FM 今週のポイント(2月6日)

2017/02/06

*ついに、トランプ大統領が日本の通貨政策について難詰しました(1月 31 日のニューヨーク外国為替市場においてトランプ大統領が日本を名指し、「為替を操作して通貨安に誘導している」と述べて為替政策を批判したことを受けて、円を買ってドルを売る動きが急速に強まった:1ドル 112 円台前半)。日本当局の想定問答では日銀の量的・質的・マイナス金利政策はリフレ対策、景気対策であり、決して円安誘導政策ではない(2011 年の東日本大震災直後のドル買い介入を最後に直接的な通貨誘導対策を行っていない)⇒日本は為替操作国には当たらないという事になりますが、トランプ大統領が素直に認めるとは考えられません(実際に円安になっているのだから、為替操作に間違いない?)。

*円安基調が途切れると国内株式市場は途端に軟調ムードになり、投資家心理は疑心暗鬼に陥ります。1月 31 日に開催された日銀金融政策決定会合では金融政策の現状維持が決定されました(金融調節方針は、誘導目標である長期金利(10 年物国債金利)を「0%程度」とし、短期金利(日銀当座預金の一部に適用する政策金利)を「マイナス 0.1%」に据え置き。長期国債買い入れについては、保有残高の年間増加額の目処である「約 80 兆円」を維持。ETF、リートの購入も現状維持。)。ところが、債券マーケットは荒れています。2月3日には 10 年債利回りが一時前日比0.04%高い 0.15%と、日銀がマイナス金利政策の導入を決定した 2016 年1月 29 日以来の高い水準を付ました。金利急騰のきっかけは日銀が午前 10 時 10 分に発した買い入れオペの通知です。残存期間「5年超 10 年以下」の買い入れ額を 4500 億円と2月初回の買い入れ予定額(4100億円程度)から増額しましたが、前回1月 27 日の買い入れと同額にとどまったためと考えられています。最近利回りが急上昇していた超長期債の買い入れはなく、多くの参加者が金利上昇の抑制には不十分と受け止め、売りを急いだ格好です。背景にはマーケットの疑心暗鬼(トランプ大統領の圧力を警戒)があります。トランプ大統領は日本などの通貨安を批判する際に「資金供給」
という言葉を使っています。そのため日銀の金融政策まで批判されるのではないか、日銀は長期金利を0%近傍で固定化する政策を取れなくなるのではないかという懸念が浮上しました(結果的には指値オペによって一時、0.09%まで低下した)。債券利回りが想定を超えて上昇すると、これまでに何度も繰り返した VaR ショックが想起されます(多くの金融機関は国債などに投資する上で VaR(バリュー・アット・リスク)というリスク管理モデルを活用している⇒同モデルは相場の変動幅が拡大すると、保有可能額が強制的に縮小し、債券価格が一定の幅を超えて下落したことをきっかけに、売りが売りを呼ぶ展開となり、歴史的な暴落を引き起こした)。債券で損失を出した場合、含みのある株式で利益確定を行うことが常です。週末にかけての日経平均株価は債券利回りの上昇とリンクする形で売り込まれています(多少の円高に振れたことも要因)。今週以降の債券マーケットは日本株市場にとって要注意です⇒ポジション縮小の判断を機敏に行う必要があります(ただし、黒田総裁の信念を信じるとともに、日米首脳会談の成功を祈念しています)。

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