11月中盤まで気を抜かない。まだ指数より個別が有利。

2015/10/26

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【ストラテジー】
★日経平均は、海外市場が大幅続伸ですから、週明けから値を飛ばすのでしょう。テクニカルを確認しましょう。23日大引けは18825円。8月28日の戻り高値19192円を抜くでしょう。これで、いわゆるネックラインをブレイクすることになります。すでにMACDヒストグラムは右肩上がり(しかも、プラス圏)で推移しています。トレンドでは、3日足が25日足を上回って推移していますから、三つの要件がそろったわけで、わたしが「金斗雲」と名付けている投資理論上は、買いのシグナル「大三元」が点灯することになります。この場合、うまくすれば同じような値幅(上値・下値)で右肩上がりのチャネル(無限上昇回廊)の発生を期待できることになります。

★機関投資家が気にする3月月中平均19197円は、上記のネックラインとほぼ近似値です。また長期的なトレンドラインである200日移動平均線も19166円ですから、順番としては、まず200日線突破→ネックライン突破→3月月中平均突破ということになります。

★もちろん「無限上昇回廊(チャネル)」というのは、言葉の「アヤ」ですから、永遠に上がるわけではありません。当然次のネックラインは最後の高値であった8月11日の20946円がターゲットになります。

★ヘッジファンドなどの投機筋や、一般のミューチュアルファンド(投資信託)にしてみれば、11月一杯まで損益通算の期間ですから、まだ売りはでてくるでしょう。一番出易いのは、この200日線からネックライン突破あたりで、戻り一巡といったような伸び悩みが出れば、すかさず売り叩くという戦術をつかうはずです。ちょうど、それはこの週明け一週間に、中国の五中全会、米FOMC、日銀会合と重要イベントが続きますので、ここで相場が駆け上がって伸び悩んだと見たところを、狙っているはずです。

★ただ、それがあったとしても、一時的な押し場づくりにしかならないでしょう。なぜなら、空売りで衝き崩すには、あまりにもその原資となる裁定買い残が少なすぎるのです。2兆そこそこで、今の東京市場を滑落させるようなショートポジションを組むことは不可能です。

★戦略的には、現状では「やや警戒モード、キャッシュ比率1割(各位適宜)」としていますが、このままで良いでしょう。一時的にフルインベストメントにしても構いませんが、週末までにはまた多少のキャッシュポジションは確保していたほうが良いと思います。上記のように、ここからいったん駆け上がった相場に、投機筋がどう迎え撃とうとするか、一応注意したほうが良いからです。

★基本的に、海外市場の週末の動きを見る限り、とても業績相場入りという状況ではありません。まず、なにより米国連銀の利上げは先送りだというコンセンサスで、S&P500、ダウ工業株はなんと200日移動平均線を突破、史上高値に接近ということですから、明らかにその内容は、サブプライムショック以降続いてきた、金融相場の末期症状そのものです。つまり、過剰流動性を背景とした、ミニバブル的な上昇ということです。

★その証拠に、米国2年国債利回り(1090)や10年利回り(1091)は、週末こそ上昇(国債価格下落)したものの、昨年12月以来の高原状態・膠着状態がまったく変わらず横這い推移のままです。原油・非鉄商品市況などは、ここでぐんと上がれば景気回復の織り込みとも思えるのですが、それもありません。日米企業業績は、けして手放しで喜べるような成長力の力強さはありません。ただ、事前予想が悪すぎたことでアク抜け的に戻りを試しているにすぎません。

★中国の五中全会で政策論議がでてくるだろうということで、にわかに成長期待をはやしていますが、つい先日まで中国の景気後退で株が下がっていると言っていたのは、誰でしょうか。およそご都合的な動きになっていることは、このレポートをお読みいただいていればおわかりのはず。当レポートでは、かねてから、中国の景気悪化は問題ではないし、五中全会でそのセンチメントは変わるとしてきました。しかし、だからといって直接・具体的に日米株式市場にそれが、実質的なインパクトを今持つのかといえば、それがでてくるのはずっと先の話です。従い、この中国の好材料期待は、それが出たところで、ほぼ織り込み済みになるはずです。FOMCの今月の利上げ無しも、その場で織り込み済みでしょう。また、日銀会合ではおそらくなにも出ないでしょうから、それを失望ととるか、あるいは株が上がり始めたのでそもそも日銀が動く必要はないのだ、と解釈するか、どちらかわかりませんが、いずれにしろそもそも材料視されないかもしれません。

★この相場の上昇が、根本的に業績相場になりきれていない、金融相場の末期症状の延長にすぎないということは、ダウ輸送株指数(1083)が、米国主要指数の中で、出遅れているという事実ひとつをみても、わかります。ジャンクボンドETFも底値はつけたと思いますが、まだ底入れ完了をしていません。Wボトムの戻り高値のネックラインを突破できていないのです。先述の商品市況の低迷、米国長期金利の膠着などと合わせて考えれば、およそ業績相場的色彩はない、ということになります。

★結論として、二つが考えられます、この反発相場は、一時的な勢いだけで持続性がない。あるいは、もし持続性があり、思いのほか強いと言う場合は、間違いなくバブル的な過剰流動性相場だということです。金利が低いのでバブルとはいえませんが、バブル的であることは間違いないでしょう。行き場のない資金が、空騒ぎする相場です。従い、うまく条件が重なりますと(余計な足かせがないと)想像以上に上がってしまうということになります。たとえば、需給はまだ悪いのですが、最悪期は経過しているわけですから、年末に向けてさらに需給が改善していくのにつれて、ここから2ヶ月強、相場が上げ続けるということも無いとはいえません。この過剰流動性相場に舞い戻るということであれば(世の中の方向が、逆行してしまうということです)、週末盛んに言われた、米連銀の利上げは、来年3月まで無い、という市場の観測などによく現われているといっていいいでしょう。

★この場合、リスク指標はなにになるかというと、グローバルマネーの動きに注意していればよいということになります。つまり、最も低金利・低コストで資金調達の対象となっているユーロドル(1061)の動きです。今般、にわかに株式相場が海外において反発力を強めてきたタイミングというのは、明らかにユーロの急落です。もちろんECB理事会におけるドラギ総裁の「12月に追加緩和策の可能性有り」という発言です。このていどのニュースでこれだけの株高になるということ自体が、非常に中身は脆弱なただの金融相場の再現でしかないことがわかります。いずれにしろ、ユーロがここで急落し、8月以来1.12-1.16tというレンジから、下放れたことがポイントです。要するに、安い金利で借りられるユーロを調達し、これがドルに向かっているのです。ドルから、世界中の各種投資対象に散っているわけです。ユーロキャリーが発動されていると考えられるわけで、株式相場にもそれが流れこんできているということになります。いわゆる「リスクオン」と呼ばれる状態です。これが逆回転するとしたら、当然ユーロが買い戻されるときに決まっていますから、ここをとにかく注意していれば、この過剰流動性相場をのりこなせるでしょう。

★この週末からにわかに株式市場に買い気が集まってきたのは、10-11月特有の需給がそうさせているだけでしょうから、警戒を解くところではない、と考えます。例によって、週明け朝一番から相場は急伸するでしょうが、冷静にいきましょう。「金斗雲」の定石通り、寄付き飛び乗りは基本的にはしないこと。買うとしても10-10時半ごろで打診買い。後場、14-14時半ごろ、そこからまだ相場が強い(あるいは切り返す)というのであれば、そこで本玉投入という算段です。すでにポートフォリオは1割キャッシュといっても、実際にはフルインベストメントに近いでしょうから、朝からどたばた銘柄入れ替えに狂奔するのは、問題だと思います。

★今月、一番怖いイベントリスクは、先述通り、月末の日銀会合でしょう。
市場は、米国は利上げせず、日銀は追加金融緩和策を打つと考えている人が大勢です。
ある意味、サプライズ好みの黒田日銀総裁にしてみれば、これは面白くありません。
かといって、やらないということになると、相場の失望を買うでしょう。
やったところで、市場は一時反応としては高いかもしれませんが、あまり影響がないかもしれません。当たり前、ということです。
ここで何がどうなっても、株式相場が克服、消化できるためには、米国市場があくまで強いことと、ヘッジファンドなど、損益通算の最終期限まで一ヶ月ということですから、彼らがショートの手仕舞いを急ぐ動きになってくれることです。
幸い、日本市場における、彼らが主体となっている裁定買い残は、先述通り記録的な低水準のままですから、これでは確かに空売りで売り崩すだけのパワーが出てきません。
裁定買い残をここから積み上げていかなければ、それに見合う空売りを仕掛けることができないというポジションになっています。
従い、まずは彼らは残存しているショート分をまず手仕舞わなければ、なにも始まらないということです。
この需給的な環境が、仮に月末の日銀会合で、失望という番狂わせで下ブレが出たとしても、短期で終わり、たいしたブレにもならない、と楽観てきる根拠になっています。

★黄金銘柄リスト・チャンピオン銘柄リストという母集団をベースに、「本戦モデル・赤備え」という、仮想運用ポートフォリオを日々公開していますが、元本1000万円として年初からのパフォーマンスは、ようやくこの週末で10%ちょうどまで回復しました。
日経平均が8%の上昇ですから、多少はそれよりマシですが、それなら日経レバレッジETFを年初から買ってずっとホールドしていたほうがもっと良いわけで、これは13%の上昇です。
「赤備え」は日経レバレッジに、やや遅れをとっていることになります。
ちなみに、8月急落の前の段階では、「赤備え」は一時40%にほぼ接近するパフォーマンスでしたが、この段階では、日経レバレッジETFは42%の上昇でした。
やはり、なかなか日経レバレッジのパフォーマンスには追いつきません。
銘柄を選んだり、入れ替えたりする煩雑さや、銘柄をはずすリスクを考えれば、「赤備え
」でも、日経レバレッジを凌駕するパフォーマンスをだすのが、大変難しいということになります。
ただ、いつもそうとは限りません。
2014年の場合、「赤備え」は80%のパフォーマンスとかなり驚異的でしたが、日経レバレッジは13%の上昇率、日経平均が7%の上昇率でしたから、圧倒的に「赤備え」がパフォーマンスでは良かったわけです。
年間の相場つきが、指数ベースで上昇してしまうようなパターンか、そうではなく実弾で個別銘柄へ純投資が行われて指数を押し上げるパターンかで、ずいぶんパフォーマンスの違いがでそうです。
今年は、どちらかといえば、前者であったようです。
それは、2014年の場合、「赤備え」(当時はまだ非公開にしていましたが、黄金・チャンピオン銘柄リストをずっとご覧になっていただいていれば、おわかりでしょう)は、軒並み1銘柄のパフォーマンスが、200%、300%というものばかりでした。
これが今年は、まだ1銘柄しか100%を越えるパフォーマンスのものがないのです。
いたずらに、ロスカットが多く、全体のパフォーマンスを引き下げてしまったわけです。
こういう相場のサイクルというものは、循環的ですから、来年に向けては先述の二つの年間の相場つきのパターンでは、後者のほう、つまり実弾による個別銘柄の買いで、指数を結果的に押し上げるというパターンになるのではないかと思っています。
つまり、指数より個別が有利ということです。

★もともと述べていますように、米国で利上げが確定しない限り、指数ベースではそうそう上がるわけがない、としてきました。
この想定は一貫して変わりません。
もし、それでも高値更新していくというのであれば、(米国は確かにその可能性が現在でてきています)それは、ファンダメンタルズは堅調にもかかわらず、なんのかんのと理由をつけて、連銀が利上げを来年以降に本当に先送りしてしまう場合です。
この場合は、ミニバブル的な相場環境になるでしょうから、確かに高値更新はありうるのです。
いわゆる過剰流動性相場がまた発生するということです。実際週明けのFOMCで、連銀が利上げする可能性はゼロだと市場は言っていますし、直近の米国株の上昇加速は、明らかに12月もない、という想定が多数派になりつつあるためです。
この場合、東京市場も追随して動くとすれば、個別銘柄より指数が有利な展開がまだ続くということになります。
この局面で「本戦モデル・赤備え」が、日経レバレッジにパフォーマンスで対抗していくのは、相当の困難さを伴う、ということにないそうです。
しかしわたしは個人的には、おそらくこのミニバブル的な状況が出たとしても、そう持続性のあるものにはならないだろう、と考えています。
来年は大統領選挙ですから、12月の利上げを見送ったとしても、年明け早々には、利上げを断行しない限り、大統領選挙が始まってしまったら、もはや連銀にはチャンスがなくなってしまうからです。
従い、12月を逸したとして来年利上げだとしても、その時間差はほとんど誤差の範囲でしかない遅れでしょう。
また、12月の線が消えてしまったわけではなく、連銀は未だに年内利上げと言っているわけです。
来週のFOMCではそれがはっきりするでしょう。
ということは、ミニバブルが発生したとして、目先1-2ヶ月だけであるということです。
この場合、指数の上昇幅は当然時間が限られているだけに、限定的でしょう。
むしろ、損益通算を終えていく段階に入っていますから、来年を見据えて、利上げ過程において十分たえらえる成長率の高い銘柄を、丹念に仕込んでいくスタンスを、ミューチュアルファンドなど実弾運用者は行っていくと想定しています。
とくに日本は中間期末の決算です。
意外に、指数よりも個別銘柄のパフォーマンスが伸びるところではないか、と考えているのです。
いずれにしろ、どういう環境であっても、「赤備え」が日経レバレッジETFの持ちっぱなしより、パフォーマンスで遥かに凌駕しないのであれば、個別銘柄に投資をする意味がありません。
このため、今後ますます成果を挙げるための算段・工夫をしていこうと思います。
やや「姑息(こそく)な」やり方としては、一時調整に当たっては、日経インバースETFで、ヘッジをかけるということも考えられます。
状況に応じて行おうとは思いますが、これはかなり難易度の高い手法ですから、実行にあたっては、よほどの注意が必要です。

以上


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商号等:有限会社増田経済研究所/金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第1069号