■ 第1章 何故に投資家はかくも相場に負けるのか Part7

2017/11/24

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<私の記憶によれば Part7>

相場は大好きでしたし、もっと上手になりたいと思う気持ちはあるのですが、何の努力もせずに業界紙の受け売りを話しているだけの上司の方が、毎日相場の研究をしている自分よりもずっとマシな結果を出している事実を見ると、自分で自分が情けなくなってきます。何よりも自分が取り扱っているものが本当の相場ではなく、「相場のようなもの」でしかないことが、自分の心をいたく傷つけていました。

いくら頑張っても、いくら寝ないで相場に勝つための努力を続けても、「相場のようなもの」を売買している限り、この世界で大成することなどあり得ません。私は営業マンとして成功するのではなく、相場から利益を取れる人間として成功することを夢見ていました。しかし目の前に相場らしきものがあるにも関わらず、自分が売買しているのは「相場のようなもの」でしかないのです。

 

「目くそ、鼻くそを笑う」程度のプライドだけで頑張ってきましたが、先輩の失踪事件を見て、「いつまでもこんなことをしていてはいけない」と真剣に考えるようになりました。その頃には、「相場の勉強をする変な奴」、「上司の言うことを一切聞かない奴」ということで、社内では思いっきり浮き上がっていました。ですから、毎日出社すること自体、精神的には非常に辛かったのです。そしてついに私は会社を辞めると「インテリ」本部長に告げました。

会社を辞めると言った私に、副社長から呼び出しが掛かりました。オーナー一族の御曹司であり、次期社長候補の副社長は、どうやら私に目を掛けてくれていたようで、「本物の相場を勉強したいのなら、ちょうど東京支店に相場師が取締役営業本部長という肩書で働き始めたので、そこで修行をしてみないか」と言われました。

「本物の相場」などど副社長が言うのは、彼自身も我々が日々取引しているものが、「相場のようなもの」であり、ニセモノであることはちゃんとわかっていたようです。しかし経営上の権限は父親が完全に握っている状態では、肩書だけの副社長である彼には何も手出しできないというのが実情でした。

ニセモノの相場を販売するだけの暮らしに辟易としていた私は、この話に飛びつきました。もともと相場自体は大好きでしたので、相場師という響きは私にとってはとても魅惑的なものでした。副社長の部屋から、東京の相場師に電話を掛けてもらって最初に話をした時の印象を今でも覚えています。バリトンのよく響く声で、いかにも相場師といった腹の座った話し方でした。「東京に来るか」と問われて、「はい行きます」と二つ返事で了承しました。本物の相場を予感させる相場師の声の響きに、完全に魅了されていました。

 

こうして私は東京支店に配属になるのですが、この段階ではまだ相場に勝つどころか、相場に負けないことすらできない、どうしようもないヘボな一営業マンでしかありませんでした。

*教訓その7: 「相場のようなもの」に勝利は絶対に存在しない

 

 

■第一章「何故に投資家はかくも相場に負けるのか」のまとめ

*教訓その1: 勝つと思うな、思えば負けよ

*教訓その2: 誰かが負ければ、必ず誰かが勝っている

*教訓その3: コスト分だけは確実に負けていく

*教訓その4: 相場の営業マンは、営業のプロであって、相場のプロではない

*教訓その5: 金の切れ目が縁の切れ目

*教訓その6: ハイリスク=ハイリターンは嘘。ハイリスクはノーリターン。

*教訓その7: 「相場のようなもの」に勝利は絶対に存在しない

 

商品先物ブローカーの向い玉のカラクリがわかってくると、一般投資家がなぜ儲からないかは明白になるのですが、そういった向い玉が法律で禁止されている現在においても、投資家は非常に高い確率で相場に敗れて消え去っていきます。それがなぜなのか、本物の相場に対峙することになる次のシリーズで解き明かしていきたいと思います。

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