3月はアノマリー破りと想定。

2016/02/29


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以下は、昨日25日、オンラインセミナーで解説した内容を文に起こしたものです。まだG20の結果(土曜日に共同声明か)も、週末の米国市場の様子も不明ですが、レポートは一応生ものなので、本日金曜日26日に、アップいたします。月報と合併版という位置づけです。なお、前半のマクロ判断に関しては、従来の月間のアノマリーには注意しながらも、通常と違う「アノマリー破り」を想定、変化日を経た後、相場は上昇加速というシナリオと判断しています。G20の結果と、週末の米国市場については、29日用の「早出し版、日報」をお読みください。この土日に掲載配信予定です。

★円高は、日本国債価格の動きを見よ。
25日の「今日のまとめ」に書きましたが、足元であまりにも急激な円高の背景には、外人の日本国債買い越しが大きくギアリングをかけていたようです。
従って、日本国債の史上最高値152.48円が2月9日であったことを考えると、これとドル円相場の111円台というのは、ちょうど符合します。

(日本国債とドル円相場) …図表割愛

日本国債が先述のように2月9日高値で、その後の切り返しでも、上値は切り下がりです。
一方、ドル円は11日に111円の安値を叩き、2月24日に111.04円とほぼ同値水準の安値を叩き、これでうまくするとダブルボトムです。
ということは、すでに外人の国債買いの勢いが落ちてきている中で、ドル円がダブルボトムを形成中ということですから、とりあえず今回の円高進行の動きは、峠を超えたと判断することができるでしょう。
つまり、日経平均そのものの足を引っ張って、主要国総合株価指数の中で唯一25日線を下回ったままであった最大の理由が、これで除かれた可能性が高いということになります。
G20、そして来週以降の重要イベントを経過していく過程で、この日本国債価格とドル円の動きがどういう関係になっていくか、日本株が唯一世界市場で出遅れている趨勢に、かなり決定的な影響を持ちそうですから、注視していきましょう。
意外な伏兵は、3月1日のスーパーチューズデーでしょう。共和党候補トランプ、民主党候補クリントンの両氏が、それぞれ党代表権を獲得しそうな強さを見せれば、どちらも円安に対して強硬論を言っていますから(クリントンは、足元で急に言い出した)、市場は警戒して円高にブレてしまうかもしれません。
これが日本株へ現状では大きなネガティブインパクトになりかねないことは、一応認識しておきましょう。

★米国ファンダメンタルズは問題ない。
(キーワードは「過剰」ではなく、「需要不足」に視点を変える)
19日のオンラインセミナー(20日掲載の「赤備え・週報(編集長の独白)」で解説しましたように、年初から世界を覆ってきた暗雲というものは、ともすると「過剰」というキーワードでくくられがちですが、問題の本質を「需要不足」に置き換えなければ、打開ができません。
「過剰」が問題だと重点をここにおいてしまうと、縮小均衡しかないわけで、共倒れです。
あくまで米国一国では、いったん所得・消費・生産能力が膨張した新興経済国家を含めた世界の経済沈下を支えられないことが問題なのであって、これは米国並みの消費を生み出すことのほうが、遥かに建設的な事態打開の方策です。

(米国ファンダメンタルズには問題がない)
そこで、米国そのもののファンダメンタルズが弱いという認識は間違っている点を確認しておきましょう。
簡単なことです。
サブプライムショックによって失われた米労働雇用者は、合計800万人。
ところが、その後の連銀の量的緩和措置によって、1000万人以上の雇用が増大しているわけですから、明らかに、サブプライムショック以前の状態に回帰しています。
また、アトランタ連銀の公表している、すべてのマクロ経済指標を総合化し、GDPに換算した数値でも、過去4ヶ月で大きく落ち込んだ推計値も、現状2.6%まで回復してきているわけです。
また、米国経済を支えているのは言うまでもなく膨大な消費です。これは根本的に住宅市況の好調さによるものです。現在、ケース・シラー住宅価格指数は、サンフランシスコ、シアトルなどすでにサブプラムショック以前のピークに到達、越えるという水準になってきており、その他の主要都市でも回復傾向が顕著です。つまり、米国ファンダメンタルズは揺らいでいないことがよくわかります。
それでもこの換算GDP成長率2.6%に見合う米長期金利になっていない(現在1.7%と低い)状況で、ここに米国以外に関して、何らかのリスク警戒感が拭えないという状況が見てとれます。
リスク回避で国債を買う(利回りが低下する)というのは、米国ファンダメンタルズに対する不安からではありません。世界的な不安に足を取られているのです。
連銀が、利上げをしようにも、米国自体の問題というより、非米国経済の状況がままならないので、金融市場が弱気になり、それが翻って連銀の利上げ強行を阻んでいるということです。

(G20直前まで、市場は強気・弱気に分離)
G20、そして3月に目白押しとなる各国の重要会合という日程を控え、金融市場は、株は堅調に25日線、50日線を突破してきているものの(日本だけが円高で出遅れ)、国債はまだ資金逃避で買われているという、真っ二つの見方に分かれていました。
週明けから、果たしてこの股裂き状態となった金融市場が、どちらの方向を取るのか、注目しましょう。

★二つの固定観念が間違っている。
世界の金融市場(というより、主に投機筋と、動けばよいだけのトレーダー、そしてネガティブなことを言えば知的・進歩的・客観的であるかのように振舞う専門家たちだけ)は、二つの固定観念という病魔に冒されています。

(円高=日本株安という固定観念)
一つは、円高=日本株安という固定観念です。
こういう欺瞞に騙されてはいけません。
なぜなら、円高でも株高で、円安でも株安のときは、過去いくらでもあったのです。
要するに成長することが根本的な相場のエンジンであり、これを加速させるのが円安、足を引っ張っるのが円高ということは確かにあるでしょう。
しかし、円高によって、とんでもない好景気になることもあるのです。
80年代の日本のバブルはその最たるものです。
米国がこれまで多いに景気回復し、利上げまでできるようになり、株価も史上高値を取ってきた一つの大きな要因は、ドル高だったということです。
従い、日本もそうならなければなりません。
26日の日経新聞記事「スクランブル」によると、そうした固定観念にとらわれている指数連動型のパッシブ系ファンドは、日本株から撤退気味。ところが、記事は一方で、個別銘柄の優れたものをピックアップして投資するアクティブ系の外人投資家はむしろここへきて積極的に日本株を見ているとしています。
そうならなければいけないでしょう。
現在問題なのは、前回の消費増税で落ち込んだ成長率が、まったく復活できず、日銀が目標としていた2%の物価上昇率が達成できるどころか、まったく圏外になってしまっている状態です。
つまり、成長が落ちてしまい、アベノミクススタート時点に、戻ってしまっているという現実です。
円高が問題なのではなく(円高なら、個人消費は購買力が大きくなるので、安い輸入物品を中心にむしろ内需は盛り上がります)、成長率そのものが失速していることです。
現在、日本は来年度予算の審議ということですから、財政はすぐに動くことがありません。
日銀頼みということにならざるをえないのでしょうが、政府ができることとして、消費増税先送りをはっきりさせることは、過去の失敗を挽回する第一歩になるはずです。
日銀は、3月には確実に政策発動をしてくるでしょうが、政府・日銀そろい踏みで対策を打たないと、市場の信任は得られないでしょう。

(原油安=世界不況という固定観念)
もう一つの誤った固定観念は、原油が暴落したことは、世界不況の大いなる前兆であるという固定観念です。
これも、今までずいぶん詳しく述べてきているので、ここでは改めて解説の必要も無いでしょう。
ようするに、原油が下がったことの、とんでもない減税効果に相当するポジティブインパクトについては、まったく市場でも、また株価的にも、反映されていないということが、間違っているわけです。

以上二つの大きな「勘違い」は、市場・相場ですから、致し方ないことなのですが、あまりにも間違った方向にぶれてしまった振り子は、当然、揺り戻しになることは必定です。
要するにきっかけを待っているということなのだと思いますが、今回のG20(実際になにが出るか、具体性はなんであれ)が、そのきっかけになる可能性はあるでしょう。
折りしも3月2-3日が変化日です。
後日振り返ってみれば、あそこが底入れ以降の相場の加速に向かう転換点だった、ということになってほしいものです。

★マクロ判断の結論。
G20で、人民元がどうなっていくかがポイントです。
そして、4日の米雇用統計から11日のメジャーSQまでが、いわゆる月間のアノマリーです。一ヶ月のうち、一番相場が押し易いタイミングです。
ちょうどその間、3月2-3日に今回の変化日があります。
総合的に判断して、個人的な見解としては、G20以降は、政策ごとに相場は上昇の口実にしていくだろうと想定しています。
つまり、変化日を境に、相場上昇は「加速」傾向を辿るということです。
このことは、恒例の「月間のアノマリーで、相場が押す」というパターンとは、逆の相場展開になるということを意味します。
この「アノマリー破り」という大胆な想定をしていますので、想定そのものはリスクの高いものです。
この「アノマリー破り」の線で相場を見ていきますが、一応、あくまでアノマリーはアノマリーとして、無視するわけにもいきません。よくよく注意して、相場が押すケースを念頭に入れながら、来週から解説をしていこうと思います。

★個別銘柄は引き続き、三つのアプローチ。
こういう状況下、個別銘柄の選択は、引き続き三つのアプローチのままでよいでしょう。

・シクリカル(内外需性景気敏感、注目は非鉄・半導体・機械・化学など。内需では建設。)
・金利敏感(マイナス金利導入メリット。不動産、REIT、ノンバンクなど。)
・安全パイ(情報通信が主力。独自性の強いディフェンシブも含まれる。)

このアプローチに沿って、黄金銘柄リスト・チャンピオン銘柄リストの構成銘柄の中から、注目銘柄を例に挙げながら解説します。

★米半導体業界のベンチマーク、強勢。
ここで注目するシクリカル系、とくに、外需性ということで、ディープシクリカル銘柄ですが、非鉄、半導体、機械などの一角に動意が見られます。

(非鉄)
非鉄では、東邦亜鉛5707を筆頭に、大平洋金属5541が動意づいてきています。
今週動き始めたところでは、東邦チタニウム5727、日本カーボン5302があります。
面倒な場合には、WTI原油ブルETF 1671や野村原油ブルETF 1699などでも良いでしょう。
現在、黄金・チャンピオン銘柄リストにははいっていませんが、住友鉱山5713が、この非鉄商品市況(とくに銅)の悪化状況の中で、猛然と銅山購入に踏み切り、リチウムイオン電池の正極材増産に向けて、積極投資に踏み出しています。
こうした鉱山業者、そして後述する半導体業者というのは、経営者に求められる最大の脂質とは、「タイミングをはずさない」という力です。
わたしは、彼らの「嗅覚」を信じます。
日経平均がまだ25日線を上回れない状態の中で、住友鉱山が突破したという事実は大きいでしょう。

(半導体関連)
半導体関連では、米国の製造装置最大手アプライドマテリアルズAMATが、すでに今年の高値を更新。
台湾のメモリー最大手、台湾セミコンダクターTSMは昨年7月の水準まで戻っています。
この強さは、米国製造業の銘柄群の中では突出した勢いです。
黄金銘柄でも、大型のベンチマークにニコン7731が25日線を突破しています。非鉄の住友鉱山に相当するものと考えてよいでしょう。
勢いづいてきているものでは、セントラル硝子4044でしょう。
これに続いて、アドバンテスト6857のような重鎮銘柄、あるいは小型ではマイクロニクス6871(今週組み入れ)などが登場してきています。
半導体を電子機器という観点で見れば、オプテックス6914などは、センサーですから、これが動意づいてきているというのも納得できるものです。

(内需性景気敏感)
内需では、黄金・チャンピオンでは、非常に銘柄数がまだ少ないのです。
東急建設1720は25日線上で持ち合っていますから、どこで跳ねるか待ち伏せです。
勢いよく動いてきているのは、やはり物流に絡んでいるレンゴー3941です。
段ボールが主力です。

★金利敏感系。
金利敏感系は、言うまでもなくマイナス金利導入によるメリットを享受するであろうセグメントです。
ベンチマークはREITということになります。
これと連動するものとして不動産セクター、そしてやや異色ですが、ノンバンク銘柄ということで解説しています。

(REIT、不動産)
REITは指標銘柄である日本ビルファンド8951が、ついに高値更新です。
このほか、ケネディクス4321、あるいはいちごHD 2337などが黄金銘柄です。
チャンピオン銘柄では今週星野リゾート3287を組み入れました。
ここから25日線突破にさしかかろうとしているものでは、パーク24 4666などがあります。

★安全パイ。
安全パイにもいろいろあるでしょうが、当レポートでは、情報通信セクターを従来からとくに解説してきました。このほかでは、電鉄株もそうです。ディフェンシブ系は範囲が広いので、安全パイは結構あります。

(情報通信)
ビットコインが半ば、通貨として認められる社会情勢になってきたことから、フィンテック関連のベンチマーク、GMOペイメント3769が高値を取ってきました。
情報通信ということでは、このほかフューチャー4722、今週再び組み入れたラクーン3031、ジグソー3914などがあります。
フューチャーは、週足でみるとわかりやすいのですが、3度目の大きなボックス圏上限突破中です。これを完全突破していくようですと、かなり波動が大きくなりそうです。
GMOペイメントが消費者向け電子商取引の決済で有名です。ラクーンは、衣料はじめ、企業間の電子商取引「スーパーデリバリー」という決済システムで有名です。
ここから動意づくかどうか、というものではシステナ2317、日本ユニシス8056などがあります。

(電鉄)
安全パイということでは、個人的にはこの電鉄株が一番安心感が強いでしょう。
京成9009、小田急9007はチャンピオン銘柄に従来からはいっていますが、今のところ小田急が、昨年の箱根噴火の悪影響から脱却しつつあることから、勢いづいてきています。
京成は今、ネックラインで揉み合い中。これを抜けると大きいでしょう。
チャンピオン銘柄に入れてこそいませんが、羽田ということではなんといっても京急9006でしょう。今週、京成が足踏みしているネックラインを突破しました。
これなど、チャンピオン銘柄にいれてまったくおかしくない銘柄だと思います。

(その他ディフェンシブ系、独自性)
一概に一つのカテゴリーに入れるのが難しい、独自性のもの、あるいは一般的なディフェンシブ=非景気敏感系にも動意づいているものがあります。
人材派遣、あるいは警備関連ということではジェイコム2462(医療介護系人材派遣)、ALSOK 2331、あいHD 3076などがあります。
ヨネックス7906などもその典型でしょう。
もちろんバイオ(そーせい4565、ペプチドリーム4587など)も非常に興味深い強さを維持しています。
純然たるディフェンシブではヨネックス7906、カゴメ2811、ホシザキ6465などが、良い動きになってきました。
とくに、ホシザキは業務用厨房業者として有名ですが、非常に地味な業態です。しかし、先述のフューチャーと同じく、週足を見ますと、大変な水準にさしかかっていることがわかります。
過去4回にわたって、巨大なボックスレンジの上限にさしかかっているわけで、今回五度目の正直で突破するとしたら、これはかなり大きな波動になりそうです。
今のところ、黄金・チャンピオン銘柄リストには加えていませんが、この独自性の強いディフェンシブ銘柄で、直近動意づいているのは、トリドール3397(丸亀製麺)、スノーピーク7816、林兼産業2286、ツクイ2397などを挙げておくことができます。

以上、いつもの三つのアプローチごとに、直近強い銘柄群を列挙しました。
相場が上がり始めると、目移りしてどうにもならなくなりますから、黄金・チャンピオンリストでは、上昇率ランキングの常連銘柄で(一過性ではなく、上がるときにはいつもランキング上位に入ってくる特性が強い銘柄で)、あるていど「半固定」的に銘柄群をプールし、その中で、強いものに投資していくというのが当レポートの主眼です。
何度も同じ銘柄をしつこく追いかけてよいのです。
活用ください。

以上

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増田経済研究所が、今週の東京株式市場の動向を展望します。米国を中心とした国際情勢を踏まえ、誰が今、何を考え、我々個人投資家はいかに対応すべきなのか、分かりやすく解説します。
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商号等:有限会社増田経済研究所/金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第1069号

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