FM 今週のポイント(3月22日)

2016/03/22

*3連休明けは毎年株高のアノマリーがあります。期末を意識した需給が主要因と思われます。3連休明けの22 日から年度末31 日まで残り8営業日における日経平均株価の騰落率を上昇は「勝ち」、下落は「負け」として星取表にしたところ、過去15 年間は11 勝4敗、平均騰落率は1.72%の上昇です(月別に月末までの8営業日間の勝敗と平均騰落率を比べると、最もパフォーマンスが良かったのは12 月の13 勝2敗で平均騰落率は2.83%の上昇だった。3月はこれに次ぐ成績)。例年3月SQと特定金外信託決算日の最終売買日までの間で国内金融機関の期末対策(益出し&ポジション調整)は概ね終了することから、若干の買いフローで上昇しやすい時季と言えます。世界的なミニリスクオンを反映して先週で外国人投資家の売りが一段落した可能性が高いことを考えると今年もアノマリーが健在だと思います。

**先週までに日欧米の中央銀行が相次いで金融政策を決定しています。ECB は大規模な金融緩和に踏み切り、FRB は年内の利上げペースを年初想定の4回から2回に留めることを示唆しました(FOMC メンバーによるドットチャートから)。日銀は追加緩和はありませんでしたが、状況推移によっては断固たる措置を講ずる(追加緩和)姿勢を強調しています。3極中央銀行のスタンスを受けて世界の金融株式マーケットはミニリスクオンの状況となりました。NYダウは週末にかけて6日続伸、週間で2%強の上昇となりました。ドイツ株式市場(DAX)も1%上昇しています。一方で日経平均株価は4日続落し、週間で1%の下落を見ました。この欧米株価とのデカップリングの理由は円高進行です。FOMC で米利上げペースの緩やかさが確認されるとドル円相場は一時、110 円台まで円高が進みました。来年度期初の業績ガイダンスが気になる時期に110 円台までの円高はマーケット参加者の懸念を大きくさせたものと思われます。しかし2月のリスクオフによる円高と現状の円高は違います⇒リスクオンによる世界マーケット安定は円高傾向を限定化させるものと思われます。

*先週は新聞誌上でも17 年4月の消費税再増税の延期観測が浮上しています。マーケットにおいては随分前から取りざたされている材料ですが、安倍首相が正式に検討を始めたとなれば株価水準を引き上げる大きな要因となります。特に外国人投資家にとっては真水5兆円の景気刺激策とともにショートカバーのトリガーを意識する大きな材料足りえます。おそらく期末の株価水準を意識して今週中にも本格的な再増税延期の議論がスタートするものと思われます。

*いよいよ期末に向けた特異相場のスタートです。来期のパフォーマンス向上のためにも大事な8日間になります。

 

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