黒田日銀2期目のスタートと「不景気の株高」

2018/04/09

直近1カ月の業種別株価指数の騰落率をみると、下落率トップは海運である。説明は不要だろう。米中通商摩擦激化で世界貿易が停滞するというリスクが反映された格好だ。下落率の2位と3位は鉄鋼、非鉄金属である。その背景もわかりやすい。トランプ政権が発動した鉄鋼とアルミの関税で日本が適用除外にならなかったことが悪材料視された。この他、下落率上位には機械、電機、輸送用機器といったグローバル景気敏感セクターが並んでいる。その背景は、端的に言って景気が悪いからである。

従来から「景気がいいから株が上がる」と言ってきたが、足元は「景気が悪いので株価が軟調」である。3月9日付レポートでも指摘したが、景気動向指数(一致指数)は東日本大震災があった2011年3月以来の大幅な落ち込みとなった。その大幅減を招いた主因の鉱工業生産の戻りは鈍く、2月の景気動向指数の反転も弱いものだった。1-3月では生産も2年ぶりにマイナスとなるだろう。2年ぶりの悪化という点では、今月初めに発表された日銀短観では大企業・製造業の業況判断指数(DI)が8四半期(2年)ぶりに悪化した。原材料高や人手不足が響いたものだが、無論、世界経済の先行き不透明感も企業の景況感を悪化させた要因だ。こうした景況感の悪化は国内だけのものではない。JPモルガン・グローバル製造業PMIは今年に入って3カ月連続で低下している。世界的に景況感が悪化しているのである。

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