週刊 株式相場レポート「~再び何となく楽観~」

2017/09/15

今週の総括

★国連の追加制裁決議や再度のミサイル発射もこれまでと変化が無いことで安心感が漂う

今週のプラス材料
・機械受注、工作機械受注、第3次産業活動指数が堅調
・フランクフルトモーターショー等でEV関連のニュース続く

今週のマイナス材料
・北朝鮮が再びミサイル発射
・米国に2つ目の大型ハリケーン上陸


今週の日経平均は、円安を背景に大きく値を戻した。

先週の北朝鮮による核実験を受けた国連の追加制裁決議が採択されたことで、さらなるリスク拡大への懸念が一旦遠のいたとの安心感が広まり、為替が円安に動き、株価が日米ともに上昇した。15日早朝に再度ミサイルが発射されたが、市場の反応は限定的だった。「ミサイル発射」も「日本上空通過」も過去に何度も起きていて、各国の反応も含めて「これまでと変わらない」と受け止められたと考えられる。

業種別では、先週売られた銘柄がより大きく戻る、いわゆる「リターン・リバーサル」の傾向が強かった。具体的には、金融、自動車、電機、機械などの上昇が目立つ一方で、内需というよりは堅調な業績からあまり売られていなかった食品、建設、電気・ガス、通信、陸運・空運、小売などは上昇幅が限られた。また、フランクフルトモーターショーに加えて中国のガソリン・ディーゼル車禁止方針の報道等も受けて、EV、電池関連銘柄への物色が目立ったほか、個別決算発表への反応も見られた。


来週以降の見通し

★さらなる上昇には追加材料が必要か

日経平均想定レンジ 19,200~20,200円
来週以降の注目材料
・北朝鮮動向
・欧米の金融政策の行方
・米トランプ政権動向
・小売などの決算発表

リスク要因
・北朝鮮動向
・米政権に関する懸念拡大リスク
・原油価格と為替市場の乱高下
・メガバンク株価のピークアウト


北朝鮮動向次第ではあるが、来週の日経平均はあまり大きく上昇せずにボックス圏の動きの可能性が高い。

北朝鮮に関しては、数ヶ月前と比べて、解決に向かっているとは考えにくいが、武力衝突のリスクが高まったかも不透明。今週のドル円と株式市場は「一旦安心」を示してはいるが、本当に懸念が払しょくできた訳ではない点は忘れてはならない。それを示すように、金価格は高止まりしたままで、日米長期金利も先週までに下落した後、そんなに戻してはいない。楽観しすぎるのはまだ危うい気がして仕方がない。

またそれ以外の材料としては、欧米の金融政策の方向がまだ見えないことで一段の円安・株高へのキッカケもつかめずにいる。日米中の景気も企業業績も堅調で、北朝鮮動向に変化がなければ大きく売り込まれる可能性は低いが、外人投資家の売り越しも続いていて、力強い相場展開は期待しづらい。リスク・オフへの懸念を片目で見ながら、次の材料待ちの展開となる可能性があろう。


コラム「徒然なるままに」

業務効率化グループウェアを主体とするソフト開発会社であるサイボウズが13日付日経新聞朝刊に出した全面広告が注目されている。

広告のタイトルは、「働き方改革に関するお詫び」。昨今の「働き方改革」で、残業を社会悪として否定する風潮に「ちょっと違うんじゃないの」と疑問を投げかけている。
「100人100通りの働き方」を目指し、社員が在宅や遠方にいてもコミュニケーションが取れるソフトを提供し、自らの社員に対しても育児・介護休暇や在宅勤務などの仕組みを充実させてきたつもりだが、「とにかく残業はさせまいとオフィスから社員を追いだす職場」などの分かりやすい事例をあげ、自分たちのメッセージが伝わらず「申し訳ない」と表現している。さらに同社HPを見ると、「働き方改革、楽しくないのはなぜだろう」というコピーとともに、ありがちな改革失敗例をアニメで載せている。

「働き方改革」の問題点を的確に指摘していると感じた。実は私もこの「働き方改革」に違和感を持つ1人。もちろん、労働時間が短くなると同時に作業効率も上がり、満足度も上がる例もあるだろうが、うまく行かず満足度が上がらない場合も多いだろう。
1.作業量や業務プロセスを見直していない: 単純に残業禁止として問題なく実現したなら、それまで相当のんびり働いていただけかもしれない。多くの場合は業務の積み残しが残り、サービス残業・持ち帰りなどが発生してストレスとなろう。業務遅延で取引先に迷惑をかけたら取引を失うなど会社にもマイナスが出るかもしれない。
2.残業代減=収入減: 一定の時間外手当が生活費の一部として組み込まれている人は多いだろう。収入減は痛い。従業員作業効率を上げて残業を減らした成果として基本給や賞与を見直さないと満足度低下につながる。少し違う観点だが、広告代理店や商社、金融機関等は労働時間が長く、業務の密度も濃い傾向があると思うが、平均収入も高い。外資系投資銀行やコンサル会社はもっとそう。実はそれだけ業務量が多く、時給換算では普通の会社と変わらないだけなのかもしれない。
3.スキル習得年数の長期化: 労働時間が減れば業務経験時間も減る。その分、1人前になるまでの期間が長期化する可能性がある。どんな仕事でもある程度、経験時間に比例してスキルが上がる部分はあるだろう。毎日午前中だけ働いた人と毎日17時までの人とで、1ヶ月後の仕事の覚えは違うはずだ。特に若いうちに経験時間が少なくなりスキルアップに時間がかかると、不満を覚える人もいると思う。

次回発行予定:9月 22日(金)17:00以降

過去のレポートはこちら

■ 松井証券マーケットレポート

その他の投資に役立つレポートも公開中

■ 松井証券マーケット情報 最新レポート

nisa_300x250

松井証券株式会社
株式相場の振り返りと翌週の展望に関するレポートです。
注目材料や想定レンジ、主なイベントスケジュールなど、投資を考えるうえで重要な情報をお届けします。

【原則、毎週最終営業日の17時以降に更新】
・本レポートは、当社が信頼できると判断した情報に基づき記載されていますが、その情報の正確性および完全性を保証するものではありません。
・本レポートは、お客様への情報提供を唯一の目的としたものであり、投資勧誘を目的として作成したものではありません。
・投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。
・本レポートに掲載された情報の使用による結果について、当社が責任を負うものではありません。
・本レポートに掲載された意見や予測等は、レポート作成時点の判断であり、今後、予告なしに変更されることがあります。
・本レポートの一切の著作権は当社に帰属します。いかなる目的であれ、無断複製または配布等を行わないようにお願いいたします。

コラム&レポート Pick Up