戦略方針変更。再び「篭城(ろうじょう)戦」に逆戻り。

2016/06/13


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※以下は、11日・土曜日に、増田経済研究所会員向けに配信された週報です。

▼戦略方針変更、再び「重度警戒モード、ヘッジ3割」へ回帰。
週末、事態が暗転です。
結論から書きますと、再び「重度警戒モード、ヘッジ3割」に戻します。
要因は、以下の通り。

・ダウ輸送株指数(1083)、50日線割れ。
・日経平均、主要移動平均線すべてを割り込み。
・背景は、週末の英国世論調査結果で、大幅に「EU離脱派」が、「残留派」を上回る。

上記に照らして、急遽、戦略方針を変え、警戒度を一気に引き上げます。
資産全体のうち、現在1割キャッシュで、9割株の持ち残の「はず」です。
これを株の持ち残7割に引き下げ(つまり、2割分を処分)、キャッシュ3割は、日経ダブルインバースETF 1357買いに充てます。
タイミングは、週明け寄り付きからでよいでしょう。緊急避難です。

▼グローバルマネーが、23日に向けて、警戒モードに入った。
週末の欧米市場の下落は、直接的には英国世論調査の最新データで、「EU離脱派」が「残留派」を大きく上回ったことが要因でした。
離脱賛成が55%、残留賛成が45%ということです。
機関投資家は、すでに「離脱」に備えてそれなりのヘッジをこれまでしてきたはずですが、ここへきて世論が離脱に大きく傾斜したことで、一段と警戒レベルを引き上げてきたのではないでしょうか。
とくに、5月は残留派優位でしたから、ポンドも買い戻され、23日を前にした段階ではおおむね残留派優位のまま落ちていているだろう、と踏んでいたところ、6月に入って両者拮抗となり、週末は離脱派が大きくリードしているという結果が報道され、にわかに狼狽し始めたということでしょう。
わたしも、投票前には残留派優位で落ち着くだろうと思っていましたから、意外な世論調査で驚きました。

▼変化日経過で、相場の下落加速のリスクが出てくる。
こうなりますと、13日の変化日は、反転上昇ではなく、相場の下落が加速するという思わぬリスクの台頭になってきかねません。
少なくとも、週明け月曜日・13日(変化日)は、下げから始まりそうです。
月間のアノマリーは破られ、23日の投票前後まで、非常に危険なタイムゾーンと化してきます。
まずは、資産の保全が急務です。
例の、二者択一です。

・ 総撤退→キャッシュ化
・ 篭城(ろうじょう)戦→ヘッジで、資産均衡化。

▼二者択一のいずれを選択するか。
【赤備え】では、「篭城(ろうじょう)戦」を選択します。
総撤退は良いのですが、大きな流れでは、今年は上昇トレンドで終わるという想定はなにも変わっておらず、また英国の問題は、一過性ですから、仮に相場の突っ込みがあるとすれば、相場の底入れ反発が始まると、急速なピッチで発生してくると考えているためです。

(総撤退の一長一短)
総撤退の場合、オールキャッシュですから、安閑としてしまい、いざ買い出動というときに、「こんどは損したくない」という思いから慎重になりすぎ、どうしても、投資再開の判断が遅れます。
テクニカル上も、日経平均なら25日線回復までは買い判断をなかなか下しにくいというのが普通です。ようやく25日線突破で買い始動する段になっても、すでに突っ込みからかなり戻ったところで買いにいくということになります。25日線突破の前後は、非常に反発のピッチが早いことが普通ですから、うかうかしているとかなりの値幅を「取りそこねる」ことにもなりかねません。
ただ、すべてキャッシュ化するだけに、絶対的な安心感はあります。

(篭城戦の一長一短)
篭城戦の場合ですと、持ち残となる株式は含み損を抱えている分は、ものによってはかなりの含み損になるかもしれません。しかし、反発のチャンスを逃すということもありえないのです。持ち残のままだからです。
(したがって、強い銘柄を残さなければなりません。一番チャート的に弱い銘柄、含み損の大きい銘柄から、優先的に処分しなければならないということです。)
しかも、かなりの日経ダブルインバースETF 1357がありますから(ヘッジ分)、反発局面では直ちにこれを益出しして、機会喪失することなく、タイムリーに買い参戦することができます。
ただ、ヘッジで資産を均衡化させたといっても、持ち残は持ち残ですから、不安は拭い切れません。

(【赤備え】は篭城戦を選択)
【赤備え】が、前回同様、「篭城戦」を選択する大前提は、今年の相場展開が、波乱があっても、結局上昇基調を年末まで続けていくであろうという、大きな想定があるためです(つまり、暴落、長期的なベアトレンド入りではないという想定)。
ここは、総撤退ではなく、篭城戦を決め込むという判断にしたわけです。
もし、この大前提が不安である、あるいは各位の想定で、本格的な暴落やベアトレンドになっていくということであれば、「篭城戦」ではなく、「総撤退」を選択するべきでしょう。
この大前提のどちらに賭けるかで、この二者択一は決まります。
これは、各位に委ねます。
【赤備え】では、先週、ヘッジを解除し、軍門を開いて、「東邦亜鉛(5707)」を斥候部隊にして威力偵察に出たのですが、週末、いきなり出鼻をくじかれ、敗退。
再び、軍門を閉じて、篭城戦に舞い戻ることになります。

▼定点観測のチェック~「質への逃避」が進行中。
一応各種定点観測をしておきましょう。

・米国総合株価指数…S&P500は、年初来高値更新まで紙一重のところまで上昇したところで、今回の反落。しばらく調整入りの危険性。(ダウ輸送株は50日線割れだが、まだS&P500は50日線上。これも割れてくると、調整入りは必至となる)

・日経平均…週末金曜日・10日の段階で、すでに25日・75日移動平均線割れ。このまま続落だと、調整入りの公算が高まってしまう。

・金先物(1031)…5月2日の高値1295ドル、6日の高値1294ドルまでの反発がまだ続く可能性。あるいは、これらの高値を更新すると、一段とマネーのリスク回避の動きが強まってしまう。すでに6日続伸中。

・原油先物(1030)…2月以降、ずっと反発してきた原油先物が、6月8日にはとうとう51.23ドルまで上昇。50ドル台奪回をしたところで、心理的な達成感が出やすい。直近は2日間大きく反落中。

・新興経済国家株価指数…年初の混乱では、資本流出に苦しみ、大きく下げていた新興国家株価指数も、2月以降は反発を強め、直近8日ロシア、タイ、フィリピンが、9日にはベトナムが、年初来高値更新。直後にいずれも反落が出始めた。いったんは天井をつけて、調整入りという危険性が出てきた。

・ポンド対米ドル(1064)…ほかの通貨を見ても、おそらく現在は趨勢がわかりにくいでしょう。本質は、ポンドです。しかも対米ドルです。これが、ついに、75日線を大きく割り込み、下放れた。1.4180で週末終了。4月のポンド安値1.4005、あるいは今年の最安値2月の1.3835の、どちらかまでポンド下落のトライが続くとすると、金融市場ではマネーの「質への逃避」が一段と進んでしまう危険性が出てきた。

これらのすべてが指し示しているものは、言うまでもなく、米国10年国債です。

▼マネーの逃避は、米国10年国債を目指す。
グローバルマネーが、「質への逃避」をしているのであれば、米国10年国債以外にありません(あるいは金先物)。日本(1093)・ドイツ(1092)の10年国債にも資金は逃避しており、いずれも過去最低の利回り水準に急低下してしまいました。日本のそれは0.1550%、ドイツのそれは0.0040%で、週末取引を終えています。
しかし、いずれも1%以下の利回りですから、国債価格はここからいくら買っても、値幅が限定的です。
これに比べて、世界で最高のグレードである米国10年国債利回り(1091)は、低下してきたといってもまだ1.6%台と、ずいぶん利回りがあります。国債価格上昇も、日独のそれにくれば、はるかに大きいはずです。
したがって、先述の定点観測項目いずれも、危険な状況を示してきている中で、すべてのマネーは米国債へと集中的に逃避している格好となったのが、週末金曜日の動きでした。

▼今週から来週の相場のポイント。
23日の英国の国民投票まで、紆余曲折はあるでしょう。
途中、日銀会合では、ひょっとすると量的緩和策を(市場の大方の予想を裏切って)発動してくるかもしれませんし、英国の世論調査がドテン反対に、「残留派」が巻き返すかもしれません。
各国中銀などは、今回の「離脱派優勢」の世論調査結果に対して身構え、緊急的に予防措置を講じる動きを、共同で始める可能性もあります。
好悪いずれの動きになるか、まったく見通しが立たないことを、市場は一番嫌っているわけで、金融市場としては、「質への逃避」を断続的に繰り返していくと想定しておくほうが、無難でしょう。
以上のような分析から、資産管理においても、途中どういう動きになるかわからない以上は、日経ダブルインバースETF 1357で、持ち株資産評価にヘッジをかけて、ポジション全体としては、ニュートラル(中立)に持ち込み、相場が上にしろ下にしろ、どう動こうが、まったく大きな変動をしない状況を確保しましょう。
出血をまず止める、ということです。
あとは、相場がどうなろうと、野となれ山となれ、です。
その場合の判断は次のようになります。

・相場滑落が止まりそうにない(ダウ輸送株が、200日線も割り込む)といった場合は、残存する株式保有をすべて処分。全額を、日経ダブルインバースETF 1357の買いましに充てる。(軍門を開いて、敢えて敵を城内に乱入させ、軍門をいきなり閉じて、城内で殲滅する)

・ダウ輸送株の50日線奪回、日経平均の25日線奪回が発生すれば、日経ダブルインバースETF 1357をすべて処分して、キャッシュをフルインベストメントとして、全額株式に投入する。(篭城戦から、一気に城外に撃って出るカウンターの反攻。)

負けたフリをして、偽計によって敵を包囲殲滅するか、それとも全力で大反攻するか、どちらかの選択ということになります。
まだ現時点では、不明です。

▼目先、現物株の処分について。
さて、目先、まず日経ダブルインバースETF 1357をポジション全体の1割分購入するわけですが、戦略方針通りにしている場合には、キャッシュが1割相当残っているはず。
これを投入すればよいです。
もし、キャッシュがない、という場合には、持ち株を1割分処分しなければなりません。
あるいはまた、今回、一気にヘッジ3割と判断しているわけですから、1割分で日経ダブルインバースETF 1357を買っただけでは足りません。
いずれにしろ持ち株を処分していかなければならないでしょう。
そこで処分していく持ち株の順番が重要です。
益出しは最後にしなければなりません。
まず、優先的に処分する銘柄は、以下の要件です。

・【金斗雲方式】による「買いシグナル点灯」が、消滅したもの。
・保有銘柄のうち、含み損の大きいもの。

どちらか、あるいは両方を満たしているものから、優先的に処分します。
絶対に、利益が大きいもの、シグナル点灯がまだ消滅していないものは、売ってはいけません。
どこで、反発するかわからないわけですから、そのときまだ残存持ち株があった場合に、強い銘柄から、真っ先に高値更新していくからです。
弱い銘柄、下げが大きく、シグナル消滅し、損失も大きいものは、戻れません。
処分の場合は、いかなる場合でも、上記の方針に則って処分しましょう。

日々刻々と、外部環境は目まぐるしく変化する可能性があります。
指数が、急反発と急反落を繰り返すようになってくると、いわゆる底値波乱ですから、ボトムをすでに打ちつつある可能性と見てよいでしょう。
日本市場の空売り比率は47%台まで急拡大しており、過去最高水準です。
従い、一日の変動幅が大きいのはやむを得ないかもしれませんが、意外に早めに底入れしてくれるかもしれません。

以上

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商号等:有限会社増田経済研究所/金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第1069号

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