米国主導の株価急落に対する見解

2018/02/07

【ストラテジーブレティン(194号)】

 

ファンダメンタルズ面で株価下落の要因は見当たらない
①世界同時好況、②世界的好業績、③背景にある新産業革命とイノベーション、④適切な経済政策、⑤抑制されたインフレ、など。近い将来リセッションに陥るとの見方はほとんど見当たらない。リセッションにならずして株式市場がベアマーケットに転換したためしはない。

株式がバブルとの見解、も支持する人は少数
①PERは過去平均15倍、1月末23倍(益回り4.3%)と高いが、長期金利の低さを考えれば、むしろ株の方が割安(イールドスプレッドは依然大きい)、(シラー教授のCAPEがITバブル時以降最高の30倍という議論も低金利水準を全く考慮に入れてない点で、実用的ではない)、②長期金利上昇は限定的かつ企業利益の見通しは良好(税制改革の効果も寄与)、③経済的厚生を示すミゼリーインデックス(失業率+インフレ率)が過去最低水準ということは高PERを正当化する、などが指摘できる。⇒株価水準は全く問題ではない。

何故株は急落したか、理由はもっぱら需給要因
①プログラムトレーディングの引き金による悪連鎖、②スピード違反の修正、が考えられる。問題はスピード。
スピード違反とは:株価(NYダウ)はトランプ当選以降1年余りで42%と著しく上昇。これはスピード違反、その調整が起きている。株価水準はバブルではない。しかし急上昇はちょっと行き過ぎ、NYダウは120年間、年率6%弱、過去40年間で26倍、年率9%、と比較しいかにも速い。株式投資家に異常に大きな超過リターンがもたらされたということ、これは健全ではなく金融市場にゆがみをもたらす原因になる。この株式投資家が享受した異常な高リターンの修正、という合理性がある。

日本株式は水準、スピードともに米国より大きく割安
日経平均は昭和の後半1950年のボトム(1950.1.31の92.6円)から1989年のピーク(1989年12月末38916円)までの40年間、約400倍、平成に入り30年間で株価は下落(平成初月1989年1月末31581円、現在平成30年、23000円として)。米国のようなスピードの調整の必要性は小さい。国債利回り・預金とのリターン比較において米国よりさらに、絶対的に割安。
日本企業がNumber one strategy で敗退し、Only one strategyに転換して収益力を著しく高めていることは、ブレティン192号、193号をご覧ください

>>続きはこちら(348KB)

株式会社武者リサーチ
武者ストラテジー   株式会社武者リサーチ
「論理一貫」「独立不羈」「歴史的国際的視野」をモットーに、経済と金融市場分析と中長期予想を目的とし提供していきます。
著作権表示(c) 2013 株式会社武者リサーチ
本書で言及されている意見、推定、見通しは、本書の日付時点における武者リサーチの判断に基づいたものです。本書中の情報は、武者リサーチにおいて信頼できると考える情報源に基づいて作成していますが、武者リサーチは本書中の情報・意見等の公正性、正確性、妥当性、完全性等を明示的にも、黙示的にも一切保証するものではありません。かかる情報・意見等に依拠したことにより生じる一切の損害について、武者リサーチは一切責任を負いません。本書中の分析・意見等は、その前提が変更された場合には、変更が必要となる性質を含んでいます。本書中の分析・意見等は、金融商品、クレジット、通貨レート、金利レート、その他市場・経済の動向について、表明・保証するものではありません。また、過去の業績が必ずしも将来の結果を示唆するものではありません。本書中の情報・意見等が、今後修正・変更されたとしても、武者リサーチは当該情報・意見等を改定する義務や、これを通知する義務を負うものではありません。貴社が本書中に記載された投資、財務、法律、税務、会計上の問題・リスク等を検討するに当っては、貴社において取引の内容を確実に理解するための措置を講じ、別途貴社自身の専門家・アドバイザー等にご相談されることを強くお勧めいたします。本書は、武者リサーチからの金融商品・証券等の引受又は購入の申込又は勧誘を構成するものではなく、公式又は非公式な取引条件の確認を行うものではありません。本書および本書中の情報は秘密であり、武者リサーチの文書による事前の同意がない限り、その全部又は一部をコピーすることや、配布することはできません。

コラム&レポート Pick Up