底入れは今週中にある。しかし、その確認には3ヶ月はかかる。

2015/08/24

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※以下、8月22日・土曜日に会員向けに配信した、本日24日付・「黄金日報・朝刊」早出し版です。

●ユーロドルは、1.138に上昇。ユーロ買い戻し進む。
●ドル円は122.01円。一時122円割れもあり。

▼株が弱いのではなく、換金売りで下げ止まらない。
現在の金融市場の混乱については、世上、中国経済の減速懸念という報道が多いのですが、これが本質ではないことは、黄金週報で詳しく解説しています。
この混乱の本質は、直接的な引き金は人民元切り下げと、新興経済国家通貨が連鎖暴落するのではないか、という危機感の台頭です。
換金売りが一番しやすい先進国株式市場を襲っています。
週末、米国市場は、ダウ工業株・S&P500が同じく5.8%前後の下落。
S&P500は、週間でもサプブライム暴落以降、最大の下げとなっています。
逆に、VIX(ボラティリティ指数)、一時昨年10月以来の高水準まで上昇し、週間ベースで過去最大の上昇率になりました。
問題の本質が、先進国の経済ファンダメンタルズでもなく、株価が高すぎることでもなく、あくまで新興経済国家の通貨の連鎖暴落懸念ですから、ファンドは損益通算の10-11月を控えて、にわかに本格的な調整を始めたということでしょう。

▼「中間反落」に、新興通貨の連鎖暴落懸念が拍車をかけた。
これが、金融相場→業績相場への移行期に発生するポジション調整「中間反落」と重なっているため、下落に対して大きな増幅効果を呼んでいるということだと解釈できます。
この新興経済国家通貨の暴落に歯止めをかけるには、ドル安を導きだすという一手しかないわけです。
それに一番いいのは、本来は米国の緊急利下げですが(97-98年のロシア・アジア通貨危機では、連銀が緊急利下げ、ゼロ金利に踏み切って、暴落を止めました)、しかし、現在は長年低い政策金利(ゼロ金利)のままですが、、そもそもまったく効果を持っていません。事実上ゼロ金利が、ずっと続いているのに、ドル高が維持されてきたわけです。
金融政策の余地としても、また現実の相場の経緯からみても、従来的な方法(つまり緊急)利下げ)によってドル安を導くという選択肢は、まったくありません。
バーナンキ議長によって始められた「非伝統的な金融政策」からの出口は、同じように「非伝統的な金融政策」の発動でしか、糸口はないように思います。

▼窮余の一策は、連銀のすみやかな利上げによる強行突破しかない。
わたしが想定しないようなほかの手段はあるかもしれませんが、個人的には連銀が利上げの先送りではなく、一刻も早い利上げによる強行突破もありうると思っています。
ただ、イエレン議長はじめ、FOMCメンバーはずいぶんとハト派的になっていますから、その点懸念しています。
このままですと、今月はFOMCがありませんし、9月16-17日まで待たなければなりません。
それまで米国連銀は、ただ指をくわえて見ているだけなのでしょうか。

▼教科書と違い、歴史的事実は、米国の利上げでドル安になった。
本来であれば、連銀が利上げを「しない」ということが、ドル高に歯止めをかけ、新興通貨も売られずに済むと、考えがちです。しかし長年ゼロ金利状態で、それが出なかったのです。これが、非伝統的金融政策による効果でした。
つまり、逆のことをすると逆の現象が起こるわけです。
利上げによって、ドル安になるという、教科書からはとても考えられないような事実です。
すでに、6月の絶好の利上げタイミングを逸し(当レポートでは、6月利上げとそもそも踏んでいましたが、裏切られました。)、今また金融市場において混乱が生じているため、9月の利上げを予想する市場関係者はほとんど皆無という状態になっています。
にもかかわらず、この資金逃避が止まらない(株の下落に比べて、円高は非常に小さいことでわかります。利上げ先送り観測でも、やはりドルが強いのです。)ということは、逆に米国連銀がすみやかに利上げを強行することで、ドル高に終止符を打って、マネーの逆流に歯止めをかけなければならないと、黄金週報でも述べました。
切り札は、連銀の機動的な利上げしかないでしょう。

▼放置すれば、9月16-17日まで、なにも打開策が出てこないということになる。
FOMCの議事録では、「海外情勢を勘案する」ということで、またもや利上げ先送りのスタンスが明らかになっていたことで、連銀は一体いつになったら、利上げをするのか、まったく見当がつかなくなってきています。
市場は、この方向性が見えないことを一番嫌がります。
ここは、荒療治ですが、米国連銀の抜き打ち的な利上げ発動が必要でしょう。
過去の例では、十中八九、米国の利上げで、相場はドル安に転換しています。
黄金週報でも、これまで何度も指摘してきた点です。
今のところは、まだ中国を始め、新興経済国家から資金がにげているという動きですが、これが、これらの通貨を意図的に、積極的に売り葛そうというヘッジファンドなどの活発な動きになってきますと、いわゆる暴落になる恐れがあります。
つとに、連銀がこの狂騒にピリオド打つ、決定的な判断、利上げによるドル高トレンドの出尽くし、打ち止めを発動しなければならないでしょう。
それともほかに手があるか。週明けは、米国連銀の去就に注目です。これだけ株価が下がってきた責任追及は、連銀に集中するはずです。

▼米国主要株価指数の位置。
この週末の二日間で、米国主要株価指数は、一気に、そして完全に腰折れてしまいました。
まず、ダウ輸送株指数(1083)は、なんと、7月8日の安値を割り込んでしまいました。
もはや、底抜けです。
総合株価指数であるS&P500、そして一番遅く調整してきたダウ工業株も、事実上暴落といっていい下げ方になってきました。
ただ、2年国債利回り(1090)、10年国債利回り(1091)とも、低下はしているのですが(国債価格上昇)、株式のような急ピッチなものではなく、じわりと下げているだけです。
このことから、明らかに必要に迫られた換金売りが株式市場を襲っているということになります。

▼S&P500で見る、下げの目処。
S&P500が米国株の総合株価指数です。
今回は、5月の高値から、ちょうど週末21日で15%の下落となりました。
サブプライムショックの暴落はほぼ半値でしたから、及びも尽きません。
比較するべきなのは、米国ファンダメンタルズの問題ではないケースです。
2011年の欧州債務危機ショックの暴落時のときが、一番これに近いものがあると官上げられるでしょう。
このときは、S&P500は19%の下げでした。
ちなみに、98年のロシア・アジア通貨危機のとき(これが、下げの要因としては一番近い)は、18%の下げでした。
つまり、ここから下げたとして、3-4%、要するに5%以内の下げがありうるということです。
起こるとすれば、パニック状態になっている現在、すなわち週明けでしょう。
その下げに対処するために、ヘッジをしたり、株を投げるというのは、おそらく得策ではないでしょう。
ピンポイントで、V字型に反発しますから、安値でドテン反対売買によって、買い始動するというのは、理屈上は簡単ですが、ほぼ不可能に近いでしょう。
またこのような下げになってきますと、ますます、10-11月のファンドの損益通算の期限までには、逆に売り手は、ショートをすべて手仕舞い、ショートカバーでブックを閉じるわけですから、ある時点からはずっと相場は上昇してしまうことになります。
この転換点をピンポイントで波乗りするのは容易ではありません。
従い、時間的にも、また値幅的にも、ここは戦略方針は変わらず、「警戒モード、キャッシュ比率2割」を維持して、事態の変化をウォッチすることにしましょう。

▼今週のポイント。
週明けは、売り先行で始まるのは致し方ないでしょうが、その後が問題です。
後述する「増田足とその他のテクニカル分析」を参照してください。
さて、材料としては、週後半27-29日にジャクソンホールで国際金融シンポジウムが開かれます。
イエレン議長は不参加ということになっていますが、黒田日銀総裁は3年連続で出席します。
過去、この黒田総裁が出席して、デフレ脱却をアピールすることなどで、ジャクソンホール以後、日経平均は1ヵ月におよぶ上昇局面であったことから、ちょうど足元で暴落並みの下げとなっているだけに、反転の機会にはなりやすいでしょう。
おそらく黒田日銀総裁は、強気のメッセージを送るはずです。
また、静観と沈黙を守る連銀も、そろそろはっきり態度表明をしなければならない状況に追い詰められています。
中国が、デフレ経済のアリ地獄に陥っている中で、窮余の一策で人民元切り下げをどこかの時点でやってくることは、誰でもわかりきっていた話です。
前触れなくやりましたから、びっくりしただけで、十分にその可能性はあった、というよりほかにもはや打つ手がなくなっていることは、明らかでした。
だとすれば、米国連銀が中国の先手を打って、利上げをしていたかどうかで、まったく風景が違います。
6月に当レポートでは利上げと踏んでいたものが、まったく期待はずれに終わってしまい、6月にできないものが、9月にできるわけもなかろう、としていました。
6月に利上げをしていれば、中国の人民元切り下げは、説明のつく話です。
しかし、先に人民元が切り下げられ、カザフスタンも切り下げ、ドミノ現象のように新興経済国家通貨が連鎖切り下げ、暴落していくというようですと、連銀が後手に回って利上げしたところで、それに拍車をかけるだけの効果になってしまいます。
しかし、やらないよりはマシだということです。
少なくとも、歴史的事実としては、連銀が利上げさえすれば、ドル高が止まったということから、今週はこの連銀がなにをするか、しないのか、非常に注目されます。
もしかすると、ジャクソンホールでは、なにかが起こるかもしれません。

▼米国市場の基本データ。
ダウ工業株指数 16459.75(-530.94、-3.12%)
S&P500指数 1970.89 (-64.84、-3.19%)
ナスダック・コンポジット指数 4706.04(-171.45、-3.52%)
ダウ輸送株指数 7872.06(-220.62、-2.73%)
ダウ公共株指数 597.65(-6.39、-1.06%)
米国10年国債利回り 2.0461%(前日2.0687%)
日経平均CME ドル建て 18975(-455)
日経平均CME 円建て 18970(-460)

▼増田足とその他のテクニカル分析
(トレンドには、まったく改善の兆候は無い)
トレンド分析は、こういう極端な事態の急変が不得意です。
オシレーターが、持ち合いなど変化が乏しいときに不得意なように、テクニカル分析にはそれぞれ、得手不得手があります。
ただ、日経平均の未来の窓を見ますと、ロウソク足の200日移動平均線あたり(19000円)で、3日足が下げ止まりそうな想定にはなってきています。
この水準は後述しますように、非常に重要な水準を意味しています。

(ファンダメンタルズから見た下げ目処、外人が見る下げ目処)
すでに、これまで黄金週報などでも解説してきましたように、日経平均のEPSから換算して、ファンダメンタルズからは、PER15.3倍(過去居心地のよかったところ)では19000円。PER15倍まで突っ込むと18500円という線は、何ヶ月も前からこの「中間反落」の下げ目処として、述べてきた通りです。
おそらく意識されるのは、200日移動平均線ですから、これが現在ちょうど19000円あたりに上昇してきているわけです。
ここで止まるか、18500円まで突っ込むか、というところでしょう。
落ち着きどころは、外人が一番重視している200日移動平均線でしょう。
つまり、19000円ということです。
勢いというものがありますから、18500円までの下げもありうるのでしょうが、これは瞬間的なもので、対応不能と考えられます。
空売り比率も、木曜日に39%台、金曜日は40%を越えたかと思いましたが、土曜日22日の日経新聞によりますと38%台でしたから、もしかすると、売りの峠は越えたのかもしれません。
いずれにしろ、ほぼ過去最高記録であろうと思われるので、ここから売り方が手放しで売り先行するとは、大変考えにくいものがあります。
週明けの一週間、上記のような水準まで到達したとしますと、まず今週中には一番底をつけたことになるでしょう。
ただ、もともと指数ベースでは秋まで期待できない、としていた当レポートの立場からは、これが底であったとはっきり確認できるのには、少なくとも3ヶ月は要すると見ています。
最も個別銘柄においては、むしろチャンスが多くなりますから、運用上はそれほど厳しい環境ではないでしょう。

▼先導銘柄リスト。
(強さは瞬発力ではなく、持続性なり)
黄金週報(編集長の独白)で紹介した「逆行高銘柄リスト」も参考にしながら、先導銘柄リストの第三集団の設定を考えています。
本当は、この週末につくりたかったのですが、どうやってもはっきり答えがでませんでした。
また、一番古い第一集団は、7月13日起算ですが、古いからといって、ここからはもうだめだということはありません。
むしろこれまで買うタイミング、押しが無かったもの多いわけで、買うには絶好のタイミングです。
これから設定する新しい第三集団が一番良いとは限らないということです。
強さとは、瞬間的なものではなく、持続性であると考えるべきです。

(第三集団)
黄金週報の末尾に、過去3日間の、黄金・チャンピオン系銘柄のうち、逆行高だったものの一覧を供しました。
川崎汽船はすでに、黄金系の第二集団に組み入れられ済みでした。
日本触媒をどうするか検討中だとしました。
先週末、黄金系母集団に組み入れたホシザキなどは、「逆行高銘柄一覧」にもありませんし、従来母集団に入っていなかったものなのですが、これも実は第三集団の候補には入っているのです。
今週、相場つきを確認しながら、順次決定しようと思います。
その場合は、一応「第三集団」とします。

(戦略方針)
さて、今週は前半まだ波乱含みでしょうが、大枠のシナリオ想定は、これまで解説してきた通りで、ほとんど変わりません。
思った以上に、早くダメ押しの一発が、期せずして中国の天津爆発事件、人民元切り下げによって発生してしまったということくらいです。
中間反落が一気に加速してしまったわけで、その下げの目処は、すでに解説した通りです。
それも、事前に、少なくとも警戒発動をしていますし、目安ですが、相応のキャッシュポジションをもつべし、としていたわけですから、青天の霹靂ということではありません。
仮にキャッシュポジションが少なくても、機動的に動ける自信と覚悟さえあれば、あまりその比率にこだわる必要もありません。
ただ、全面撤退してしまったのであれば、考えものです。
戻りが始まった局面で、果たしてうまく乗れるものか、疑問です。最安値を拾うということは、現実にはほとんど不可能だからです。

▼編集長の「本戦モデル」パフォーマンス。
わたしが、黄金・チャンピオン銘柄リスト、そしてそこから抽出された中期ホールド用の中核銘柄「先導銘柄リスト」をベースに、実際に1000万円の元本で、「仮想運用」を行っています。
これが、ときどき「本戦モデル」として一覧に供しているものです。
21日大引け段階で、データ更新したものは、こちらをクリックしてください。

これを見ますと、年初からのパフォーマンスは、元本対比、+29.2%です。
8月18日には、+36.9%までパフォーマンスを伸ばしていたのが、最高水準ですが、19日、20日・21日の滑落で、仮想運用をまともに取り組むことができないうちに、5%前後の資産評価目減りとなってしまったわけです。
モデルでは、22万円ほどのキャッシュポジションですから、わずか1.7%のキャッシュ比率でしかなく、事実上のフルインベストメント状態のままといっていいでしょう。
つまり、キャッシュ比率2割にする算段をしている暇が無かったのです。
ここから、遅ればせながら、2割分のキャッシュをつくることになります。
このように、黄金・チャンピオン銘柄リストと、そこから選ばれた中核用の「先導銘柄リスト」で、おおむね事足りるはずなのです。
現時点では、たまたますべて「先導銘柄リスト」ですが、先導銘柄以外の黄金系・チャンピオン系銘柄のときもあります。
いずれにしろ、当レポートで紹介しているリストの銘柄の、できるだけ強いものを残すというメインテナンスをきちんと維持すれば、このくらいのパフォーマンスは誰でも出せるはずです。
年初から、日経平均は+10.9%dすから、その3倍は資産効果があるわけです。
今、一番厳しい時期ですから、先日紹介したばかりですが、ここでもまた「本戦モデル」の状況を、開示することにしました。
詳細は、増田経済研究所まで。

以上


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