FM 今月のポイント(2015年3月)

2015/03/02

*日経平均株価が15 年来の高値を更新しています(2月末は18797.94 円)。20 年移動平均線(MA)も9年ぶりに上向き、長期トレンドが完全に転換したことを意味します。そうは言っても過熱感はもとより、高値更新の盛り上がり感が無い印象です⇒売買代金も東証1部ベースで2兆 5000 億円前後の日々が続いていました。物色動向も出遅れ、割安が中心で、先駆していた好業績優良銘柄は利益確定売りに押される場面が目立っていました。個人投資家も機関投資家も海外投資家も総じて収益が上がり難い相場状況であったと言えます。ただし、15 年ぶりの高値という事実は重いと思います。目先の上げ下げ、物色動向よりもこの時期においてトレンド転換が起こったことをよくよく考えてみる必要があると思います。

*25 日にはイエレンFRB 議長の議会証言がありました。今年の焦点として、米国の利上げ時期が語られますが、議会証言を聞く限り、早期の利上げは困難だろうと思われます。FRB が目指すCPI の目標は日銀同様2%ですが、現状のCPI 総合指数は0.8%です⇒イエレン議長は原油下落の影響が限られるコア指数ではなく、総合指数をベースに語っていました⇒当面、原油価格の反騰は望めず、CPI 総合が上昇基調を維持することは難しいものと思われます。また、表面的な失業率等は順調に改善を続けていますが、いわゆる労働の質の問題は依然として気がかりです⇒平均時給が上がってきません(1月は前年同月比2.2%増と12 月の1.7%増から改善:イエレン議長が良く言及するリーマンショック前の3.5%レベルに大幅に届かない)。日欧の異次元緩和が続く中で米国の利上げも後ずれすると考えると現状の過剰流動性相場が想定よりもスケールアップする可能性が高いと思われます。

*国内株式需給も大きな相場上昇要因です。まず、失われた20 年を演出した国内金融機関の持ち合い解消がほぼ終了しています。株価が上昇したとしても銀行・生保等の国内金融機関からの売り圧力はほとんどありません(一部金融機関では金利上昇リスク回避のために株式資産の積み増しに動いている)。買い需要は旺盛です⇒国内株式比率を大幅に高めたGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)を始め、準公的年金がポートフォリオを構築中です。異次元緩和にともなう日銀のETF 買いも継続です。NISA、DC経由の個人投資家の新規資金も入ってきます。そして、ここにきてドル建て日経平均株価が昨年来高値を抜けたことから海外モメンタムプレーヤーの資金シフトも活発になった模様です(i シェアーズMSCI ジャパン等の米国における主要な日本株ファンドに純資金流入がみられた)。

*そして、日本企業の意識変革も重要な要素です。株主還元率(自社株消却、増配、株主優待)を気にかける企業が多くなってきました。ROE 等の目標もスッキリと出せる企業が増えました。今後は余分なキャッシュを削る等の効率化を図る企業が続出するものと思われます。15 年ぶりの高値、20 年MA の上向き転換が2015 年2月に示現した意味は確かに感じることができます。3月末は上昇すると思いますが、長期上昇相場の通過点に過ぎないと考えます。

 

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