週刊 株式相場レポート「~方向感欠け「待ち」モード~」

2017/04/21

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今週の総括 

★1ドル108~109円で推移する為替相場に連動しつつ、もやもやした展開が続く

今週のプラス材料
・中国GDPが年率+6.9%に回復

今週のマイナス材料
・為替市場が1ドル108~109円台で推移
・英メイ首相が「下院解散、6月総選挙」と声明発表


今週の日経平均は、結果として18,000円台前半から半ばでの動きに終始した。

4月に入り、北朝鮮やシリアにおける米・中・ロを巻き込んだ緊張が続き、ドル円相場、日米長期金利、金価格などがリスク・オフ方向に動いて、日経平均も19,000円を割り込んだ。今週もその流れで一時は年初来安値を更新したが、21日に1ドル109円台を回復したことで日経平均も18,600円台まで回復して引けた。

昨年1~2月の「原油価格急落・ドイツ銀経営不安」、同6月の「英国のEU離脱」では15,000円割れまで下落したが、現在の株価水準は米大統領選前の16,000~17,000円前後と比べても高値圏にある。他の市場価格も同様に大きくは崩れていない。3月まで相場をけん引してきた資源株の下落が目立つが、それ以外は極端に売り込まれた業種もない。「リスクオフ」というよりも、「一歩下がって様子見」という印象が強い。一方で、新興市場の銘柄を中心に、ニュースや決算発表への反応も目立ってきた印象。


来週以降の見通し

★様子見モードの中、個別決算に反応か

想定レンジ  18,200~19,000円
来週以降の注目材料
・フランス大統領選挙(4/23、5/7)
・シリア・ISと北朝鮮の動向
・3月期決算(観測報道、4/25日本電産)
・米国予算と減税の行方、OPEC減産合意の行方

リスク要因
・米新政権の経済施策に関する不透明感
・原油価格と為替市場の乱高下
・欧州の各国選挙での移民反対派の支持率上昇
・メガバンク株価のピークアウト


来週は日経平均のレンジは大きくは変わらないが、3月期決算企業の決算発表が本格化するため、個別銘柄への短期反応が目立つ1週間となりそうだ。

注目イベントは、今週末のフランス大統領選第1回投票。市場の事前想定は、「ルペン氏が票を伸ばしても過半数とならずに第2回投票(5/7)が実施され、最終的にルペン氏は落選する」というものだろう。想定と違う結果となれば、市場が動揺するリスクがあろう。市場心理の面から注目しておく必要がある。

そして、本格化する決算発表も重要。4月前半までに決算を発表した小売では、今期予想を増益とする企業が目立った。相場全体を押し上げる効果は無かったが、日本全体の消費は横ばいが続く中、心強い内容と評価したい。17/3期の年間平均為替レートは1ドル108円台。18/3期会社予想の前提は1ドル108~110円程度が予想されるため、為替による収益押し上げは期待しにくい。その中で増益予想・増配予想を出せる企業がどの程度あるか、増益幅はどの程度なのか。そうした方向感を見る上で、毎回注目されるのが日本電産。業績好調な半導体、機械がさらにどの程度伸ばせるかも注目されるが、円高で業績悪化していた電機がどの程度の利益回復予想を出せるかにも注目している。

コラム「徒然なるままに」


上場企業の利益率の改善が進んでいる。全ての上場企業を集計して吟味した訳ではないが、財務省の法人企業統計の大企業の数値を見れば、その傾向は確認できる。また昨年来、さまざまな業種の機関投資家・アナリスト向け説明会にいくつか出席しているが、そこでも、営業利益率やROEの改善についての説明に力点が置かれていることが多いと感じる。多くの企業の経営陣が、利益率/ROEへの意識を高めていて、実際に利益率の改善も進んでいるという印象を受ける。
この背景や理由について、見る者により違う見解がある気がする。政府関係者は、2014~15年に導入された「コーポレートガバナンスコード」や「スチュワードシップコード」により、経営陣の株主に対する責任が意識された成果だと言うかもしれない。機関投資家は、10年以上前から説明会やIRミーティングの場で自分たちがROE向上を要求し続けてきたことに、企業がようやく答え始めたと評価するかもしれない。
どちらも間違ってはいないだろう。でももっと大きな理由があると私は考えている。「国内低成長」と「リストラの終了」である。上場企業の経営陣には「儲けたい」「成長したい」「株価を上げたい」という動機が自然に存在すると思う。右肩上がりの高度成長時代には、売上高やシェアが重視されて利益が後回しという印象を持つ人は多いかもしれないが、その時にも収益拡大と株価引上げへの意識はあったと思う。人口が増え市場が拡大する局面だったため、利益最大化のベストの方策が売上高とシェアの拡大だったのではないか。そして90年代以降、横ばい成長とバブルの処理の時代には、経費カット、有利子負債圧縮、キャッシュフロー確保が利益最大化の道だったと考えられる。リストラが一巡した後は海外進出を加速していくが、08年のリーマンショックで多くの企業は再度リストラを迫られた。しかし、それも乗り越え、再び攻めに転じるステージとなった。ただし国内市場は成長余地が限られるし、海外に目を向けても先進国の成長率は低下し、中国経済も一時の高成長からは減速している。グローバル企業との競争もあるため、簡単に売上高を増やせるとは限らない。その中で利益を最大化するためには、「売上拡大はコントロール可能な範囲の安定成長とし、利益率改善を目指す」のがベストという局面なのではないか。つまり、経済合理的な判断から自然に利益率重視に向かっていると感じるのである。結果として株価も上がるので、投資家にとってはいい話には違いない。


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次回発行予定:4月28日(金)17:00以降

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