アノマリー検証 第4回「月曜にはオーバーナイトで買いポジションを持ってはいけない?」

2017/06/13

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これまでは日本株で寄り付き仕掛け、当日大引け手仕舞い(デイトレード)を行った場合、どのようなアノマリーが存在しているかを検証してきました。今回からは大引け仕掛け、翌日寄り付き手仕舞い(オーバーナイト)を行った場合に、どのようなアノマリーが存在しているかについてテストを行っていこうと思います。
検証に利用したのは、日本株のバックテストと完全な全自動売買を行えるiTradeという専用アプリです。(iTradeのWEBサイトはこちら:http://itrade.tokyo/start/link/kabuyoho/
 

<個別株曜日アノマリー検証(6)「日経225ETFオーバーナイト買い」>

検証期間 2007年1月~2016年12月までの10年間
売買対象 日経225のETF(証券コード1321)
売買単位 運用資産1000万円で最も多くの株数を買う(単利)
売買ルール 曜日を限定し、当日終値で買って翌日始値で手仕舞い(オーバーナイト)
売買コスト ゼロ(コストを加算するとバイアスの存在が正しく見えなくなるため)


市場全体の値動きを代表するものとして、デイトレードのアノマリー検証同様、まずは日経225の値動きで、オーバーナイトの検証を行ってみました。売買対象は日経225のETF(1321)ですので、日経225先物を使っても、ほぼ同様の結果になると考えられます。
 
 
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上のグラフは曜日別の累積損益%を示しています。下のグラフは元本1千万円を単利運用した場合の、曜日別の累積損益額を示しています。赤い線は、全ての週の損益を合計したものですから、毎日オーバーナイトの買いを行った場合、元本1千万円に対して累積損益がいくらになったかを示しています。

この結果を見ますと、この10年間においては、225のETF(または先物)を月曜の終値で買って、翌日始値で手仕舞いした場合、ほぼコンスタントに損失となっていることがわかります。これに対し、火曜の終値で買って、翌日手仕舞いするオーバーナイトはコンスタントに利益が上がっているようです。

下側のグラフの赤い線(全ての曜日の累積損益の合計)が示すように、毎日オーバーナイトの売買を繰り返した場合、この10年間における累積損益は、元本1千万円に対して約500万円(利益率50%)、最大ドローダウンは約330万円(最大DD33%)です。大幅な損失となっている月曜も含めて毎日オーバーナイトの売買を繰り返した場合でも、これだけの大きなエッジ(優位性)が潜んでいることに、正直驚いています。ここから月曜のオーバーナイトを除けば、更にエッジは大きくなります。

2008年後半は、月曜だけでなく、火曜以外の他の曜日においても損失が拡大していますが、これはリーマンショックの影響を強く受けた為だと考えられます。しかし火曜のオーバーナイトだけは、この期間においても大きな損失を被っていません。これがたまたまこの期間の火曜日に大きな下落が無かったからなのか、それとも火曜のオーバーナイトには、強いアノマリーが存在しているのかは、現時点では明確に判断することはできません。

しかし、月曜以外の曜日では、このリーマンショックの期間を除けば、ほぼ右肩上がりの値動きを継続していると見てよいでしょう。もしこの曜日別のオーバーナイトアノマリーを戦略として利用するなら、リーマンショックのような長期に渡る大幅な下落局面をどのように対処するかがポイントになります。
リーマンショックの時に下落を相殺しあっている曜日同士を組み合わせるという方法も考えられますが、こうした特殊な条件下における特徴は、実はアノマリーではなく、たまたまその時だけに現れたと考える方が安全だと思います。この場合は、いくら相殺し合う曜日を組み合わせても、将来の再現性は低くなります。
リーマンショックのような下落は、非常に特殊なものであり、通常の相場変動とは異なっています。アノマリーが存在する場合、通常の相場環境でこそ再現性が高くなると考えるべきです。

売買戦略を構築する場合は、基本的には、アノマリーだけに依存するのではなく、元になる売買戦略自体で、リーマンショックのような特殊な下落局面で損失が発生しないようにする必要があると思います。
今後具体的な売買戦略の構築について言及する場合、リーマンショックのような長期に渡る大幅な下落局面で損失を被らないようにするには、どうすれば良いかについても説明していく予定です。

*次回は、大型株と小型株で同様の検証を行った結果をお見せしたいと思います。デイトレードの時のように、大きな違いが出るかどうかがポイントになります。

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京都ラボ
iTrade (株式用バックテスト&完全自動売買アプリ)を使って、書籍等で紹介されている著名な売買戦略が日本株において有効に機能するかどうかの検証と、日本株におけるアノマリー、有効なパターン等の検証を行います。またシステムトレーダーを目指す人々のために、ストラテジー構築の考え方についても解説を行います。
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