【新潮流2.0】 第37回 習い癖

2017/11/13

◆我が家の最寄駅は大改修工事をおこなっている。東西の連絡通路を北側にもうひとつ新設するのに伴い北口に新しい改札口ができる。我が家にはぐっと近く、駅のホームまで到達する時間が5分は短縮されるだろう。喜ばしい限りなのだがひとつ問題がある。改札のどのゲートを通ったらいいか、最初はわからないことだ。

◆今の改札は、一番右側のゲートを通ることにしている。そこを通ると、その日はたいてい、物事がうまく運ぶ。素敵な出会いや新しい機会にも恵まれる。ところが、ひとの流れに邪魔されて仕方なく別のゲートを通ってしまうと、ついてなかったり失敗したりすることが多い。過去の経験の積み重ねが行動様式を決め、それが習慣になっていく。みなさんも、そんなことってないですか?

◆習慣を変えるのは難しい。だが個人投資家にはぜひとも変えてもらいたい「習い癖」がある。それは株価が上がるとすぐに売ってしまうことだ。確かにバブル崩壊後の右肩下がりの相場では上がったところを売っておくのが正解だった。だが日経平均がバブル崩壊後の戻り高値を大きく上抜いたことに象徴されるように相場は新しいステージに入っている。これまでうまくいっていた手法が今後も続く保証はない。

◆どの改札ゲートを通っても、その日に起きることと因果関係などない。上で述べたことは、「そこを通ると、物事がうまく運んだ(ように感じる)」「別のゲートを通ると、ついてなかったりすることが多い(ように感じる)」というだけのことだ。ひとはランダムな事象にむりやり因果関係を当てはめてしまう。そうだとわかっているから、僕は一番右の改札ゲートを通り続ける。そこを通っても、ついてない日もダメな日もあるのだと確認するために。運・不運はランダムに訪れるのだということを身をもって知るために。

マネックス証券 チーフ・ストラテジスト 広木 隆

マネックス証券株式会社
新潮流   マネックス証券株式会社
チーフ・ストラテジスト 広木隆が、投資戦略の考え方となる礎をご紹介していきます。
当社は、本書の内容につき、その正確性や完全性について意見を表明し、また保証するものではございません。記載した情報、予想及び判断は有価証券の購入、売却、デリバティブ取引、その他の取引を推奨し、勧誘するものではございません。過去の実績や予想・意見は、将来の結果を保証するものではございません。
提供する情報等は作成時現在のものであり、今後予告なしに変更又は削除されることがございます。当社は本書の内容に依拠してお客様が取った行動の結果に対し責任を負うものではございません。投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任でなさるようお願いいたします。本書の内容に関する一切の権利は当社にありますので、当社の事前の書面による了解なしに転用・複製・配布することはできません。内容に関するご質問・ご照会等にはお応え致しかねますので、あらかじめご容赦ください。

マネックス証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第165号
加入協会:日本証券業協会、一般社団法人 金融先物取引業協会、一般社団法人 日本投資顧問業協会

コラム&レポート Pick Up