買い方は、思考停止の6月24日。売り方は、攻勢限界線に達する。

2016/06/27


満足度100%の「増田足」株式投資セミナーはこちらへ

※以下は、25日に増田経済研究所会員向けに配信した【赤備え・週報】本文の転載です。

▼土壇場のどんでん返し。
24日は、大変びっくりしました。市場も同じだったようで、呆然自失とはこのことだったでしょう。
まさかまさかの英国のEU離脱が、内外の金融市場を一斉に「質への逃避」に向かわせることとなりました。
暴落ではありませんが、年初と同じく、暴落的な下げっぷりだったことは間違いありません。
相場では、「後講釈」がとても大事です。それができなれば、同じ過ちを繰り返すことになります。
一応、今回の相場波乱とその対応が、本当に予想外だったのか確認しておきましょう。
予想外ではなかったという点が重要です。

▼【赤備え】の失策。
ポイントは、事前に台頭してきていた「楽観ムード」です。
【赤備え・日報(23日付)】では、国民投票というしょせんどういう結果になるかわからない水物がイベントの焦点になっていただけに、事前に株式市場が内外で上昇、英国のEU離脱はない(なにも変わらない)という楽観的な見通しが台頭していたことを、「危険だ」と認識していました。当の【赤備え】の戦略自体も、それまでの「篭城戦」から半ば討って出ていたわけですから(方針は「現物株保有7割、キャッシュ3割(重度警戒スタンスは維持)」というものでしたから)、市場の混乱を笑えません。
「危険」であり、警戒を要するとわかっていたのであれば、当然ながらキャッシュ3割を、掛け捨て保険として日経ダブルインバースETF 1357にヘッジ買いしておくべきでした。
これをしなかったのは、最大の失策でしょう。

:::

(6月23日付、【赤備え・日報】抜粋)
《英「EU残留派」が僅差で優勢というのは、結構危険。
今のところ、世論調査でも、EU残留派が、多少のリードで離脱派を上回っているということですから、なんとなく欧米市場ではこの問題に対して、波乱が無いだろうという楽観ムードに傾いているようです。
東京市場でも、日経平均の17000円、18000円水準のかなり強気のコールが買われているものの、こういう楽観的な状態はむしろ危険です。
日経平均先物は現物より安いわけですから、どちらかというと裁定解消売りの傾向のほうが強いので、ますます楽観的にはなれません。
僅差でしかありませんから、かりに土壇場で投票結果が「離脱」に決まった場合、ここぞとばかりに売り方は反攻を開始するでしょう。
これは、買い方の狼狽を誘います。
思わぬ急落にもなりかねないのがこういう状況です。

急落、それも「下げ止まらない」という場合。
ただ、そうなると、今朝の【金斗雲日報、朝刊】で解説しましたように、イベント通過で上がってしまい、そこで頭打ちになるよりは、先に下げて、もはや崩れない水準を見てしまい、売り方があきらめて撤収するというパターンのほうが、買い方としては楽な勝負です。
一時的には急落で肝を冷やしたとしても、このほうが「実は、たいした問題ではなかった」ことの一番鮮明な確認になるわけです。
もちろん、それが皮切りになって、止めども無く下げ続けられては困ります。
従って、現時点では「現物株7割、キャッシュ3割。重度警戒スタンスは維持。」という戦略方針のまま、静観です。すでに、現物株7割ですから、もはや「篭城戦」ではありません。城外に討って出ています。 》

:::

★思わぬ狼狽で、急落してしまう場合。
いずれにしろ、上がる分には、日経平均が25日足突破まで、現物株比率を引き上げたとしても、フルインベストメントになることはないので、むしろ対応を事前に考えておかなければならないのは、下げの場合です。
それも、上記のように狼狽で下げ、それが下げ「止まらない」という最悪のケースに際しては、キャッシュ割を日経ダブルインバース 1357を即時買い入れでヘッジ。
さらに、現物株比率を半分まで直ちに落として、その分同ETFの買い増しに充てるということで、まず、資産の均衡化を図れるように、こころの準備をしておきましょう。
当レポートでは、この最悪の底割れというシナリオはほとんど少ないだろうと、需給的な観点から考えていますが、なにしろ選挙です。水モノですから、予断はあまりしないほうが良いでしょう。

キャッシュ3割を、このETFに投下していれば、24日は一日で16%の暴騰でしたから、資産全体の評価額は、まったく毀損することもなく、保有銘柄によっては、資産全体ではプラスであった可能性が高いのです。
今後の教訓として、この種の微妙・不透明なイベントに市場の重大関心が集まっているときには、やはり、キャッシュの分をかならずヘッジしておくべきだと思い知らされます。
キャッシュを3割残し、いざというときにはこの指数逆行ETFの買いヘッジを予告(警告)し、投票直前の楽観論は危険だと指摘していた【赤備え】にもかかわらず、事前にその万が一に備えて「詰め」の一手に踏み出していなかったことは、「うかつ」の一言に尽きるでしょう。

▼市場の混乱。
おそらく、わたしも、また市場関係者の大勢も、同じような「微妙だが、大丈夫だろう」という根拠のない楽観論に囚われていたということです。
先年の、スコットランド独立を巡る投票のときには、やはり両者拮抗という観測でした。それが選挙日が接近するにつれ、僅差で独立反対が優位に立っていった、あの過程のイメージが脳裏に焼き付いていたと推察されます。今回も同じような経路を辿るのだろうと考えるのは、人情としては確かに自然です。
投票前夜の段階で、英国の離脱派領袖が、世論調査や賭け屋のオッズなどを背景に、「どうもわれわれは敗北したようだ」と、事実上の「敗北宣言」を出していたことも、この楽観論を決定づけたように思います。
しかし、この直前の離脱派の「敗北感」も、投票結果を得た上でのことではなく、ただの観測だったわけですから、僅差である以上、確実性のないことにベットするべきではありません。
こうした根拠のない「離脱無し」という楽観論が、24日前場の開票の進捗で、番狂わせの結果に導き、狼狽から、一斉に資金逃避を促したことになります。

▼24日の相場は、完全に思考停止状態。
今回の相場波乱が、暴落への道行きなのか、それとも当初から【赤備え】で想定しているような一過性のものなのか、それが問題です。
なにしろ、投票結果がまったく外れてしまったわけですから、この株安の解釈ももう一度、落ち着いて考え直してみる必要があります。
シナリオ想定の仕切り直しです。
少なくとも、24日は、市場が完全に思考停止状態だったということです。
どこでわかるかというと、三つの点です。

1 各国主要株価指数とも、最初の一撃で急落したあと、断続的な売り圧力はなく、ずっと引けまで底這い状態のままだった。

2 肝心のポンド対米ドルが、1.35という岩盤のサポートラインを割らなかった。

3 暴落必至の英10年国債が、むしろ買われた(英長期金利低下)。

これを一つずつ見てみましょう。
まず、1の、株式相場の急落は、前半で終息し、あとは動きが止まってしまったという点です。

(図表・・・割愛)

週末でもあり、センチメントが弱気相場に一気に傾斜したにしては、後半の時間帯はまったく動かず、売り崩れなかったのが印象的です。普通、とめどもなく下げて、ザラ場の安値を断続的に割り込んでいくはずです。
とくに、例によって離脱か残留かという開票の途中経過に関しては、アルゴリズムがプログラムされていたはずですから、この「お馬鹿」な機械が、そのがニュースが目まぐるしく変わるたびに、売りと買いをとんでもない規模で発動したはずです。
その割に、後場、離脱確定という状況下で、またその結果がはっきりした欧米市場においても、最初の一撃だけで、あとは動かなくなったというのは、非常に不可解です。
この状況というものは、おそらく番狂わせが起こったので、とにかくしゃにむに処分してみたものの、さて一体これがどういう影響になっていくのか、じつはさっぱりわからない、とにかく逃げれるだけのものは逃げた、そういう行動原理のように見えます。

次に、2の英ポンド(対米ドル)です。

(図表・・・割愛)

これは先日【金斗雲・日報、夕刊(今日のまとめ)】で掲載した英ポンド対米ドルの長期チャートです。
この週末、ポンドは急落しましたが、過去の1.35前後という岩盤のサポートの上で止まりました。
1.367です。
これも不可解なことです。それほどとんでもないことが起きたのなら、ブラックマンデーでも、ITバブル崩壊でも、またサブプライムショックでも、つねに守られていたこの1.35前後のサポートラインを、容易に割っても良かったはずですが、割りません。
この水準で止まったということは、為替においても、ポンドを売って他通貨にマネーを逃がしたはいいけれども、さてそれでは今後どうなるか、はやはりまったくわからないということなのでしょう。
これで英国が経済的にも非常に窮地立ち、欧州の金融センターとしてのロンドンも価値が下落するのだ、という決定的なシナリオがあるのなら、この水準でポンドが止まるはずがありません。
あまりにも、意識的にこの水準で止まったとしか考えられないでしょう。つまり、この次のステージが読めないのです。

最後に、3の英国10年国債です。
すでに、英国債の格下げに向けて格付け会社が動き出しています。
当然、英国債暴落という顫動が投機筋から飛び出してきてもなんら不思議ではありません。

(図表・・・割愛)

ところが、英国債は今回の金融相場の波乱において、売られるどころか激しく買われたのです。
大きな流れで見ますと、年初から3波にわたって国債に資金流入した波動の、その三回目が今回だったということになります。
これは不可解なことです。
ここから言えることは、じつはマネーは、英国のEU離脱で、金融・経済にどんな影響が起こるか皆目分からず、かといって英国が危機的状況に陥るとはまったく考えていない、だから英国債にも資金が大量に流入したのだ、という結論になります。

以上のことから、マネーのこの24日の大混乱というのは、「なにも変わらない」と踏んでいたマネーが、番狂わせの結果になったことで、「一体なにが起こるかわからない」から、国債に資金を逃がした、ということです。
そこには、英国のEU離脱そのものをリスクとは、「まったく感じていない」ということを意味します。
むしろ、離脱後に、なにが起こるのかが見当がつかない、という不透明感からいったん資金逃避した、というのが正しいところのようです。
このことは、過去日本でも起こりました。日本の国債格付けが引き下げられ(事実上ジャンク債に近いところまで引き下げられた)るというときに、国債暴落論が台頭しましたが、結果は逆で、国債に資金が流れました。
もし日本のファンダメンタルズそのものが、崩壊に貧するのだというリスクを感じていたのなら、日本国債が買われるはずがありません。このときはやはり一過性で波乱は終わりました。
同じようなことが、今回の英国でも発生したということでしょう。

▼マネーは、明確なリスクを感じていない。
この解釈を裏付けるものが二つあります。
一つは、ジャンクボンドです。
そしてもう一つは、ダウ公共株指数の動きです。
まず、ジャンクボンドを確認しましょう。
これは投資不適格企業の発行社債を集めた代表的なETFです。このような金融混乱の場合、真っ先に暴落するのが常です。株式暴落の際にも、早くからこれが暴落します。
24日、このジャンクボンドも、ごたぶんに漏れず急落しています。が、50日線を割ったところで、ちょうど直近安値をネックラインとして下げ止まっています。

(米ジャンクボンドETF)・・・図表割愛。

こうしてみますと、現時点では、「このていどの下げで終わる」のだとすれば、過去のギリシャショックや、人民元ショックのときのような世界的な金融波乱には、到底及びもつかにほどの軽微な事件だ、ということになります。
あるいは逆に、まさにここからジャンクボンドが暴落していくのかどうか、が焦点です。
次にもう一つ、マネーが現時点では、まだリスクをさほど感じていないことを示すものがあります。それは、ダウ公共株指数です。

(ダウ公共株指数)・・・図表割愛。

これは、先日・17日のオンラインセミナー(18日掲載の【赤備え・週報】)でも指摘したことですが、景気先行指標のダウ輸送株指数より、ダウ公共株指数のほうが1-2ヶ月先行して天井形成するということでした。
そのダウ公共株は、24日、金融市場大波乱の中で、なんと史上高値更新です。
もちろん、短期的には金融市場の混乱から、安全資産に資金を逃避させる動きが、この公益性の高い、高配当銘柄ばかりを集めた指数に資金を集めたということは考えられます。
が、そもそも、暴落が発生していくという場合に、この理屈そのものが成り立ちません。
公共株さえ売りの対象になるのが、暴落です。
つまり、やはり「なにがなんだかわからない。とにかく、いったん仕切り直しをしよう。」ということで、マネーが一時的にダウ公共株に逃避した、ということが伺えます。
ということは、このマネーは再びダウ輸送株や総合株価指数などに還流してくる待機資金になっているということになります。
ダウ輸送株指数の天井は、今のこのダウ公共株の史上高値が最後の天井だったとしても、7月終わりから8月終わりにかけてであろうというのが自然な流れです。
S&P500やその他の主要総合株価指数はさらにそれより遅れて天井をつけにいくことになるはずです。

▼結論~投機筋の売り・短期的なポジション調整は終わり。問題は長期マネー動向。
さてここで結論です。
以上のような分析からは、とりあえず、事前の予想がよもやの大はずれとなり、番狂わせから「何がどうなるのかわからない」という不透明感からくるポジション調整や、これにカサにかかったように売り叩いた投機筋の売り圧力というものは、どうも一巡したようだと推測できます。
とりあえず、売り方としては、初動のアクションとしては、攻勢限界点に達した、と24日のレポートで述べたのはこのことです。
米国主要株価指数が、3%級の下落になったということは、これが本物のベア相場入りだとすると、ここから1週間から2週間以内に、もう一回、2%以上の急落があるはずです。
これが、決定的な下げ相場入りのシグナルになります。
すでに、ダウ輸送株指数(1083)などは、すべての移動平均線を割り込み、2月初めの水準に滑落してしまいました。
中途半端な戻りは非常に危険で、その次の2%級の下げでは万事休すということになるところです。
その下げが出てくるかどうかは、おそらくこの愁嘆場を見て、いわゆる本当に大口の長期投資資金が、一体どう判断してくるかにかかっています。
たとえば、年金のようなマネーは代表的なものですし、富裕者層の大規模資金、動きの早いものでは、たとえばオイルマネーもこれに含まれるでしょう。
とくに、オイルマネーはロンドンをベースにしていますから、これが逃避行動に出てくるとなると、英国FT株価指数が、24日持ち直したのは、まやかしで、ここからとんでもない下落になってきてもおかしくなりません。

▼長期マネーは、いまのところ不動。
この長期マネーは、少なくとも24日の段階ではまったくといっていいほど動いていないのでしょう。
せいぜい、国債を買ったというくらいではないでしょうか。
発信源のロンドンFT指数やポンドの動きを見る限りではそうおもえます。
FT株価指数は、

(ロンドンFT100株価指数)・・・図表割愛。

驚くべきことに、英FT100株価指数は、週明け20日の寄り付き水準に対して、24日の週末大引けの水準は、なんと+1.5%と、プラスで終わっているという事実です。
世界中の株価を震え上がらせた番狂わせの大イベントの末に、肝心の英国株は、要するに週初からの残留という結果に終わるだろうという楽観論が、すべて吹き飛び、その上昇分のすべてを吐き出したようなものですが、それでもわずかにせよ、プラスはプラスで終わっているという事実が一体なにを意味しているのでしょうか。
このため、投機や短期的な一般資金のポジション調整は、一巡。本当に怖い長期マネーの動きがここから、安いと思って買いでくるか、それともやはり見切って売りからくるか、どちらを選択してくるかが今週最大の課題になってきます。
今週前半で、おそらく彼らの去就がはっきりしてくるのではないかと推察されます。

▼週明け、前半の東京市場。
24日海外市場における日経平均CME(円建て)は、15115円で返ってきています。
日経平均指数先物夜間取引は15260で返ってきています。
24日現物指数の大引けはご存知のように14952円でした。
つまり、地球を一回りして、163円から308円高い水準で戻ってきたということになります。
異変がなければ、週明けは中途半端な買い戻しから始まることになります。
東京市場の問題は、なんといっても「追証の発生」です。これが処分し終わってようやく落ち着いてくるのには、2-3日はどうしてもかかると思っていたほうがよいでしょう。
したがって、日経平均はかなり乱高下する可能性があります。
場合によっては、24日の【金斗雲・日報、夕刊】で述べましたように、25日移動平均線乖離率が、ここ1-2年の最高記録であった12%前後まで下落するという瞬間もないとは言えません。
それは、24日終値段階の25日移動平均線16382円から、12%下ということですから、14416円ということになります。

(日経平均の25日移動平均線乖離)・・・図表割愛。

現在、日経平均現物指数の25日線乖離率は-8.7%ですから、上記の14416円まで、24日引け水準からはまだ500円ほど下がらなければならなくなります。
しかしここまでくると、もはや500円など誤差の範囲でしかなくなってきています。
ちなみに、ドル円の25日線乖離率を確認してみますと、現在-4.5%です。13週移動平均乖離率でも、5.1%です。
通常、5%から下は売られ過ぎですが、25日線乖離でも、13週線乖離でも、5-6%というのが、もっとも大きな下方乖離率ですから、かなりいいところまでドル円も突っ込んできているということは言えます。

▼新安値銘柄数の推移に注目。
この追証の投げが週明け前半に集中すると考えられるということは、ボトムのシグナルとして非常に有効なのは、やはり新安値(年初来安値)更新銘柄数です。
このことは、やはり17日のオンラインセミナー(18日付、【赤備え・週報】)で解説した点です。

(新安値銘柄数の推移と日経平均のボトム)・・・図表割愛。

過去、日経平均のボトムと、この新安値銘柄数の天井は、ほぼ同日に発生してます。
先般このことを解説した17-18日の段階では、16日の459件で峠を超えた、という判断をしました。
ところが、また大きな一波がやってきました。
24日は突如として、716件です。
これは過去と比べても、相当高い水準ですから、これがピークになるか、それともまだ追証の投げで増大するか、これが、おそらく、目先日経平均底入れの一番鮮明なシグナルになってくるでしょう。

▼変化日。
変化日は、もともと13日~15日。
一目均衡表上の価格抵抗帯のねじれも変化日とすれば、21日と24日の二日ということでした。

(変化日)・・・図表割愛。

13日~15日というのは、一日ズレましたが、16日の安値を意味していたということになります。もちろんこういう日柄計算というのは目安ですから、あくまで結果論で見るしかありません。
次の、21日~24日というのは、どうも価格抵抗帯びの「ねじれ」という特殊ケースということを考えますと、24日のとんでもない急落を示唆していたということになりそうです。
変化日は、上も下もありますから、イベントがかさなるときには注意が必要です。
次の変化日は、ご存知のように33日周期で7月4日となりますが、米国市場は独立記念日で3連休となります。
この7月4日で始まる週の週末は、イレギュラーケースで、8日の土曜日に雇用統計が発表されます。
翌週の週末金曜日・15日がSQ(マイナー)です。ちなみに、東証マザーズの先物導入が19日です。
そして、雇用統計4日~SQ8日までが、月間では一番相場が押し易いアノマリーだということはご存知の通りです。
すでに、その前に突っ込んでしまった株式市場ですが、この月間のアノマリーはどうなるのでしょうか。

▼無難なシナリオでは、月間のアノマリー破りが想定できる。
この月間のアノマリーで、相場が押すのかどうなのかという点を、一番無難なシナリオで想定すると「アノマリー破り」ということになります。
ちょうど6月から7月に入る日柄です。米国では四半期ごとの相場の循環が発生します。
それは、7月第二週あたりから始まる4-6月期の決算発表であり、その前の段階では、6月下旬から7月上旬にかけて、そのための予想の修正期間(プレアナウンスメント)にあたるからです。
通常、このプレアナウンスメントで相場が警戒心を強め、軟調になることが多いのです。
現在、まさにそのプレアナウンスメント中であり、そこに英国のEU離脱問題の大番狂わせが起こったのですから、たまりません。
こういうケースの場合、決算発表がでるごとに、相場はアク抜けしていくのが普通です。
似たようなケースでは、昨年9月から10月にかけてがそうでした。夏場から大きく下げていた相場は、9月末には底入れをして、10月は急反発で始まっていたケースです。
もちろん同じだとは思いませんが、プレアナウンスメントで異常に大きく下げてしまっていた相場ですから、月間のアノマリーで下がるべきところ、意外にアク抜けで上がってしまうかもしれません。
それとも、プレアナウンスメントで大きく下がっていた相場が、月間のアノマリーで、一段と深押しすることになるでしょうか。
それを決めるのは、先述の非常に大口の長期資金の動き次第でしょう。
それは、来週には動きがはっきりするはずです。

▼米国市場のポイント。
今回の英国の国民投票で、番狂わせになってしまったのは、やはり米国連銀の利上げスケジュールでしょう。
こういう事態になりますと、7月の利上げは、よほど株式市場が急ピッチに戻さない限りは、無くなったと見てよいでしょう。少なくとも、市場はそうみなしていると思います。
その次は9月ですから、ずっと先です。
これを、米国市場がどう受け止めるか、です。
利上げが無くなるという状況を好感するか、嫌気するかということです。
人民元に続いて、またしても今度は英国問題で、利上げが先送りということになると、ことごとく外部要因が主な理由だということにしているものの、内実、本当に米国ファンダメンタルズは大丈夫なのか、連銀のコントロールがもはや不能になってきているのではないのか、といった疑心暗鬼を生み始めます。
たとえば、失業率からみて、完全雇用状態だというのにもかかわらず、一向に消費性向が高まらないのはなぜだ、という話になってきます。
もちろん、日本も同じですが、最大人口層であるベビーブーマー世代が、どんどん退職し始めており、労働参加する若年層人口はそれに比べて少ない。従い、データ上は完全雇用で、労働市況逼迫のように見えている。ところが、実際には、データのマジックであって、これでは本当の労働需給逼迫ではない、という仮説などがそういう批判です。
実際、米国の家計は、リーマンショック以来、株・債券などへの投資額が増大したとはいえ、貯蓄率も増大しています。
消費が伸びているとは言えない、という批判もあります。
これは、日本でも似たようなことが指摘できるでしょう。
つまり米国連銀も日銀も、施策は打ったが、思うように効果が出てこない、という部分はこの人口動態からくる当然の帰結であって、もはや金融政策では限界なのだ、という考え方です。
そこで、どちらも強力な岩盤規制の解除と財政投入の必要が迫られているわけですが、これには財政の健全化問題であったり、利権団体の激しい抵抗によって、両国とも思うに任せない、という状況なのかもしれません。
いつまでたっても、政府の側からの抜本的なドラマティックなテコ入れがなされないから、ずっと中央銀行がその重圧を引受け、なんとかここまでだましだましやってきたが、そろそろ限界ということなのかもしれません。
参院選挙で自公が敗退しかねないわけですし(アベノミクスは失敗だったかどうか、が争点になりつつある)、一方アメリカでは激しい公約を掲げるトランプ共和党候補のような人物が人気を集め、共和党自体がこれをコントロールできなくなっているということ自体、だれも現状を変えられないフラストレーションの現れとも言えそうです。
いずれにしろ、肝心の米国市場がしっかりしてくれることがすべての状況改善にとって、大前提となりますから、今週の米国市場の動きには注目しましょう。

▼戦略方針。
週明け、序盤の三日間が重要です。
先述の大口の長期マネーがどう動くかです。
やおら見切ってくるようですと非常に危険です。
そうではなく、一過性だと(当レポートでは、従来から「これは錯覚だという結論で終わる」と繰り返してきました。だんだん危うくなってきていますが。)思い、買ってくるか。
どちらかです。
先述通り、週明けの東京市場は買い戻しから始まる可能性はありますが、追証がらみの売りが待ち受けていることは疑いありません。
したがって、乱高下になると見ていたほうがよいでしょう。
そこで、戦略方針をどうするか、ということです。
現状は「現物株保有7割、キャッシュ3割(重度警戒スタンスは維持)」ということになっています。
23日に、あまりの楽観論台頭で株が高いのは危険なので、投票当日、急変して滑落相場になってしまう場合には、まず3割のキャッシュで日経ダブルインバースETF 1357でヘッジ買いをして、さらに下げ止まらないようなら、現物株保有を半分まで減らして、浮いたそのキャッシュで、ETFを買い増しという予告をしていました。
24日、残念ながら、前場、テレビQ&Aでしたから、号外配信ができず、機動的な判断ができませんでした。後場下げが再発しましたが、遅すぎ、見送りました。
ということで、予測外の事態になった以上、遅ればせながら、上記の「3割キャッシュを動員して、日経ダブルインバースETFのヘッジ買いをする」という判断に変更します。
「現物株7割、日経ダブルインバースETFで3割ヘッジ」です。
問題は、このタイミングです。
朝から買い戻しの可能性のほうが高いとおもうので、その場合は、例によって10時から10時半ごろに、戻り一巡となり、そこからまた下に振らされるということは十分考えられます。
あるいは、そもそもイレギュラーな相場展開になってきているわけですから、寄り付きからなにが起こるかわかったものではありません。
このタイミングをいつにするかは、始まってみなければわからないことなので、各位の適宜判断に委ねるよりほかないでしょう。
いずれにしろ、週明け初日は、3割キャッシュを動員して、まず資産評価の凍結を図るべきだと判断します。
最初の三日間、まだ荒れ模様でしょうから、場合によっては(日経平均が安値更新をするのであれば)、現物株保有を半分に減らし、先述のようにさらにETFの買いましをして、半々で篭城戦に再び戻るという判断になる可能性もあります。
いずれにせよ、すべては大口の長期マネーの動き方次第です。

▼【赤備え・モデル】の構成銘柄。
現時点で、赤備え・モデル(全体の7割。残りはキャッシュ)を構成しているのは、以下の銘柄群です。

寿スピリッツ2222
じげん3679
福井コンピュータ9790
平田機工6258
小林産業8077
Vテクノロジー7717
日本製鋼所5631
いすゞ7202
日本電波工6779

残りの3割キャッシュはそのまま。日経ダブルインバースETF 1357のヘッジ無し。
完全に無防備状態で、週超えです。

以上

増田足15日間無料お試しはこちらから

増田経済研究所
増田経済研究所が、今週の東京株式市場の動向を展望します。米国を中心とした国際情勢を踏まえ、誰が今、何を考え、我々個人投資家はいかに対応すべきなのか、分かりやすく解説します。
本資料は情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。
銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。
本資料の情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本資料の記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本資料の記載内容は、予告なしに変更することがあります。

商号等:有限会社増田経済研究所/金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第1069号

コラム&レポート Pick Up