FM 今週のポイント(8月7日)

2017/08/07

*注目された7月米雇用統計は世界のリスクマーケットにとっては最善の結果となりました。非農業部門の雇用者数が前月から 20 万 9000 人増え、市場予想(18 万人程度)を上回りました(失業率は 4.3%と前月比 0.1 ポイント改善した)。平均時給は前年同月比で 2.5%増え市場予想をやや上回りました。この雇用統計を手掛かりに、米 10 年債利回りは一時 2.29%と前日から 0.07%上昇しました。金利上昇が業績の追い風となりやすい金融株が買われ、ゴールドマン・サックスとJPモルガン・チェースの2銘柄だけでNYダウを 47 ドル強押し上げました。良好な雇用統計により米国経済が緩やかに拡大していることを好感したリスク選好の動きが強まりました(NYダウは9日続伸:今年2月下旬の 12 連騰以来)。また、ハイテク株の比率が高い(グロース株の指標)ナスダック総合指数も反発しています(11.223 ポイント(0.2%)高の 6,351.564 で終えた:フェイスブックやアルファベットなど主力株が上昇)⇒良好な雇用統計発表にも係わらず、10 年債利回りが急騰しなかったことが好感されています(10 年債利回りの急騰はグロース株からバリュー株へのシフトを加速させる)。世界的な金融政策の転換期において今回の雇用統計は世界のリスクマーケットの安定にとっては最善の結果です(タカ派バイアスか、ハト派バイアスか、どっちつかずでモラトリアム期間が延長されただけですが)。当面はグロース系中心でバリューシフトが加速しない従来通りのシナリオでファンドデザインを考えたいと思います。
 
1Qの国内企業の業績は好調です。8月3日時点の TOPIX 採用企業の 4-6 月期(3-5 月期含む)の売上高は前年同期比+3.9%、営業利益は同+12.9%、当期利益は同+40.3%。ポジティブ・サプライズ比率は 60.2%。17 年度当期利益は会社計画では前年度比+6.2%、Qコンセンサス予想では同+12.8%。6月末時点と比べたQコンセンサス予想のリビジョンは TOPIX 全体で 27.4%、製造業で 35.1%、非製造業で 18.2%と製造業中心に上方修正優位となっています。通期上方修正銘柄のパフォーマンスは良好です(期待先行で上昇していた銘柄の出尽くし売りが目立ちますが、今回は特に通期業績見通しを上方修正する企業が多く、それらの銘柄のパフォーマンスは発表後も良好です)。今後アナリストの業績予想見直しが行われることも考えると、当面は業績のモメンタムに対して株価が順方向に反応する傾向が継続するものと思われます。
 
*安倍首相が8月3日に実施した内閣改造で、内閣支持率が急反発したり、外国人投資家の日本株買いが戻ってくることは期待しにくいと思われます。ポスト安倍が囁かれる中で、安倍首相は今後の政策として、憲法改正の優先度を下げて、経済重視を打ち出すものと思われますが、マーケットがポジティブに受け止める経済政策等の発動は見込み薄です。秋の臨時国会では労働関連法制が最大の論点になりそうですが、連合がホワイトカラーエグゼンプション法制への反対姿勢を崩していないことや、2018 年は衆議院選挙の年であり、投票率が高い高齢者向けの予算を削るのは容易でないため、安倍首相が提唱している「人づくり革命」に具体的な色がつくことは望み薄です⇒好調な企業業績に支えられる展開が続きます。

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