アノマリー検証 第19回「年の何月のアノマリーは存在するのか? Part7」

2017/09/12

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前回は、年の何月か(Month of the Year)によるアノマリー検証で得られた結果に基づいて、年間の月ごとの上昇、下落傾向がどのようになっているかをグラフにしてみました。今回はその傾向に基づいて、日経225のETF(1321)を月初から翌月月初まで売買してみようと思います。

検証に利用したのは、日本株のバックテストと完全な全自動売買を行えるiTradeという専用アプリです。(iTradeのWEBサイトはこちら:http://itrade.tokyo/start/link/kabuyoho/

<1月から12月までの各月の収益特性の確認>

今回の検証は以下の条件のもとに行いました。

検証期間 2007年1月~2016年12月までの10年間
売買対象 日経225のETF(証券コード1321)
売買単位 運用資産100万円で最も多くの株数を買う(単利)
売買ルール 年の何月かを限定し、その月の第一営業日の寄り付きで買って、翌月の第一営業日の寄り付きで手仕舞い
売買コスト ゼロ(コストを加算するとバイアスの存在が正しく見えなくなるため)

今回も比較のために全ての月の累積損益を表示しておきます。下記は、各月の第一営業日に買い、翌月の第一営業日に手仕舞いした結果の累積損益率推移グラフです。年に1度の売買しかないので、各月のグラフが階段状になっているのがわかると思います。

 

赤い線は、各月の損益を合計した累積損益率のグラフになります。これは単に日経225ETFを2017年1月4日に買った場合の累積損益率推移とは若干異なっていますが、225の価格推移の傾向とほぼ一致しますので、隔月の累積損益率の傾向と比較する目的で表示します。日経225がどういう推移をした箇所を、その月の売買が切り取っているかが、これで良く分かるようになると思います。

2017083001

 

  • 日本株における1月から12月までの季節的変動パターン

以下は前回紹介した、日本株における年間の株価推移のイメージグラフです。

2017083002

今回行った検証は、この月別の変動パターンに基づいて、日経225ETF(1321)を売買してみようというものです。上昇傾向を示している月は、月初に買い、翌月初に手仕舞い。下降傾向にある月は、月初に売り、翌月初に手仕舞い。フラットまたは変動が大きい月は、売買を見送るという方法で、検証してみました。下記が実際の月別の売買です。

1月:売り

2月:見送り

3月:買い

4月:買い

5月:見送り

6月:見送り

7月:見送り

8月:売り

9月:売り

10月:見送り

11月:買い

12月:買い

 

この売買を行った結果が下記のグラフになります。

<累積損益%グラフ>

2017083003

パフォーマンスの詳細を紹介しますと、期間損益は68.05%で、この期間における最大ドローダウンは9.78でした。勝率は61.43%、POR(PayOffRation)は1.63です。その結果としてPF(ProfitFactor)は2.63でした。

 

<年次損益%グラフ>

2017083004

上記は年次の損益を棒グラフに表したものですが、2007年から2016年までの10年間において、2007年以外は全ての年でプラスに回っているのがわかると思います(2017年は、1月の頭に手仕舞いが入ったために表示されていますが、この年の仕掛けはありません)。

この結果を見ても、日本株における季節的なサイクルの存在は明白であり、利用価値のあるものであることがわかります。今回のような単純な方法で季節的サイクルを利用するだけで、これだけの優位性を味方につけることができるのです。

今回の検証では、月初に買いまたは売りを仕掛け、翌月初に手仕舞いという方法でしたが、変動が激しい月では、月初の価格からn%以上で売り仕掛け、あるいは‐n%以下で買い仕掛けといった方法も考えられます。同様により有利にする為に、手仕舞いを指値にすることも可能でしょう(指値をヒットしなければ予定通り翌月初で手仕舞い)。

季節来なアノマリーサイクルは、偶然の産物ではなく、人間行動の結果として生まれてきている可能性が大です。再現性のあるアノマリーには、必ず何らかの原因が存在しているはずです。アノマリーを味方につけることで、パフォーマンスをより向上させることを考えてみては如何でしょうか?

 

*次回からはアノマリー検証から離れて、別のシリーズに入っていこうと思います

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京都ラボ
iTrade (株式用バックテスト&完全自動売買アプリ)を使って、書籍等で紹介されている著名な売買戦略が日本株において有効に機能するかどうかの検証と、日本株におけるアノマリー、有効なパターン等の検証を行います。またシステムトレーダーを目指す人々のために、ストラテジー構築の考え方についても解説を行います。
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