アノマリー検証 第5回「月曜にはオーバーナイトで買いポジションを持ってはいけない?Part2」

2017/06/20

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前回は日経225ETFの、大引け仕掛け&翌日寄り付き手仕舞い(オーバーナイト)におけるアノマリー検証をお見せしましたが、今回は同じ検証を大型株と小型株で行ったらどうなるかについてお見せしたいと思います。デイトレードの時のように、大型株と小型株に大きな違いが出るかどうかが今回の検証のポイントになります。
検証に利用したのは、日本株のバックテストと完全な全自動売買を行えるiTradeという専用アプリです。(iTradeのWEBサイトはこちら:http://itrade.tokyo/start/link/kabuyoho/

<個別株曜日アノマリー検証(7)「大型株オーバーナイト買い」>

では、日経225ETFと同じ内容で、大型株オーバーナイトの買いを行った場合、どういう結果になるかを検証してみましょう。検証に使用した条件は下記のとおりです。

検証期間 2007年1月~2016年12月までの10年間
売買対象 国内市場に上場されている制度信用銘柄の内、前日終値が150円以上の売買代金上位100銘柄を日々抽出。ただし、当日大引けがストップ高になっている銘柄や、信用規制で新規売買停止銘柄は売買対象としない。
売買単位 運用資産2億円、1銘柄200万円以内で最も多くの株数を買う(単利)
売買ルール 曜日を限定し、当日終値で買って翌日始値で手仕舞い(オーバーナイト)
売買コスト ゼロ(コストを加算するとバイアスの存在が正しく見えなくなるため)

国内に上場されている制度信用銘柄の内、売買代金が大きい方から100銘柄を選択しますので、売買対象は大型株になります。また1銘柄あたり売買代金を200万円以内と高額に設定したのは、大型株の中には1単元が100万円を超える銘柄があるからです。このため、運用資産は2億円と高額に設定されています。

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ほぼ日経225ETFと同様の結果になっていることがわかると思います。しかしよく見ますと、最終的な利益率はかなり異なっているようです。日経225ETFの累積損益は、元本1千万円に対して約500万円(利益率50%)、最大ドローダウン(一時的な損失の最大値)は約330万円(最大DD33%)ですが、上位100銘柄の方は、元本2億円に対して累積利益は約2億3千万円(利益率115%)、最大DDは8850万円(最大DD44%)となっており、日経225ETFの結果と比べると、個別株の売買代金上位100銘柄の結果ではドローダウンが30%増加したのに対し、累積ネット損益は125%以上の増加となっています。個別株上位100銘柄の方が、最大リスクに対するリターンの割合が良くなる傾向が見て取れます。

<個別株曜日アノマリー検証(8)「小型株オーバーナイト買い」>

では、同じ内容で、小型株オーバーナイトの買いを行った場合、どういう結果になるかを検証してみましょう。検証に使用した条件は下記のとおりです。

検証期間 2007年1月~2016年12月までの10年間
売買対象 国内市場に上場されている制度信用銘柄の内、前日終値が150円以上、直近3日平均売買代金が2億円以上の銘柄で、売買代金下位100銘柄を日々抽出。当日大引けがストップ高になっている銘柄や、信用規制で新規売買停止銘柄も売買対象としない。
売買単位 運用資産1億円、1銘柄100万円以内で最も多くの株数を買う(単利)
売買ルール 曜日を限定し、当日終値で買って翌日始値で手仕舞い(オーバーナイト)
売買コスト ゼロ(コストを加算するとバイアスの存在が正しく見えなくなるため)

大型株との一番の違いは、3日平均売買代金が2億円以上の銘柄で、売買代金下位100銘柄を日々抽出するという点です。現実的な検証にするため、売買が可能な銘柄を対象として、その中で売買代金が小さい方から100銘柄を毎日抽出します。また売買代金が大きくなり過ぎると、自分の売買で価格を動かしてしまう恐れがありますので、1銘柄あたりの売買代金は100万円以内としてあります。(デイトレードの検証条件と同じ)

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大型株と似通った結果に見えますが、よく見ますと小型株の方が結果が悪いことがわかります。月曜の終値で買って、翌日始値で手仕舞いした場合、ほぼコンスタントに損失となっていることや、火曜の終値で買って、翌日手仕舞いするオーバーナイトはコンスタントに利益が上がっている点は、大型株と同様なのですが、水曜と木曜の累積損益を見ますと、ほぼゼロに近い数字となっていることがわかります。大型株でも水曜と木曜はあまり良くなかったのですが、小型株ではこの傾向が更に強く表れているようです。

下側のグラフの赤い線(全ての曜日の累積損益の合計)が示すように、毎日オーバーナイトの売買を繰り返した場合、この10年間における小型株の累積損益は、元本1億万円に対して約4400万円(利益率44%)、最大ドローダウンは約3200万円(最大DD32%)です。この結果は、日経225ETFの結果とほぼ同じです。上位100銘柄の大型株の結果は、元本2億円に対して累積利益は約2億3千万円(利益率115%)、最大DDは8850万円(最大DD44%)ですので、やはり大型株の方が、オーバーナイトの結果は良い方向に表れているようです。しかし寄付き仕掛け、当日大引手仕舞い(デイトレード)の時のように、大型株と小型株で大きく結果が異なっているというほどの差は生じていません。

今回の検証から分かったことは、オーバーナイトにおいては、デイトレードほど売買代金の違いを意識する必要はなさそうだということです(それでも大型株の方が良い結果になることは間違いありません)。また日本株市場でオーバーナイトの買いを行うなら、火曜と金曜の大引け仕掛けが圧倒的に有利であり、月曜の大引けの仕掛けは非常に不利になるということです。このアノマリーを、オーバーナイト戦略に取り入れることは、価値のあることではないでしょうか。

*次回は、これまで検証してきた、寄付き仕掛け&当日大引け手仕舞い(デイトレード)と、大引け仕掛け&翌日寄付き手仕舞い(オーバーナイト)のアノマリーのまとめを行い、これを有効に利用する方法について考えてみたいと思います。

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iTrade (株式用バックテスト&完全自動売買アプリ)を使って、書籍等で紹介されている著名な売買戦略が日本株において有効に機能するかどうかの検証と、日本株におけるアノマリー、有効なパターン等の検証を行います。またシステムトレーダーを目指す人々のために、ストラテジー構築の考え方についても解説を行います。
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