波乱に備えて~相場下落時に強い銘柄は?~

2017/04/13

地政学リスクへの備え

米国のシリアへのミサイル攻撃、スウェーデンやエジプト、ドイツなど世界中で頻発するテロ行為、そして北朝鮮の核問題といわゆる”地政学リスク”が高まっている。このようなリスクへの警戒が要因となってか、米国・ドイツ・日本の長期金利が揃って低下するなど安全資産への資金逃避傾向がみられる。円高が進行し、日経平均が年初来安値を更新するなど日本株も冴えない値動きとなっている。
もちろん上記で挙げた各問題が実体経済や市場に与える影響の大きさや今後の展開は未知数だ。ただ、万が一の事態に備えて準備をしておくべき局面と言えそうだ。
有事に備える1つの方法としてポートフォリオ内の現金比率を高めておくことが挙げられる。売却できるものは売却し現金化しておけば、もし市場が大幅な下落に見舞われた際にそれをチャンスに変えることもできる。また、すぐに売却はせずとも株価が大幅に下落した際に備えて損切り注文を入れておける「逆指値注文」等を活用することも有効だろう。
また、もう1つの選択肢として「下落相場に強い銘柄をポートフォリオ内に組み入れる」ということも検討余地があるかもしれない。現金比率を高めるよりはやや積極的な姿勢となる。本レポートでは、「ファクターリターン分析」と呼ばれる手法を使い、過去の下落相場ではどのような銘柄が堅調だったのかなどをご紹介したい。

ファクターリターン分析とは

「ファクターリターン分析」についてあまり馴染みのない方が多いかもしれない。ファクターリターン分析とは、簡単に言うとどのような要因で株価が変動しているのかを定量的に説明しようとするものだ。株式投資の際によく使われる指標として、例えば「時価総額」「予想PER」「PBR」「配当利回り」「売上高営業利益率」「自己資本比率」「自己資本利益率(ROE)」などがある。
ファクターリターン分析は、一定期間の銘柄群の値動きを分析し上記で挙げたような要因(ファクター)のなかでどの要因が銘柄間のリターン格差につながっているかを分析するものだ。この手法を使えば、「ROEの高い銘柄」と「営業利益率の高い銘柄」のどちらが市場平均に対して上昇しやすかったのか、などを比較することができる。1つ注意が必要なのは、ファクターリターンはあくまで「市場平均に対する相対リターン」を分析するものだということだ。ファクターリターンがプラスだからといって絶対リターンがプラスであるという意味ではないのでご注意いただきたい。
では実際に、過去に日経平均(市場全体)が下落した際のファクターリターンを見ていこう。以下の表1は、アベノミクス相場が本格的にスタートした2013年1月から2017年3月の51ヶ月の間に、日経平均の月次騰落率がマイナスだった22ヶ月について、主要項目のファクターリターンを示している。表の中で数値がプラス(背景が黄色)になっている箇所は、そのファクターが市場平均よりも高いリターンを得るために良く効いたということだ。(2017年3月であれば「予想売上高伸び率」や「実績ROE」の高さが市場平均と比べてより良いリターンを得るためのファクターになったということになる。)
 
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