暴落か、ただの中間反落か。市場は後者を選んだ。

2016/07/11


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※以下は、7月9日に開催した東京セミナーにおけるわたしの講演部分を、文起こししたものです。とくに、最後のほうには、講演では時間の関係で解説できなかった「変化日」の日程について書いてありますので、セミナー参加者はよくご覧ください。

★年間のアノマリー~年前半下げた年は、後半上昇して終わる。
これは、よく当レポートでも解説している年間の相場パターンです。
市場を主導的に動かしている米系ファンドは、その年間の運用が、税制によってほぼ売買パターンが決まっています。
10-11月に損益通算をしなければならない関係で(秋に、ポジションをニュートラルにするということ)、年前半相場が高ければ、現物株の益出しと、含み損を抱えた銘柄の損切りによる節税と、損益合わせ切りをします。
したがって秋に相場が安くなります。
ところが、今年はイレギュラーで、年前半からあらぬ事情で大きく下げてしまいました。
ポジションは、ショート中心で回っていたはずですから、秋の損益通算に向けて、ショートカバー優勢になってきます。
つまり、年後半は上昇して終わる傾向が顕著になる年回りだということです。

(年間の相場のアノマリー)…図表割愛

問題は、果たして、本当にこの年間のアノマリー・パターンのように相場が展開していくかどうかです。

★年前半の下げ率の大きさ。
驚くべきことに、今年も7月になったので、上半期の相場を振り狩る機会にあるわけで、改めて見直してみますと、日経平均は年初から20%近い下落です。
この下落率というものは、戦後の歴史においては、四番目という恐るべきものです。
一位は、1992年の日本が本格的な構造不況に突入していった年の30.6%下落というものです。
あの90年暴落の、バブル崩壊一年目でも上半期は18%下落ですから、それを今年は上回る暴落商状だったということになります。
ただ、上半期に大きく下げた場合には、ふつう下半期には大きく上がります。先述の92年のような、構造不況に突入していった年周りでさえ、少なくとも上昇して終わっています。
上半期に大きく下げて、下半期も大きく下げるというケースは、暴落のスタートの年回りに発生する現象です。
たとえば、1990年のバブル崩壊の年、もう一つ有名なところでは2008年サブプライムショックの暴落の年回りです。
上半期を上回る下落率で、下半期の相場が崩壊しています。
さて、今年は一体どちらのケースになるのでしょうか。
すべては、アメリカ市場の動向にかかっているといってよいでしょう。

★2014年11月からずっと、アメリカは暴落のリスクの淵に立っている。
いつもいつも触れている話ではないので、読者もとっくに忘れてしまっていることかもしれませんが、実は2014年11月から、米国株式市場というものは、今日までずっと暴落のリスクの淵ぎりぎりに立っているということです。
2014年11月というのは、先行指標のダウ輸送株指数が最後の史上高値をヒットしたときです。
その後、総合株価指数S&P500は2015年5月に史上高値をヒット。その後、どちらも高値を取れていません。
この二つの指標から出て来る仮説の一つには、米国市場は一昨年に早くも天井を形成し始めている可能性です。
今年S&P500が、昨年の高値にごくわずかのところまで迫っているものの、突破できずにいます。
ダウ輸送株指数にいたっては現在50日線を下回っています。
非常に不穏な位置にあるということは、間違いありません。
ただ、これらはすべて、利上げという積年の悲願であった金融政策の転換に伴う、中間反落なのだ、ということであれば、恐らくそれは終わったのでしょう。

★もう一つの悲観的なシナリオは、暴落。
そうではなく、実はここから、とんでもない暴落が始まろうとしているのだ、という仮説もまだ命脈を保っています。
現在の米国市場の戻り相場が不発に終わってしまった場合、米国市場という世界の中心が崩れてくることになるので、グローバル市場にとっては致命的な痛手になってくるでしょう。
折りしも、6月に発表された、5月分の雇用統計があまりにもひどい内容であったため、このシナリオにも一定の現実味が出てきていました。
非常に危うい状況だったわけです。そこに、英国の国民投票の問題などが勃発したので、大いに金融市場は揺らぎました。
まずは昨晩の6月分の雇用統計では、果たしてどうなるか、大変注目されていたわけです。
ただ、こうしたイベントは一回済めば終わりというものではなく、今後何度も試されることになるでしょうから、都度わたしたちもよほど注意しなければなりません。
とくに、米国市場は株式投資の融資残が歴史的、記録的な規模にまで膨張しているので、いったんこの歯車が反転してしまいますと、とんでもない暴落になりかねない需給の地雷を抱えています。

★日経平均を週足(あるいは月足)で見ると、背筋が寒くなる。
実際、日経平均を週足や月足で、長い期間にチャートを引き伸ばしてみると、とてもではありませんが、楽観的にはなれません。
長期的なトレンドはほぼ万事休すという状況です。
これを引っくり返すのは容易なことではありません。
よほど、米国株式市場が強さを発揮しないと難しいでしょう。
それでは、ここから状況が好転するとしたら、どういうことが考えられるのでしょうか。
それを見てみましょう。

★日経平均、下値サポートは岩盤。
米国が、需給の地雷を孕んでいることは先述しました。
一方、日本ではこの需給が逆になっています。
年初から、外部環境にずいぶんと振らされる展開が後から後から続きます。
これは、日本株市場が、グローバル市場のプレイヤーにとって、格好のヘッジに使われているということが大きいのでしょう。
2月12日、6月24日に、1円違いで14864-14865円の安値を叩いた日経平均は、一応これで今年のボトムを打ったと考えてもよいでしょう。
週足で、価格帯別出来高動向を見る限り、14000-16000円のこの帯域が、かなり出来高をつくっていることがわかります。
長い需給と言う点では、この水準を割っていくという可能性は、ほとんど皆無と言っていいでしょう。

(価格帯別出来高動向)…図表割愛

これは、外人の裁定買い残が、なんと7500億円まで急減していることからもわかります。

(裁定買い残と日経平均)…図表割愛

1兆円を割り込んだのは、2012年1月13日の週以来です。
最低水準は2009年(サブプライムショック暴落)の2月20日の統計、2538億円です。
いずれにしろ、1兆円を割るという裁定買い残は、ほぼ短期的な海外勢は、日本の持ち株がゼロだと言っても過言ではないでしょう。

(裁定買い残 長期) …図表割愛

2006年4月以降の、長い裁定買い残のグラフを日経平均を比べてみますと、いかに現在の裁定買い残が低いかがわかります。
しかも、この減り方が問題です。
サブプライムショック、2008年のときには、半年かけて2兆8000億円の減少でしたが、今回は2ヶ月もしないで、2兆円が吹き飛んだ勘定です。
ある意味、この外人の売りという観点だけで言えば、東京市場にとってはサブプライムショック以上の売りだったということになります。
すでに、水準が水準なので、今後相場が今後下がった場合のダメージはほとんどないか、きわめて限定的であるということが間違いないのでしょう。
一応、投機的、短期的な外人の売り方というものは、さほど日本にとっては脅威ではなくなっていると判断できます。

★外人がかくも減った最大の理由は、パナマ文書問題。
恐らく(推測なのですが)、外人の日本株投資がこれだけ減ってしまった最大の理由は、パナマ文書問題でしょう。
ここ3年にわたって、運用成績が悪いヘッジファンドは、大口の投資家のファンド解約という最大のリスクに見舞われているはずです。
今後、各国で経済実体の無いパナマなどタックス・ヘイブンへの送金は、厳しく監視されていくでしょうから、その前にかなり今年に入ってから、ヘッジファンドからの資金回収が激化しているのではないか、と推察します。
あるいは、その傾向があり、ファンド側が対応しているということかもしれません。
恐らく、生き残っているヘッジファンドは、10-11月の損益通算期限までに、やれることといったら、売ることではなく(売る玉を持っていない)、最終的には売るにしても、しばらく裁定買い残の積み上げをしなければならない、と言う立場にありますから、買うことはあっても、売ることはほとんど無いでしょう。
もちろん、投資家からの解約請求に基づき、逐次換金売りをしなければならないでしょうから、この裁定買い残の積み上げは、以前のような急ピッチで過激なものにはなってこないでしょう。
もしかしたら、ヘッジファンドの体力が弱っていて、さほど裁定買い残を積み上げることすら、できなくなっているという可能性もあります。

★むしろ、日本株買いの主力は外人、それも長期マネーに主役交代。
実は、こうしたヘッジファンドはもうどうでもよいのです。
主役の座を降りたといってもいいでしょう。
となりますと、最大のポイントは、長期マネーが買ってくるかどうか、です。
各国の年金やオイルマネーなども、これに含まれます。とくに、インデックス型ファンドではなく、アクティブ系のファンドが、積極的に日本株買いを行うと見ています。
いくつかの根拠があります。
最大の根拠は、ジャンクボンドです。
これは、投資不適格社債ばかりを集めたETFですが、米国ではついに年初来高値更新です。
もし、ファンダメンタルズ上、景気の失速、金融市場の崩壊を市場がほんとうに想定しているのであれば、真っ先に暴落しなければならないジャンクボンドが、足元で年初来高値です。
つまり、市場はまったくリスクを感じていないということになります。
なぜ、それなら、2000兆円もの世界の国債のうち、5分の3がマイナス金利状態になっている(史上高値懸念にある)にもかかわらず、まだこの国債をひたすら買っていたのでしょうか。
答えは、やはり、相場や景気のリスクとは関係のない理由で、資金を逃がしたということ以外に考えられません。
その「とこか」とは、パナマ文書問題であぶり出され、今後規制が厳しくなってくるであろう、「タックスヘイブン(租税回避地)」にたまったヘッジファンド経由のビッグマネーなのでしょう。
さて、そこではこれを踏まえて、その他の根拠も確認しておきましょう。

(政治の季節~熱い夏)…図表割愛

・英国のEU離脱問題ピークアウト:
この問題は、かねてから述べていますように、英国にとっては問題でもなんでもありません。離脱手続きに手間取ることが、数ヶ月から2年にわたって予想されるわけで、ポンド安だけが進行したことから、英国株はすでに高値更新。「錯覚でしかなかった」という結果はすでに出ています。その英国中銀が、夏場に金融緩和措置を検討していると報道されています。この英国にしてこうですから、その他先進国は言うまでもありません。

・むしろEU大陸側のほうが、問題。
たとえば、英国にとってドイツは、たいした輸出先でもありません。むしろ、ドイツにとっては英国は、その2倍に相当し、ドイツの中国向けを上回っています。その他の欧州各国についても、似たようなことがいえるわけで、むしろ英国離脱は、欧州大陸国家にとって大きな問題なのです。
従って、今後起こることは、ECB(欧州中央銀行)の追加量的緩和にほかなりません。
英ポンドが大きく下落して低迷していますから、なおさらそうです。
これは、ユーロ安を誘発しますから、玉突きで対円ではドル高発生要因になってきます。
欧州株式市場は、すでに24日の急落直後から、このことを織り込み始め、それが、あろうことか、急落の震源地であるロンドンFT100指数が年初来高値を更新してしまい、ドイツDAX指数が戻れないという状況になっていると考えられます。

(英独株価指数比較)…図表割愛

・日銀も大義名分を得た。
日銀も同じことです。今回の英国の離脱問題後、明らかになってくるマクロ経済指標の伸び悩みは、国債増発を含めたかなりドラスティックな量的緩和措置に踏み切ってくるチャンスです。7月28-29日の日銀会合がその意味では注目されます。

・政府は、第二次補正予算に動く。
秋に向けて、政府は当然、第二次補正予算を大規模な計画をつくろうとしています。一説には、10兆円どころか、20兆円、あるいは50兆円という観測もありますが、いずれにしろ夏場から秋にかけて、政府が動いてくることは確実でしょう。日米欧州とも、中央銀行が、サブプライムショック以降の危機的状況において、非伝統的金融政策を軒並み発動し、危機回避に成功したまではよいのですが、その後の景気浮揚にはもはや金融政策は能力も効果も限界にきています。
どうしても、財政出動が必要です。それは、春にG20で珍しく、初めて確認された懸案事項だったわけですが、今のところどこもこのカードを切っていないのが現実です。
フリードマンで救われた危機から、一段と景気を押し上げるには、財政出動という実弾投入というケインズを引っ張り出さなければなりません。
今、財政健全化の美名のもとに、日本や欧州では、フリードマンに対する疑念と、ケインズに対する批判がまかり通り、まったく現実的な方策を打ち出せずに迷走しています。
残るは、アメリカが先導役を果たしてほしいところですが、大統領選挙ですからできません。
となれば、アメリカ経済やアメリカ企業の自力回復以外に頼るすべが無い、ということになります。

・米国連銀は、大統領選挙本戦の前に利上げを打ってくる。
英国のEU離脱問題が、兄弟国(アングロサクソン)の英国にとって、メリットのほうが大きく、ダメージは少ないという認識の浸透につれ、欧州大陸が苦境に陥るのは、米国にとってさして問題ではありません。
金融市場の安定を確認するのに時間が必要ですから、7月の利上げは見送りなのでしょう。
しかし、9月はかなりの確率で利上げに踏み切ってくる可能性が高いとみていたほうがよいでしょう。
この機会を逸すれば、12月までチャンスはありません。あるいは、9月利上げではないか、という思惑から、米10年国債利回りが、ようやく上昇基調をはっきりさせてくるでしょう。
日経平均は、この米10年利回りが上昇しない限り、上がりようがないからです。両者はほぼ完全連動といってもよいでしょう。
長期的な投資マネーは、こうした政治的な大きな動きに敏感です。
以上のような期待シナリオが進めば、長期的なマネーは買ってくるのでしょう。
もし、そうではなく、彼らが売ってくるということになりますと、冒頭で注意喚起したような、米国市場の崩壊が始まってしまうということになるわけですから、これは重大な問題です。
従って、引き続き、この長期マネーの動向にはよほど注意を払っておきましょう。
逆に、9月でも利上げが無い場合には、(年内無いのと一緒です)かなり状況は厳しいことになるでしょう。

★予定では、米国株がいったんピークアウトするのは、夏場か。
さて、ここで、かねてから述べている、原油と株式相場、ダウ公共株と輸送株という二つの切り口で、米国株の目先の天井を確認しておきましょう。
まず、原由ボトムから、半年後には日経平均が底値圏から脱した過去の経緯から、今回の原由安値が1月として、6月~7月には日経平均が、安値圏から脱する想定ができます。

(原由安値と日経平均の時間差)…図表割愛

一方、米国の動きでは、先行するダウ公共株指数の最後の高値から、輸送株の最後の高値まで、3ヶ月の時間差が前回確認できるので、もし現在のダウ公共株がすでに高値だとして(まだ上昇するかもしれませんが)、輸送株はここから3ヶ月後、つまり、9月ごろに天井をつけて、下がるという想定をすることもできます。
冒頭で述べた、アメリカ暴落説をわたしが「採らない」一つの理由に、このダウ公共株が高値をまだ取りつづけている事実があるからです。
暴落であれば、公共株と言わずなんといわず、株式は総なめでチャートが崩壊するはずだからです。

(ダウ公共株と輸送株の時間差)…図表割愛

ダウ公共株の上昇が止まらない以上、輸送株やS&P500の天井も、さらに後ズレしていくことになります。

★トドメの一発は、日本企業の業績回復期待。
この、外人の、長期マネーがほんとうに日本株を買うかどうかの、最後の要件は、業績回復の期待に現実感があるかどうか、です。つまり、日本株を買う大義名分です。
今のところ、市場は先行性を失っているようです。
トヨタ自動車が前期4割減益となりましたが、株価はこの1年をかけて4割下がったわけですから、明らかに株価のほうが業績を後追いしていることになります。
これは、いかに市場が不安を抱いており、見通しが立てられない状態になっているかということを意味しているのでしょう。
実は、その重要な鍵を握る点があります。
それは、日本株が、ドル円相場と実は連動性が切れ始めているという事実なのです。
時間軸で話を分けて考えないといけません。
目先、夏場までは、ドル円は以上解説してきましたように、ドル高・円安基調が鮮明になってくるでしょう。
しかし、長いトレンドでは、円高に転換していることはもはや否定できません。
ここがポイントです。日本株が、円高局面でも、下げなくなってきているという事実に気がつかなければなりません。
日本株にとってはもはやどちらでも構わないのです。

(ドル円相場と日経平均)…図表割愛

この長いチャートを見てみますと、80年代以来、日本株の大相場は例外なく、円高局面が事前に発生しているということです。
しかも、その円高局面で、株高だったということが重要です。
そして今は、2月以降、この現象が顕著です。円高で、株が強いという傾向です。
直近のEU離脱問題で、一過性の下ブレはありましたが、日経平均は2月の安値から滑落していくことは免れているという点が重要です。

(直近のドル円相場と日経平均) …図表割愛

もっと言えば、この円高=株高局面には、ある重要な現象が発生していることが、必須です。
それが、原油が半値になる暴落です。
この三点セット、つまり、原油が半値になるような暴落=円高局面=株高局面は、その後に、必ずといっていいほど、バブル相場、あるいはバブル性の強いブル相場が確認されているという歴史的事実です。

★業績相場の傾向が強まる。
そこで、日本企業の収益予想を確認しておきましょう。
業績と相場の循環に関しては、局面がどんどん入れ替わっていくことで知られています。

(業績と相場循環の関係)…図表割愛

ちなみに、現在の日本株全体では今期「減収増益」です。四季報によると、来期が「増収増益」予想です。
相場循環の初動が、まさに「減収増益」ですから、業種にしろ、個別銘柄にしろ、この「減収増益」というのが、一つのポイントになります。
現在、「減収増益」の業種というのは(今期予想)、四季報によれば、以下の通りです。

(今期、減収増益業種) …図表割愛

以上の8業種です。
これが、いわゆるトップダウンアプローチと呼ばれる、業種のスクリーニング方法の王道です。
注目点は、保険を除きますと(保険にも、東京海上のように景気敏感系がありますが)、ほぼすべてといっていいほど、景気敏感、それもディープシクリカルか、それに準ずる業種です。
つまり、景気立ち上がりの初動で動く業種だということです。
かねてから解説している、サブプライムショック以降、金融相場だったところから、昨年夏から、年初までの中間反落を経て、業績相場(ブル相場)入りしていくというシナリオは、どうやらファンダメンタルズ上は生きているようです。
とくにそれが本物である可能性が高いと思われるのは、電気機器が含まれている点です。
つまるところは、電子部品です。
付加価値の高い電子部品と言えば、当然半導体です。
日本で、東京エレクトロン8035やソニー6758のようなこの関連銘柄が、強いという現象は、非常に需給の悪い大型株にもかかわらず発生しているわけですから、およそ洒落や冗談ではないでしょう。
このことは、景気の原動力である米国においても顕著です。

(米半導体株価指数、SOX指数)…図表割愛

24日の英国の国民投票前日には、年初来高値更新をしていました。
この水準を突破すると、ほとんどITバブル時代の高値まで、ほとんど真空状態です。

★今後の変化日、転換日。
さて、以上の解説を総括すると、こういう段取りが見えてきます。
箇条書きにまとめてみましょう。

・日本株は、すでに為替市場をあまり意識しなくなってきている。その根拠は、業績循環(つまり景気循環)が、「減収増益」であり、今後「増収増益」へと移行しようとしている段階にあるから、利益成長率の期待が大きく、為替の誤差などどうでもよくなってきている。目先、夏場に関しては、先述のように一時的なドル高局面や、米国の9月利上げ説台頭などから、ドル円が日本株押し上げのプラス要因として働く可能性はある。

・実際、前期にかなり膿を出してしまっているので、業績のハードルは発車台が低くなっており、今期、来期と、サプライズが出て気やすいというテクニカル上非常に面白い局面に入ってきていることからも理解が可能。利益成長率は、前年同期比では「良く見えるようになってくるのが、今年後半から。

・中長期的には、原油の暴落が終わり、利益成長率が相対比較で回復基調に見えるようになり→株価が円高でも上がる傾向となり→先進国が軒並み長期金利の停滞現象が続く→バブルの環境がますます整っていく。

以上のようなことになりますが、ここで例の変化日・転換日を想定しておきましょう。

(今後の、変化日・転換日の予定)…図表割愛

こうしてみますと、8月第二週~第三週(つまり、8月の月間のアノマリー、月中で一番下がりやすいタイムゾーン)に、変化日が連続しており、ちょうどそこは、日本では「お盆」である、ということになります。
秋、9-10月という例年鬼門の時期ですが、年前半相場が下げていたことから、年後半は高いのが普通です。
ただ、同じようなことが起こった2014年の相場でも、10月には大きく一時的にせよ急落している局面があったことを考えますと、一応お盆過ぎから、秋にかけて、一回は大きく反落する局面は「ありうるのだ」ということは、念頭に入れておきましょう。
そうしますと、こうした変化日・転換日の仮説からは、一応お盆あたりまでは、この上昇局面は続くと期待できそうです。
個別銘柄に関して、そう選択が難しいということは無い局面のはずです。
黄金・チャンピオン銘柄リストの、「買いシグナル点灯中の銘柄」は、日々チェックして開示していますが、結局それらの銘柄の多くは、つど調整しながら、右肩上がりの綺麗なトレンドのものが多いのです。
とくに、優良株が揃っているチャンピオン系は非常に多くの銘柄が、同じような上昇トレンドのチャート形状をしていることがおわかりのはずです。
日々、動いてくるその他の銘柄にいちいち目を奪われているよりも、こうしたあるていど銘柄を限定してしまい、ガス抜き調整では適宜売買をしながら、一貫して追いかけるスタンスが一番早道で、楽なのではないでしょうか。
注意点としては、先述のシクリカル系(景気敏感系)銘柄を重視するあまり、それに一辺倒のポジションを組むことは避けたほうがよいでしょう。
ブル相場は、(指数の上昇が緩慢だとすれば、なおさら)ディフェンシブ系銘柄も循環物色されるはずだからです。
従い、両者をシクリカル6:ディフェンシブ4、あるいは、8:2、もしくは5:5、なんでもよいのですが、両建てのポジションが望ましいとおもいます。
シクリカルが優勢のときには、目先ディフェンシブは調整するでしょうが、ガス抜きするだけのことです。
シクリカルに調整が入れば、ディフェンシブは切り返します。
25日足のトレンドを維持する限りは、あまりどちらか一方に賭けるようなポジションは避けましょう。

以上
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