ユーロ圏の7月景況感について

2018/07/26
  1. 7月のIFO指数は14ヵ月ぶりの低水準でした。ただし、各種指標から景況感悪化は一巡する方向です。
  2. 順調な景気拡大は続くものの、貿易摩擦激化の影響で、ペースはやや鈍化すると見込まれます。
  3. 政治・経済的なリスク増大でユーロは反発しましたが、当面はレンジでの相場展開が予想されます

バラつきあるも総じて悪化一巡へ

7月のユーロ圏景況感指標は、全体的にはやや弱い状況です。CESifoが発表したドイツ企業景況感指数(IFO指数)は前月比-0.1の101.7と、14ヵ月ぶりの低水準となりました。ただし、5月以降低下は小幅となっており、景況感の悪化は一巡しつつあります。

また、PMI(総合)は前月比-0.6の54.3、ZEW指数(期待)は同-6.1の18.7、センティックス指数(総合)は同+2.8の12.1と、各種指標の動きにはバラつきが見られます。ZEW指数が市場関係者のユーロ圏景気に対する先行き不安を示す一方、足元の活動も考慮したPMIとセンティックス指数は、実際の企業活動が底堅いことも示しています。総じて、春までの景況感悪化は一巡する方向です。ただし、貿易摩擦激化の影響から景気拡大ペースはやや鈍化すると考えています。

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◇ZEW指数:ドイツの調査機関ZEW(欧州経済研究センター)がアナリスト、機関投資家、市場関係者に対するアンケート調査を基に算出

☆センティックス経済信頼感指数(本文では「指数」に省略):ドイツの調査会社センティックス社が個人投資家、機関投資家に対するアンケート調査を基に算出

プラスマイナス両要因が拮抗

ユーロ相場は、米金利上昇を受け、5月下旬まで対ドル、対円で下落傾向にありました。しかし、貿易摩擦激化で政治・経済的なリスクが増大し、ドル高の勢いがそがれ、相場は落ち着いています。

ユーロ圏は、金融政策正常化(政策運営が金利操作主体に戻ること)の方向にあるものの、米国に比べると依然慎重で、これはユーロ安要因になると考えます。しかし、景気循環の終盤が近付く米国に対し、ユーロ圏はまだ中盤と見られること、政治・経済的リスクの解消には時間が掛かると見込まれることから、こちらはドル安要因と見られます。これらを総合すると、ユーロの反発は一巡し、当面は狭い範囲で上下するレンジでの相場展開を予想します。

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