FM 今週のポイント(10月17日)

2016/10/17

*先週の日経平均株価は一時、17000円台を回復しましたが(9月7日以来)、大台を維持しきれずに週足陰線で終了しています。大勢的な方向感が定まっていないことに加え、2つのリスク要因が市場参加者を一段と消極的にさせているようです。リスク要因の一つは米国企業の業績です。米主要企業の先陣を切って米非鉄大手アルコアが11日発表した2016年7~9月期決算は市場想に届かず、米株式相場が大幅に下落しました(NYダウは200ドル超下落:一方、米長期金利は上昇基調⇒企業業績の悪化と金利上昇が重なると、株価の割高感は一気に強まり、警戒感が台頭)。アルコアは商流の「川上」に位置するうえ、決算発表の幕開けを告げる注目企業です。その利益水準は消費者に近い小売りや金融などの「川下」企業のみならず、欧州や日本、アジア企業の先行きを占う指標とされ、その後の業績 VS 株価の前哨戦としては極めて重要な位置づけです。現状のNYダウは史上最高値を付けた8月15 日の18668.44ドルから2.84%下落しており、10月10日に付けた直近高値の18399.96ドルからも1.42%低い水準です。このまま業績発表に絡んで下落(停滞)が続いた場合、12月に想定される政策金利の引き上げも不透明となり世界的なリスクオフの懸念が高まる可能性があります。

*もう一つが中国リスクです(日米企業業績とも密接に絡む要因)。中国税関総署が13日発表した9月の貿易統計によると、輸出は前年同月比10.0 %減の1845億ドル(約19兆円)となりました。今年2月以来7カ月ぶりの大きな減少幅を記録しています(輸出不振が続けば景況感悪化懸念が台頭:輸出の前年割れは6カ月連続。8月に2年ぶりの増加となった輸入は、再びマイナスに転じた)。中国では内需 の低迷を製造業の輸出でカバーする状況となっていますが、製造業の苦境が長期化すれば、大量の失業者が出る事態を招きかねず、今後、中国当局が輸出支援を狙った人民元安誘導を一段と進める可能性があります。実際、人民元の対ドル相場の下落が加速しており、6年ぶりの元安・ドル高水準にあります(現状は中国政府の思惑よりも英国のEU離脱姿勢を不安視した英ポンド売りや、米国の年内利上げ観測などが背景とみられ、さらなる人民元安への懸念は強い)。昨年夏、今年初には人民元安が世界的な金融・資本市場の混乱につながった例があり、マーケット では警戒感を高めやすい状況にあります。景況感悪化=人民元安=海外への資本逃避が懸念される中で、注目される中国の外貨準備は8月末には3兆1900億ドル(前月比159億ドル減少)となり、2011年の水準まで落ち込んでいます。外貨準備の減少は中国人民銀行の資産減となり、世界の過剰流動性モメンタムの減退に繋がります。このパターンは今年2月の世界的なリスクオフと同様であり、12月の米国利上げへ向けたプロセス上、要注意です。ただし、2月と現状の違いは原油等の資源価格が上昇していること、中国経済も金融緩和の効果から一応は底打ちしている状況にあること(前述の貿易統計は景況感、回復の弱さを示唆するもので悪化を示すものではない)を考えると現状での過度な悲観論は禁物です。

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