日本の財政はどの程度厳しいのか:現状、将来、金融市場への影響に関する6つの疑問

2018/04/13

●4/12、政府が基礎的財政収支(PB)の黒字化目標を2020年から3~6年後に先送りする方針であると報じられた。これを受け、今後、日本の財政状況を懸念する声が徐々に高まる可能性がある。
●今回、問題点を整理するため、財政状況の国際比較、見通し、財政危機の可能性、改善方法、市場に影響は出るのか、影響が出る場合のトリガーは、という6つの論点について検討する。
●財政の悪化は緩やかに進むので、短期的には市場が急変するようなイベントは考えにくい。しかし、日本財政は既に極めて厳しいことから、小さなきっかけで市場のセンチメントが大きく変わりかねないことは意識しておきたい。

1.日本の財政状況は、国際比較でどの程度厳しいのか?
4月12日、政府は、「基礎的財政収支(プライマリー・バランス)」の黒字化目標を、現在の2020年から3~6年後に先送りする方針であると報じられた。基礎的財政収支とは、財政収支の赤字幅(歳入- 歳出)のうち、国債の発行や利払い等の国債費を加味しない、いわば国の本源的な収支を指す。

そもそも、日本の財政問題は他国に比べてどの程度深刻なのか。

財政健全化の国際比較は、財政収支や債務の残高をGDPとの対比を用いるのが一般的である。選挙制度を取る国々ではどうしてもバラマキ的な歳出拡大がみられるため、対GDP財政収支比率は、殆どの主要国で赤字が常態化している。このため国債発行で歳出を賄わざるを得ず、対GDP債務残高比率も上昇傾向にある国が多い。日本は、それらの主要国の中でも最悪レベルである(図表1、2)。
 
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