国際金融規制、最終合意:長年の規制強化の流れに終止符

2017/12/08

● 12月8日、国際金融規制を統括するBISが「危機後の規制改革の最終化」に関する文書を発表。銀行資本計算の「分母」に当たるリスクアセットの計算方法の変更等を提示。

● 最大の注目点は、大手行に与えていたメリットをどこまで制限するかだったが、結局市場予想通りの水準に決定。かつ、2022年から5年かけて段階実施と長い移行期間が設定された。

● 従って、大手行の財務運営にマイナス影響は殆ど出ないだろう。むしろ、これで不確実要因が払拭され、株主還元強化等の資本活用に踏み切りやすくなる。資本規制強化の流れから開放されるのは、殆ど2004年のバーゼルII決定以来10余年ぶりで、銀行セクターには朗報。

バーゼルが資本規制強化を完結

日本時間12月8日未明、国際金融規制を統括するBISが「危機後の規制改革の最終化 (Finalizing post-crisis reforms」という文書を発表した。GHOSと呼ばれるBISの上部機関の議長(ECBのドラギ総裁)は、「規制改革の完了を意味する大きな節目だ」と表現した。

今回の文章の主な内容は、複雑化した資本規制について、様々な点で統一性を図るというものである。特に市場が注目していたのは、大手行の資本比率計算の厳格化度合いであった。

銀行の資本比率は、分母にリスク量(リスクアセット)、分子にコアの自己資本をとって計算する。この分母のリスクアセットの計算は、1988年最初のBIS規制導入以降段階的に高度化されてきた。現在、多くの地銀が使っている「標準的手法」と、大手行や大手地銀が使っている「内部格付け手法」に分かれる。日本のメガバンク等は、最先端の「先進的内部格付け手法」を用い、分母のリスクアセットを圧縮している。

この結果、現在の資本比率は、高度化について行ける大手行については、高めに計算できる仕組みになっている。こうしたリスクアセットの圧縮は、特に、欧州と近年の日本で顕著にみられた(図表1)。
 
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