FM 今週のポイント(3月30日)

2015/03/30

*期末の国内株式市場は楽観論一辺倒では見通せない複雑な様相を呈してきました。先週はTOPIX の10週連続上昇の記録が途絶え、配当落ち分を即日埋め合わせることができませんでした。後場開始直後までは日経平均株価が100円以上の上昇を見せ、余裕の配当落ち分即日埋め合わせが実現できると考えていましたが、13時以降、相場状況が急変、先物を中心に大口の売り物が断続的に出現、一時は400円近い下落幅となりました。おそらく前日から手口が目立っていた欧州のヘッジファンドを中心とした短期投資家のグローバルにおけるポジション調整の結果だと思われます。NY株式市場ではNYダウが4日連続安に見舞われ、SOX指数が急落、バイオ株を中心としたモメンタム系が瀕死の状況になりつつあります。背景の説明としてドル高による米国企業収益の減退が挙げられています。また、耐久財受注等の景気指標が悪化、1-3月期のGDP下振れが懸念されており、ドル高継続を前提としたストラテジーに齟齬が生じつつあるとの説明が目につきます。至極、真っ当な説明だと思いますが、よく考えてみれば、昨年の今頃も米国ではモメンタム株の急落が話題になっていました。背景は利上げ懸念です。今回も全く同様で利上げの時期が近づいていることを意識して(3月のFOMCで早ければ6月の利上げ開始の可能性が生じた)、上昇しすぎているモメンタム株の調整が始まったものと考えられます。米国経済、企業業績については慎重に見極めていかなければなりませんが、依然として良好な回復過程を辿っていると思われます(FRBが利上げを急ぐほど加速しているわけでは無いが、次の一手が引き締めであることは間違いない)。

*焦点となる米国経済を占う上で注目される3月雇用統計が今週末に発表されます。非農業部門雇用者数増加は25万人程度と順調に拡大することが見込まれますが、より注目されるポイントが 平均時給の伸びです。2月は前月比0.1%、前年同月比2%の伸びでしたが、リーマンショック時を含む08年の平均が3.2%で大きく見劣りしています。3月も前年同月比2%の伸びが予想されており、FRBが利上げに前のめりになることは無いと思われます。<緩やかな景気拡大=利上げ時期の後ろ倒し>という構図がこれまでのように金融市場を安定化させ米国株を下支えするのか、はたまたドル安を加速させ波乱に導くのかマーケットの反応を注視したいと思います。

*日本株の長期上昇相場が継続する背景は新年度も変わりません。最大の要因は日本企業の変化です。100兆円近い現金を有効に活用しようと考え始めています。成長企業であれば(既存事業に高いリターンが見込める)設備投資を積極化し、さらに同業のM&Aを活発化するでしょう。既存事業が成熟化して高成長が期待できないのであれば、新規事業に進出するかもしれません。また、資金の有効活用が思いつかない企業は配当を増やし、自社株を消却することで株主に還元することになります。結果としてROEが8%を超えて近い将来10%に迫る場面が想定されます。また、中期的には世界標準である12%~15%を目指す企業が続出するものと思われます。いずれにしても日本企業が変化する過程が上昇相場を演出することになります。

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