IFIS~変化日接近、油断は禁物。

2016/04/11


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※本稿は、4月8日、増田経済研究所会員向けのオンラインセミナー、9日の週報として配信したものの抜粋です。

▼トヨタの下落に見る相場の実相。
今週の日本株の下落がいかに間違っているかは、トヨタ自動車7203の動きを見るとわかります。
トヨタ自動車は、年初来26%の下落になっています。
PBRは0.90倍。時価総額が純資産を下回っているということは、ありえません。
こういうことが起こったのは、サブプライムショックのあった期以来ですが、あの当時は確かにトヨタは赤字決算でした。
しかし、今は違います。
それでは先行的に、今後そういうたいへんな減益、赤字化が見込まれているのかというと、そういうことは無いでしょう。
PERも7倍。どう考えても、間違った相場展開でしょう。
しかし、それが相場です。つまり、見切り売りなのか、需給要因なのか、なんらかの事情があってトヨタ自動車の株を売っているわけです。
平たく言えば、換金売りです。
そうなりますと、売り玉がはけてしまえば、相場は底入れです。現在、トヨタ自動車の週足・月足を見ますと、一目均衡表では、きわめてクリティカルな局面にあることがわかります。

(トヨタ自動車) ・・・図表割愛。

トヨタの週足は、一目均衡表で来週には価格抵抗帯の「ねじれ」を経過することになります。
文字通り、「変化日」ということです。
また、月足で見ても、価格抵抗帯の上限に到達したわけで、よほどのことでもなければ、これを割り込んでいくというのは、「困難」であると思います。
なにしろ、PER7倍、PBR0.9倍なのですから。
ということは、やはり普通に考えれば、日本株市場は底を入れたか、入れつつあると判断するのが自然でしょう。
しかし、増田足のソフトで、週足、月足を見ますと、それぞれ主要な足で頭打ちになり、今後イメージとして描ける風景というのは、むしろ大きな下落であるというものに見えてしまいます。
とくに月足で見た場合、サブプライムショック当時の滑落していった途中経過に、きわめてよく似ており、悲観的な見方をする市場関係者の間では、10年に一度の下げになるのではないか、といった意見もあるのです。
この二つのシナリオのどちらになるのでしょうか。
この答えは、来週に残念ながら持ち越しです。

▼あとは外部環境次第。
ということで、結局外部環境で決まるということになりそうです。

(米長期金利が反発、あるいは少なくとも底這いに転じる)
連銀が4月の利上げを先送りするかどうかは別として、なにはともあれ、米国10年国債利回りの下降トレンドが反転するか、少なくとも底這い状態になる必要があります。
さもなければ、日経平均が上がることができないのです。

(財政出動のみが、突破口になる。)
また、ドル円が問題です。
ここもと世界の金融市場が落ち着きを取り戻してきた最大の理由であるドル安(マネーが、新興経済国家へ戻っている)です。
円高は日本が苦しいからといって、日本の事情だけで政策を打てないという、非常に日本にとっては動きにくい状況にあります。
ここで、財務省が為替介入をしたり、日銀が政策を発動などしようものなら、この世界の趨勢に対して波乱を巻き起こすわけですから、総すかんになってしまいます。
この日本の「動けない」事情という足元を見られ、投機筋が極端なドル売り・円買いを仕掛けたことは自明です。
このドル円の背景には、先述の米長期金利の低下が止まらないという事情が影響していますから、米長期金利が底這い、あるいは反発すれば、ドル円も反発していくことになりますから、実はこの二つは同じ問題だと考えることができます。
となると、当局のアクションとしてはや残された一手は、財政出動の政策発動しかありません。
幸い、サミットにむけて政府は着々とこれを進めているでしょう。

(肝心の米国株が、調整をすみやかに終息させる)
残っているのは、肝心の米国株です。
先行的なダウ輸送株指数が、25日足を割ったというショッキングな現実が現地7日の相場で発生しました。
一日割ったくらいならいいでしょう。
すみやかにこれを奪回して、調整の深化を回避する必要があります。
この三つがそろってくると、間違いなく相場は反転でしょう。

▼そもそも売りは一巡しつつある可能性。
売り圧力は、相場の波乱につきものの、ヘッジファンド動向であるていど読むことができます。
一応、市場全体が大きく下げるタイミングというものを、確認しておきましょう。

(ヘッジファンドの、解約請求期末と換金売り=前月・45日ルールの関係) ・・・図表割愛

それは、ヘッジファンドの需給要因です。
結論から言えば、2月、5月、8月、11月が彼らの四半期、中間期、本期末ですから、解約請求があった場合に、それに応じるために換金売りが出るのが、45日前ルールの適用が現実にあるとすれば、1月、4月、7月、10月が一番株安になりやすい需給の時節だということになります。
レバレッジをかけているだけに、指数先物で相場波乱になる場合、このタイミングで発生することが多く、現実に今年は1月から2月にかけて、とんでもない下げになりました。
今また弱くなってきているのは、4月ということです。
ここを乗り越えると、次は7月が鬼門だということになります。
このヘッジファンド需給要因は、当レポートで4月2日の【赤備え・週報】で解説した変化日を基にした7月までのシナリオ想定と、ほぼ一致してきます。

▼とくに今年の年初がきつかった理由。
今になってわかることですが、今年の年初、1-2月に極端な下げになったのは、異常でした。
ふつうであれば、1月で突っ込んで2月は戻るはずですが、東京市場は2つの衝撃波が連続して襲ってき、2月のほうがボトムになっています。
しかし、世界の大方の市場では1月がボトムです。
この違いは、2月に円高が一段進行したためでしょう。日本が特殊事情できつい独歩安になったのです。
一体、なぜ1-2月に通常より激しい下落になってしまったのでしょうか。
一つ考えられるのは、「パナマ文書」問題の炸裂です。
この問題に関しては、今週の【閑話休題】で解説していますから、それを参照してください。
いずれにしろ、これが、ヘッジファンドに対する富裕者層のファンド解約請求を促進した可能性は高いでしょう。
そのため、先述のようなヘッジファンドの換金売りのタイミングにことさら相場が下落しているのではないか、と推察されます。
これがそうであるかどうかは、外人が日本で長期にわたる連続売り越しがずっと続いていた流れが、逆転するかどうかであるていど判断できるでしょう。
先週のデータでは、少なくとも財務省データでは、外人は買い越しに転じているようですから、もしかすると、今月に入ってからは、この売りも終わっているかもしれません。
あるいは、「パナマ文書」の完全公開が5月初と予定されているようですから、まだ今月は、変化日以降も下げが加速するということも、最悪の場合は頭に入れておかなければならないかもしれません。
この場合、12-13日の変化日は、相場の反発のタイミングにならず、逆に下落がそこから急加速していくという一番嫌なパターンになってくるわけです。
もちろん、まだどちらも兆候としてははっきりしていません。週明けは、たいへん緊張を強いられる局面が続きそうです。

▼その他定点観測に見る、底入れ兆候。
先週、【赤備え・日報】で指摘しましたように、空売り比率が6日の段階で42%に上昇。
過去の経緯からは、ほぼこのピークと日経平均のボトムが符号していることから、かなり相場が反転上昇していくシグナルが一つは点灯したということが言えそうです。
続いて、外人が13週ぶりに買い越しに転じたということも判明しました。タイミングが微妙なので(期末直前でしたから)、手放しで「外人スタンスが変わった」と言い切れないのですが、変化といえば、変化です。
少しずつ、こうした変化の兆候が出てきていますが、まだ運用判断で「見切り発車」をするには、あまりにも証拠が少なすぎます。
この定点観測ポイントについては、【赤備え・日報】(6日付)で詳しく列挙しています。大きくそれから変わっているわけではないので、参照ください。
どれも中途半端なのです。

▼戦略方針は、引き続き静観。
慌てるところではありません。
想定通り底入れになっていくか、思わぬ異変が起こるか、変化日12-13日を経過するまでは決め打ちはできないでしょう。
7月までの変化日想定は、以下の通りです。

(7月までの変化日想定) ・・・図表割愛

意に反して、為替は107円台まで入るという円高でしたが、需給的には7月まで基本的にはドル高のはずです。
従い、足元で日銀や財務省が動けないという足元を見た投機筋のドル売り仕掛けはイレギュラーな動きとすれば、おのずとドル高に戻っていくというシナリオであることは、すでにこれまでに述べてきた通りです。
とくに、ドル円の抵抗帯のねじれは7月4日前後ですから、そこまで抵抗帯に沿って、ドル高が基調が続くとみるのが、本来です。
ただ、足元では、先行指標のダウ輸送株が25日線を割れてしまった場合、ドル円がいったん円高に突っ込んでしまうといった場合、こうした思った以上に下ブレするリスクに備えて、4月5日から【赤備え・モデル】のポジションは、46%が日経ダブルインバース1357が全体の46%、キャッシュ25%、パイオニア、象印などわずかに現物株が29%に変更しました。
相場底入れであれば、ダブルインバースを利食って、キャッシュとともに現物株に一気に買い入れる算段。
相場が思いのほか下ブレるという場合には、現行ポジションを基本的には維持し、逆行高銘柄の品定めと打診買いに入っていくという算段。
以上のような方針で、本日まできています。
緊張して相場に向かいましょう。

▼次のステージに向けて、個別銘柄診断。
そこで、個別銘柄のねらい目を今から品定めをしておきましょう。

(黄金・チャンピオン銘柄の品定め) ・・・リスト割愛

(すでに買いシグナル点灯している銘柄)
黄金系では、パイオニア6773や日水1332。あるいは、まだ母集団組み入れをしていないものでは、熊谷組1861がそうです。
チャンピオン系では、星野リゾート4666。しかし、やはりなんといっても、花になりそうなのは、象印7965でしょうか。まだ母集団組み入れをしていないのですが、日本新薬4516が考えられます。
小型株ではフィックスターズ3687など、まだ母集団組み入れをしていませんが、次世代半導体がらみということでは、長期的に有望な銘柄の一つだけに、対象としては良い銘柄だと思っています。
非常に判断が難しいのがサイバーダイン7779です。
これは、7日の段階で、MACDがマイナス圏入りですから、売りシグナル点灯をしています。
ところが、翌8日には5日線を奪回しています。4日の高値を更新すれば、まったく問題ないのですが、5日線を突破したものの、高値は取れませんでした、ということになりますと、7日の売りシグナル点灯は正しく、値幅ならずとも、日柄の調整にまた入り込んでしまう可能性があるということです。
この銘柄のネックは、あまりにも期待が大きすぎ、たいていの投資家が買ってしまっているのではないか、という懸念です。
これが、思った以上に上がってこない最大の理由ではないでしょうか。
本日は思いのほか上がりましたが、ある意味、25日足のピンク転換以降、3度目の3日足のピンク転換です。ここまでが、『金斗雲方式』の、初動の買いのタイミングとしては許容期間です。
今回の反発が本物でないと、後日失望がかなり大きいのではないかと思います。
これは、週明け早々にはっきりしてくるでしょう。

(今後、待ち伏せに値する銘柄)
●黄金系では、三晃金属1972などです。主力株では、やはりソニー6758でしょう。
まだ、母集団に入れていないもので、東洋エンジニア6330、カーバイド4064、アウトソーシング2427など。
とくに、個人的には東洋エンジニアリングに注目しています。トヨタ筆頭に外需性景気敏感=シクリカル銘柄は、壊滅的な下げに見舞われています。ソニーなどは、例外中の例外といっていいでしょう。この東洋エンジニアリングもそうです。プラント銘柄はすべて壊滅しているのですが、この銘柄だけはまだ上昇トレンドには入っていないものの、明らかにフォロースルー(多少うねりがありますが)を形成しています。
この銘柄は、じつは黒転予想なのです。思いもかけない、シクリカル系出戻り相場の先導役=パイロット銘柄になっていく潜在性を秘めていますから、動意づいたときには見逃さないようにしていただきたいものです。

●チャンピオン系では、まだ、母集団に復活をねらって見ているのが、九電工1959、テンプHD 2181、スタジオアリス2305、アスクル2678、カゴメ2811、ケンコーマヨネーズ2915、キューピー2809などです。
黄金系と違って、はからずも、2000番台が軒並み揃っている点に注目しましょう。ディフェンシブということです。

(敬遠が無難な銘柄のパターン)
黄金・チャンピオン銘柄リストに入っていても、ここから新規で買うという場合、どうしても敬遠したほうが無難なものもあります。
『金斗雲方式』のポイントとして、3日足がピンク・ブルー混在で、長期間にわたって上昇トレンドが続いているようなケースです。
本来、ブルーからピンクへの転換直後に、初動から買いにいくというのが『金斗雲方式』です。
が、途中参戦する場合には、ピンクへの転換が、三回目以降は、もはやそこからは乗らないほうがよい、と考えています。
たとえば、いちごHD 2337ですが、これは3回目です。25日足がブルーになるまで調整した後は、また振り出しに戻って投資対象になりますが、現在は、長い上昇局面が断続的に続いておりその3波動目に入っているわけですから、データ検証からはここから乗っても、妙味が少ないという結論になっているためです。
同じようなことは、エフアンドエム4771が、ピンク転換が5回目ですし、チャンピオン系でも富士通ゼネラル6755が4回目です。
ぎりぎり買いの途中参戦可能なのは、富士急9010が3回目、そういう意味ではサイバーダイン7779も3回目です。ジグソー3914も3回目ということになります。
選択肢は、いくらでも出て来るわけですから、好んでこうした銘柄を選択する必要もないのではないか、と思っています。

以上

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