アノマリー検証 第14回「年の何月のアノマリーは存在するのか? Part2」

2017/08/08

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前回は、年の何月か(Month of the Year)によるアノマリー検証を行い、サマーラリー(8月は株式相場が上昇しやすい)という米国のことわざが日本市場にも当てはまるのかどうかについて検証を行ってみました。その結果、日本株市場においては、8月は下落しやすい傾向が強いことが明らかになりました。今回はその他の月の特性について確認してみます。

検証に利用したのは、日本株のバックテストと完全な全自動売買を行えるiTradeという専用アプリです。(iTradeのWEBサイトはこちら:http://itrade.tokyo/start/link/kabuyoho/
 

<1月から3月までの各月の収益特性の確認>

今回の検証は以下の条件のもとに行いました。

検証期間 2007年1月~2016年12月までの10年間
売買対象 日経225のETF(証券コード1321)
売買単位 運用資産100万円で最も多くの株数を買う(単利)
売買ルール 年の何月かを限定し、その月の第一営業日の寄り付きで買って、翌月の第一営業日の寄り付きで手仕舞い
売買コスト ゼロ(コストを加算するとバイアスの存在が正しく見えなくなるため)

下記は、各月の第一営業日に買い、翌月の第一営業日に手仕舞いした結果の累積損益率推移グラフです。年に1度の売買しかないので、各月のグラフが階段状になっているのがわかると思います。

赤い線は、各月の損益を合計した累積損益率のグラフになります。これは単純に日経225ETFを2017年1月4日に買った場合の累積損益率推移とは若干異なっていますが、225の価格推移の傾向とほぼ一致しますので、隔月の累積損益率の傾向と比較する目的で表示します。日経225がどういう推移をした箇所を、その月の売買が切り取っているかが、これで良く分かるようになると思います。

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この累積損益グラフを見ますと、累積損益がずっと増加し続けたり、あるいは逆に減少し続けたりしている月があることがわかります。前回は、今月の状況をまず確認するために、8月の累積損益グラフだけを取り上げて表示しましたが、今回からは1月から順に、累積損益グラフを表示していき、その月に特定の値動きが存在するかどうかについて、確認していこうと思います。(流れを見るために3か月単位で月の変動を見てみます)

下記は1月の第一営業日に買い、2月の第一営業日に手仕舞いした場合の、累積損益グラフになります。

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この累積損益グラフからは、1月は下落しやすい傾向を持っていることがわかります。しかし更に詳しく見ますと、月初から見て大きく下げた場合(10%以上の下落となった場合)は、月末にかけては上昇しやすい傾向があることがわかります。

次は2月の累積損益グラフを見てみましょう。

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これを見ますと、2月の累積損益はほぼフラットになっており、あまり継続的な特徴は見いだせないように思います。2月は閑散な売買になるとよく言われてきましたが、方向性が見い出せないという点については、それも間違っていないのかもしれません。

次は3月の累積損益グラフになります。

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3月は一転、非常に上昇傾向が強い月であることがわかります。これは大半の日本の企業は3月決算を採用していることや、株主優待の権利日が集中していることも何らかの関係があるのではないかと考えられます。

以下は今回紹介した、1月、2月、3月の累積損益グラフをひとつにまとめて表示したものです。

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どの月も2008年の変動幅が非常に大きくなっていることがわかると思いますが、これはリーマンショックが発生した年であることを考えれば、当然のことであると思います。逆に考えますと、2008年のような特殊な年ではなく、それ以外の通常の値動きをした年の傾向を見る方が、本来の月のアノマリーを把握するには良いのかもしれません。
しかし1月から3月に掛けては、2008年の変動が無かったとしても、同じ結論に至るのではないでしょうか。この特徴を利用した売買としては、1月の頭に日経225ETFを売り、2月に手仕舞い、3月頭に買うという売買戦略が考えられます。

その他の特徴としては、どの月も、月初から大きく下落したり上昇した場合は、月末にかけては修正が入る傾向が強いように思います。これは月の傾向というより、日本株市場の傾向として把握しておくべきことかもしれません。

*次回は、その4月から6月の収益特性を調べて、日本株の季節的なアノマリーについて更に検証してみます

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京都ラボ
iTrade (株式用バックテスト&完全自動売買アプリ)を使って、書籍等で紹介されている著名な売買戦略が日本株において有効に機能するかどうかの検証と、日本株におけるアノマリー、有効なパターン等の検証を行います。またシステムトレーダーを目指す人々のために、ストラテジー構築の考え方についても解説を行います。
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