり、上昇トレンドが顕著となった。加えて、これまでネックだった為替が対ドルで103円台をつけ円安が再び始まったとの印象を受ける。

第1四半期決算は業績相場の様相が非常に濃く、業績好調銘柄は上昇し、業績不振銘柄は容赦なく売られる展開となっている。顕著に好業績ならば発表翌日に10%高、反対に悪い決算なら10%安、失望を伴った決算であればストップ安という非常にはっきりした動きである。

相場全体の動向よりも個別銘柄の成績がパフォーマンスを左右する状況となっているため、投資家各自でポートフォリオ銘柄の点検をしっかりとおこない対応していく必要がある。ダメ銘柄を保有していても株価は上がらない。

8/8の日経平均は先物主導の投機的な動きで454円安と3/14以来の大きな下げ幅となったことで、信用取引の投げ売りが久々に見られたが、不自然な動きも収まりつつある。

中東やウクライナ情勢はまだ不透明なところがあるものの徐々に収束しており、リスク要因としてのインパクトは今後小さくなっていくものと思われる。限定的な有事はこれまで何度も経験してきたが、いずれも短期的な相場下落で終わることが多く過度に悲観をする必要はないだろう。

決算発表時は毎度のことながら株価調整が起こりやすいが、ほぼ決算が出揃ったため落ち着きを取り戻すことになるだろう(ちなみに昨年の8月の日経平均は-2.2%と不調だったが、9月は+8.7%と大幅に上昇した)。モデルポートフォリオにおいては、年初来のパフォーマンスは-3.3%とまだマイナスであるが、まずプラスへの転換が第一目標である。

弊社のインターネットによる個人投資家向け投資講座は随時受付中。ご興味のある方はぜひ一度ホームページをご訪問下さい。
⇒太田忠投資評価研究所の「投資講座」

なお、8月に日本経済新聞出版社より新刊本を発売した。

『賢い投資家必読!株に強くなる本88』(太田忠、日経ビジネス人文庫)

本の帯には「ちゃんと勉強した投資家だけが生き残る!」
と大書してあるとおりスマートな個人投資家になっていただくための本である。

株式投資のブックガイドは2001年6月に『投資をするならこれを読め!』、2007年9月に『投資をするならこれを読め 改定増補版』と執筆してきたが、このシリーズは好評なため、今回は前著で紹介した本の1/3を入れ替え、タイトルも改題しての発売となった。実質的には第三版になる。賢い投資家になるために必読の88冊を、以下の10のジャンルにわたって、入門書、専門書から知る人ぞ知る名著、思わぬ面白さの小説まで紹介している。

【目次】
序章 これから投資を始める人へ
第1章 投資の極意はここにある
第2章 達人に学べ
第3章 よい会社を見極める
第4章 市場と心の関係を知ろう
第5章 お金について深く知る
第6章 経済の仕組みがわかっていないと……
第7章 とても大事なグローバルという視点
第8章 実戦的な投資技術を身につける
終章 上級者向けのとっておきハイレベル本

株式投資の経験の浅い方々はもちろんのこと、ベテランの方々にもいろいろと発見があると思うので、ご興味のある方はぜひ手に取っていただきたい。株式投資のスキルアップにお役に立つと思う。

太田忠投資評価研究所株式会社
コラム   太田忠投資評価研究所株式会社
機関投資家が敗者のゲームならば、個人投資家は「勝者のゲーム」をしよう!株式投資を資産増加に直結させ、個人投資家の資産運用力向上のためのサービスを提供する太田忠投資評価研究所の太田忠のコラム。

コラム&レポート Pick Up