FM 今月のポイント(2017年 7月)

2017/07/03

*先月末の日経平均株価は 20,000 円大台をキープして終了していますが、上値が重い展開が続いています(6月 20 日に 20,318.11 円の高値を付けた後、6月 30 日には一時、9,946.51 円まで下落している)。背景には米国で先駆したグロース株が利益確定売りにさらされている事と、バリュー株へのスイッチが上手くいっていないためです。米国 10 年債利回りは、6月 26日の2.118%を直近の底として 30 日には 2.3%まで上昇しています。これは景気指標等が上振れて景況感が上向いているためではありません(米経済サプライズ指数は-78.5 まで低下している⇒景気指標のネガティブサプライズが多くなっている)。FRB が9月にも 25bp の追加緩和&テーパリング(量的金融緩和策の縮小)の開始を狙っている雰囲気があるからです。加えて ECB のドラギ総裁も金融緩和の縮小を示唆しています(27 日にポルトガルで開催された ECB の年次政策フォーラムで、ECB のドラギ総裁は「景気回復が続く中、政策スタンスはより緩和的になる。ECB は政策手段のパラメーターを調整することで景気回復に対応することが可能だ。これは政策スタンスを引き締めるためではなく、ほぼ同じに維持することが狙いだ」と語った⇒かなり回りくどい発言ながら、「今は全ての兆候がユーロ圏の回復の強さが増し、裾野が広がっていることを指し示している。 デフレ圧力はリフレの力に置き換わった」とも語っており、つまり景気回復が続くと金融緩和の効果がより大きくなるとし、その効果を一定に保つには緩和そのものを調整、つまり緩和策を縮小することを示唆した格好)。米欧のテーパリングが現実味を帯びて欧米の長期債利回りが上昇しています(独10年債利回りは26日の 0.244%から 30 日には 0.464%まで上昇)。本来ならば景況感の拡大を基に長期金利が上昇すれば、グロース株からバリュー株へのシフトが起こり、株式マーケットは大きな打撃を蒙ることはありません。しかし、今回は、景況感の拡大に疑念があります。マーケットは米国経済のソフトパッチ懸念を強めており(米経済サプライズ指数は-78.5 まで低下している)、FRB のスタンス(金融緩和早期縮小)を受け入れていないものと思われます。その意味では7月初旬には重要な景気指標が発表されます⇒3日のISM 製造業景況感指数と雇用統計です。仮に、両指数が悪化して、且つ、FRB の金融緩和早期縮小スタンスに変化が無ければ、マーケットの反乱が起こるかもしれません(株価の大幅下落による金融緩和維持を催促)。そして、国内においては都議選の結果(稲田防衛省問題等で大きく自民党に逆風)、安倍政権を大きく動揺させる可能性があります。世論調査等の支持率が 30%台前半へ大きく低下すれば、安倍首相の求心力が一気に低下、安倍一強の反動もあり、自民党内からも反発の声が高まる可能性があります。これまで相対的政治環境の良好さが日本株にはポジティブでしたが、政治情勢の悪化による下落圧力を意識する展開を想定する必要があると思われます(外国人投資家動向に注意)。

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