アノマリー検証 第16回「年の何月のアノマリーは存在するのか? Part4」

2017/08/18

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前回は、年の何月か(Month of the Year)によるアノマリー検証を4月から6月までの3か月間を対象として実施しました。その結果5月は世間で言われているような下落傾向が強い月ではないということがわかりました。

今回は同じ検証を7月から9月までの期間で実施してみます。8月はサマーラリーと呼ばれ、上昇傾向が強い月なので、株を買った方が良いというのが、一般的な認識として言われていることですが、果たしてどうなのか、検証してみたいと思います。

検証に利用したのは、日本株のバックテストと完全な全自動売買を行えるiTradeという専用アプリです。(iTradeのWEBサイトはこちら:http://itrade.tokyo/start/link/kabuyoho/
 

<7月から9月までの各月の収益特性の確認>

今回の検証は以下の条件のもとに行いました。

検証期間 2007年1月~2016年12月までの10年間
売買対象 日経225のETF(証券コード1321)
売買単位 運用資産100万円で最も多くの株数を買う(単利)
売買ルール 年の何月かを限定し、その月の第一営業日の寄り付きで買って、翌月の第一営業日の寄り付きで手仕舞い
売買コスト ゼロ(コストを加算するとバイアスの存在が正しく見えなくなるため)

今回も比較のために全ての月の累積損益を表示しておきます。下記は、各月の第一営業日に買い、翌月の第一営業日に手仕舞いした結果の累積損益率推移グラフです。年に1度の売買しかないので、各月のグラフが階段状になっているのがわかると思います。

 

赤い線は、各月の損益を合計した累積損益率のグラフになります。これは単純に日経225ETFを2017年1月4日に買った場合の累積損益率推移とは若干異なっていますが、225の価格推移の傾向とほぼ一致しますので、隔月の累積損益率の傾向と比較する目的で表示します。日経225がどういう推移をした箇所を、その月の売買が切り取っているかが、これで良く分かるようになると思います。

2017081801

下記の赤い細い方の線は7月の第一営業日に買い、8月の第一営業日に手仕舞いした場合の、累積損益グラフになります。

2017081802

この累積損益グラフからは、7月にはほとんど特徴的な値動きが見られないことがわかります。これではアノマリーが存在するとは言えませんね。

 

次は8月の累積損益グラフを見てみましょう。黄色い線がそれになります。

2017081803

これを見ますと、「8月はサマーラリーで株が上がりやすい」という米国での認識は、日本株市場には通用しないと言わざるを得ません。アベノミクスの強い上昇期間においても、8月は上昇傾向を示していませんので、日本株の場合は、サマーラリーどころか、逆に夏は下がりやすいと考えた方が良さそうです。

 

次は9月の累積損益グラフになります。

2017081804

9月は米国では、8月のサマーラリーの後、上昇一服で下落しやすい月と言われています。結果を見ますと、アベノミクス前までは9月の下落傾向は鮮明でしたが、アベノミクスの影響が強かった2013年には強い上昇傾向が見られます。しかし2013年と2014年を除けば、基本的には9月は日本株の下落傾向が強い月であると言っても問題ないのではないでしょうか。

 

以下は今回紹介した、7月、8月、9月の累積損益グラフをひとつにまとめて表示したものです。

2017081805

この累積損益のグラフを見る限りでは、アベノミクスのような強いバイアスが働かない限りは8月から9月までの2か月間は、日本株は下落傾向が強い月であると言えると思います。

「サマーラリー」と呼ばれる米国株市場の特徴は、日本株市場においては当てはまっていませんが、9月の下落傾向は、日米ともに存在していると考えて良いかもしれません。

*次回は、10月から12月の収益特性を調べて、日本株の季節的なアノマリーについて更に検証してみます

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京都ラボ
iTrade (株式用バックテスト&完全自動売買アプリ)を使って、書籍等で紹介されている著名な売買戦略が日本株において有効に機能するかどうかの検証と、日本株におけるアノマリー、有効なパターン等の検証を行います。またシステムトレーダーを目指す人々のために、ストラテジー構築の考え方についても解説を行います。
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