FM 今週のポイント(6月 12日)

2017/06/12

*先週末は日経平均株価が再度2万円を回復しています(ただし、104 円高の日経平均に比べ、TOPIXは 1.25 ポイントの上昇。日経平均株価の上昇はソフトバンクとファーストリテの2銘柄の上昇で説明できるイレギュラーな株価上昇であり、日本株全般が物色された訳ではない。中型・小型株指数は前日比マイナスとなり、東証1部の騰落銘柄数も値下がり銘柄数が値上がりよりも多くなっている)。コミー前 FBI 長官の議会証言、ECB 理事会、そして英国総選挙等の大イベントを通過して安心感が広がったのでしょうか? コミー前 FBI 長官は8日に上院情報委員会の公聴会で証言し、トランプ大統領からフリン前大統領補佐官の捜査を中止する要請があったことに困惑したと語っていますが、こうした要請が司法妨害にあたるかどうかについて言及することは避けています。これまでのところ予想外の内容も「爆弾」発言も出ていません(証言中にドル円相場はややドル高傾向となったが、若干の安心感が広がったためと考えられる。トランプ大統領の行動が「不適切」であった以上のことを示す新たな情報が出てくる公算は小さく、司法妨害にあたるとの判断にも至らない可能性が高い)。ECB理事会では予想通り、緩和バイアスの修正が行われました(主要政策金利を予想通り据え置いた一方で、追加利下げの可能性に関する文言を削除、ユーロ圏景気が回復の勢いを増す中、ある程度タカ派的な姿勢を示した)。そして英国総選挙(EU 離脱問題などが争点になった8日投票の英下院(定数650)総選挙は、9日までの開票の結果、メイ首相率いる与党・保守党が議席を減らし、過半数(326)を割り込むこととなった)⇒保守党は第1党の座を維持しますが、事実上の敗北で、解散・総選挙の賭けに出た首相には想定外の裏目の結果となりました(メイ首相の責任論は避けられず、EU離脱交渉への影響も必至)。決して、安心感が広がるようなイベント通過ではありませんが、昨年来のテールリスクの顕在化に慣れたマーケットは動じませんでした。

*週末のNY株式市場はダウ工業株 30 種平均株価が3日続伸(前日比 89.44 ドル(0.4%)高の21,271.97ドル)して、2日以来1週間ぶりに過去最高値を更新しました。ただし、ナスダック総合指数が大幅反落しています(前日比 113.846 ポイント(1.8%)安の 6,207.918 で終え、下げ幅は5月 17 日以来およそ3週ぶりの大きさとなった)。特に、FANG と言われる「フェイスブック」(直近高値から 3.3%下落)、「アマゾン」(同 3.26%)、「ネットフリックス」(同 4.73%)、「グーグル(アルファベット)」(同 3.44%)等のナスダック指数(IT・ハイテク株群)を牽引してきた銘柄が利益確定売りに押されました。過度に上昇した反動調整で収まるのか?相場の転機になるのか?注視する必要があります。国内相場においても小型・グロース株優位シナリオを修正する必要が出てくる可能性もあります。ナスダックのチャートを確認すると、短期的には上昇3波の修正調整に過ぎず、最終(上昇)5波が残っている可能性が高いと思います。週初、国内小型・グロース株に調整色が強まることが想定されますが、冷静に対処したいと思います。

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