アノマリー検証 第6回「日本個別株で検証。曜日アノマリーだけで利益が出ることが判明。 Part1」

2017/06/27

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これまで日経225ETFと、大型株、小型株の、寄付き仕掛け&当日大引け手仕舞い(デイトレード)と、大引け仕掛け&翌日寄り付き手仕舞い(オーバーナイト)におけるアノマリー検証を行ってきました。今回はここまでの結果を簡単にまとめて、日本株における曜日アノマリーを最大限味方につける方法について検証を行いたいと思います。
検証に利用したのは、日本株のバックテストと完全な全自動売買を行えるiTradeという専用アプリです。(iTradeのWEBサイトはこちら:http://itrade.tokyo/start/link/kabuyoho/

<個別株曜日アノマリー検証(9)「デイトレードとオーバーナイトのサマリー」>

これまで検証してきた曜日アノマリーはどういったものであるかを再確認してみます。日経225やTOPIXの曜日アノマリーの検証は比較的容易にできますので、今回はあえて検証の難易度が高い個別株(売買代金上位100銘柄)に限定して、比較検討してみます。

ここでもう一度検証の方法について簡単に説明しておきます。デイトレード売りとは、「当日寄付き売り仕掛け、当日大引け手仕舞い」を意味しています。オーバーナイト買いとは、「当日大引け買い仕掛け、翌日寄り付き手仕舞い」を意味しています。

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これは2007年から2016年までの10年間のバックテストのサマリー(概要)です。これを見ますと、デイトレード売りに関しては、木曜以外は利益が期待できそうです。一方オーバーナイトの買いについては、月曜が大幅なマイナスですので、月曜に限ってはオーバーナイトで売りを仕掛ける方が良いと思われます。
しかしこのサマリーはあくまでも2016年末時点の累積損益を断面で見たものですので、もう少し詳しく流れを見ていくために、この期間における累積損益の推移を示したグラフを見てみることにします。

<大型株デイトレード売りの累積損益推移グラフ>

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このデイトレード売りの累積損益推移グラフを見ますと、断面で見た時には一番良い結果に見えていた月曜の売りが、直近のところでは利益を吐きだしているのに対し、あまり良い結果には見えなかった木曜日の売りが、実は直近のところでは利益を上げていて、月曜のマイナスをカバーしていることがわかります。
下のグラフの赤い線は運用資産2億円に対する全曜日合計の累積損益グラフ(単利運用)ですが、これが直近のところでも右肩上がりになっているのは、木曜日の売りが加わっているからだということが見て取れます。つまりデイトレード売りで利益を上げるには、木曜日を排除するのではなく、毎日売り仕掛けを行う方が良いという結論に至ります。

<大型株オーバーナイト買いの累積損益推移グラフ>

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こちらはオーバーナイト買いの累積損益グラフですが、デイトレードと異なり、月曜のオーバーナイト買いは、一貫してマイナスが継続しています。この結果を見る限りでは、月曜はオーバーナイトで売りを仕掛ける方が良いという結論に至ります。
それ以外の曜日では、火曜と金曜のオーバーナイトは、2008年のリーマンショックでもそれほど大きなマイナスを被っていないので、この2つの曜日のオーバーナイト買いバイアスはかなり強いと判断できます。残る水曜と木曜は、2008年のリーマンショックの時のマイナスが大きいのですが、直近の推移を見る限りではなかなか良い結果を残しています。
下のグラフの赤い線は、運用資産2億円に対する全曜日のオーバーナイトの合計(単利運用)です。リーマンショックのような大幅な下落時には、オーバーナイトは全体として大きなマイナスを被っていることがわかりますが、この期間はデイトレードの売りが利益をもたらしてくれますので、おそらくオーバーナイトの買いの損失をある程度は相殺してくれると推測されます。
これらのことから判断して、月曜のみオーバーナイトの売りを仕掛け、残りの曜日は全てオーバーナイトの買いを仕掛けるのが良いと考えられます。

月曜の寄り付きから金曜の大引けまでの売買の流れ

では、上記の方針に従って、月曜の寄り付きから金曜の大引けまでの、デイトレードとオーバーナイトの売買の流れを順に追ってみましょう。

月曜:寄付き売り仕掛け&大引け買い手仕舞い+大引け売り仕掛け
火曜:寄付き買い手仕舞い+寄付き売り仕掛け&大引け買い手仕舞い+大引け買い仕掛け
水曜:寄付き売り手仕舞い+寄付き売り仕掛け&大引け買い手仕舞い+大引け買い仕掛け
木曜:寄付き売り手仕舞い+寄付き売り仕掛け&大引け買い手仕舞い+大引け買い仕掛け
金曜:寄付き売り手仕舞い+寄付き売り仕掛け&大引け買い手仕舞い+大引け買い仕掛け
月曜:寄付き売り手仕舞い+・・・・

月曜はデイトレードとオーバーナイトで売買する銘柄が変わらなければ、寄付きに売り仕掛けたら、翌日火曜の寄り付きに手仕舞いするまで、そのままでよいことがわかります。しかし水曜から翌週月曜までの寄り付きでは、前日大引けに仕掛けた買いの手仕舞い売りを行った上に、更に売り仕掛けを行いますので、2倍の売りを行うことになります。
同様に火曜から金曜までの大引けでは、当日のデイトレードの売りに対する買い手仕舞いを行い、同時にオーバーナイトの買い仕掛けを実行しますので、こちらも2倍の買いを行うことになります。大引けは流動性が落ちやすいので、自分の売買で価格が動いてしまうリスクを避けるためにも、大型株を対象として売買する必要があることが、これでわかると思います。

では上記で検討した売買を全て組み合わせた結果がどうなったかを見てみることにします。

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デイトレードとオーバーナイトを連続して売買していきますので、手仕舞いと同時に次の仕掛けを実行することになります。そのため運用資金は、単純なデイトレードやオーバーナイトの倍必要になります。
下の段のデイトレードとオーバーナイトを合計した結果の利回りが、単純なオーバーナイトの売買よりも低くなっているのはこのためです。オーバーナイトだけの売買を行った場合、利回りは高くなるのですが、最大ドローダウン(累積利益のピークからの最大落ち込み率)も大きくなります。これに対し、デイトレードとオーバーナイトを組み合わせた売買では、利回りはやや落ちるものの、最大ドローダウンは大幅に改善していますので、リスクとリターンの比率で見るなら、こちらの方がずっと優秀であることになります。

これは2016年末時点の断面での数字ですので、流れを理解するために、2007年から2016年末までの10年間における累積損益の推移を示すグラフを見てみましょう。

<大型株デイトレード&オーバーナイトの累積損益推移グラフ>

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下のグラフの赤い線は、運用資産4億円に対する、前述の全ての売買を合算した累積損益を示しています。デイトレードとオーバーナイトを連続して売買していきますので、手仕舞いと同時に次の仕掛けを実行することになり、必要資金は、単純なデイトレードやオーバーナイトの倍の資金が必要になります。
注目して頂きたいのは、2008年のリーマンショックの時の落ち込みが、大幅に減少している点です。これはオーバーナイトの買いで発生した損失を、デイトレードの売りがカバーしているためだと思われます。リーマンショックのような連続して下落する相場においても、比較的損失を小さく抑えられていることがわかります。
また年間ベースで見ますと、2007年から2016年までの10年間における全ての年でプラスに回っています。この結果を見ても、日本株市場には非常に堅牢なバイアスが存在していると言えるのではないでしょうか。

今回示したかったのは、日本株における曜日アノマリーの存在でしたので、ここで示している累積売買利益には、手数料や信用金利といった売買コストは含まれていません。しかし曜日アノマリーを売買戦略にうまく取り込むことができれば、年平均で約14%もの有利な条件を味方につけることが可能になります。
また、単純に毎日デイトレードやオーバーナイトを繰り返すのではなく、前日の値動きの状態を判断して、もう少し細かい条件を組み入れることで、更にパフォーマンスを改善することは可能だと思います。売買戦略構築の際に、是非このアノマリーを活用してみて下さい。

*次回は、曜日アノマリーのちょっと変わった使い方について、検証を行ってみたいと思います。

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iTrade (株式用バックテスト&完全自動売買アプリ)を使って、書籍等で紹介されている著名な売買戦略が日本株において有効に機能するかどうかの検証と、日本株におけるアノマリー、有効なパターン等の検証を行います。またシステムトレーダーを目指す人々のために、ストラテジー構築の考え方についても解説を行います。
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