【ニュース解説】「原油価格に底入れ感」

2016/03/10


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原油価格に底入れ感

NY一時35ドル台 2ヵ月ぶり高値

原油価格に底入れ感が広がっている。米国指標のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)は、2日の取引で一時1バレル35ドルを上回り2ヵ月ぶりの高値をつけた。2月中旬に比べ3割上がった。産油国の増産凍結など協調に向けた動きが加速している。2014年後半から始まった原油の値下がりに、歯止めがかかってきた。(日本経済新聞3月4日記事より)

 

世界的な株安の1つの原因とされてきた原油安に歯止めがかかり、上昇の兆しが見えてきました。2月初旬に26ドル台まで下落した価格は、2日に35ドルを上回り、3割の上昇を見せています。この間に、原油市場の需給に直接何らかの変化があったかというと、決してそんなことはありません。2月に石油輸出国機構(OPEC)加盟国であるサウジアラビアとベネズエラ、カタールと非加盟国のロシアの原油担当相が、他の産油国の強調を条件として、原油生産を1月の水準で凍結すると合意しただけで、実際には需給バランスに変化はありません。つまり、2月初旬から3月にかけての原油価格の上昇は、市場参加者が「そろそろ産油国が協調に合意し、需給に変化が現れ、価格の下落が止まる(上昇に転じる)かもしれない」と考えて、買いを入れた結果に過ぎません。

NY原油 日足チャート 3月4日

160304NY原油日足

加えて、この20日にモスクワにおいて主要なOPEC加盟国と非加盟国のロシアなどが原油の増産凍結を協議する会議が計画されており、原油の供給調節が着々と進んでいる様子が伝えられています。

 

市場商品の価格は、その価格の背景にあるファンダメンタルズとそれを評価・行動する市場参加者の心理が反映されて形成され、直近の安値圏ではことさら市場参加者の不安心理が強く反映される形で形成された可能性があります。市場ではそれを行き過ぎと称し、行き過ぎた心理は急転換を起こしてきたことは、過去の相場の中でゴマンと確認できます。この段階で、実際に需給バランスに変化が訪れ、ファンダメンタルズが転換すれば、市場参加者の行き過ぎた心理の解消とともに、さらに急激な値動きとなって、私たちの目の前に現れる可能性があります。

 

13年ぶりとなったNY原油の安値形成の背景には、そのような可能性があり、今後の材料の出現とともに、私たちの目の前で新しい価格が形成されていきます。原油市場の大きな変動が目の前で起こるのかどうか、依然として目を離せない状況が続きます。

NY原油 月足チャート 3月4日

160304NY原油月足

チャート出所:「Edge Trader」 インベストメントテクノロジーズ(株)

 

記事出典:投資総合メディア「投資家の鏡」

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