日銀ETF、予算消化の「買入増額」はあるか。

2017/10/31

 日銀によるETF(上場投資信託)買い入れの行方が話題のようだ。株価上昇で日銀のETF買入ペースが下がったため、今後は1回あたりの買入額を増やすのではないかと期待する声もある。日銀が買入額を増やせば株価にプラスの影響が見込まれるが、本当に期待してよいのだろうか。

 日経平均株価は10月27日に2万2,000円を回復した。10月は98円安となった10月25日を除く全ての日で値上がりしたことになる。一方、日銀は10月に入ってからETFを一度も買っていない。市場の一部では、『このペースだと年間6兆円の買入枠を年末までに消化できない可能性があるため、今後は1回あたりの買入額を従来の739億円から1,000億円程度に増やすかもしれない』と期待されているようだ。

 ここで、ETF買い入れに関する日銀の公表資料には「本行の保有残高が、年間約6兆円に相当するペースで増加するよう行う。」と書かれている(2016年7月29日付け文書の別紙)。ポイントは3つある。1つ目は「約6兆円」であること、2つ目は「年間」の定義、そして「保有残高」が何を指すのかだ。

20171031

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