6月の豪金融政策について~豪ドル相場の当面の展望

2018/06/06
  1. 政策金利は1.5%で据え置きでした。低インフレと個人消費の先行き不透明感から低金利を維持します。
  2. 経済の持続的な成長とインフレ目標到達へ向け、現行の金融政策スタンスは当面続くと見込まれます。
  3. 米金利上昇から豪ドルの上昇余地は小さいものの、商品市況が底堅く、下値不安も小さいと思われます

現行スタンス継続

5日、RBA(Reserve Bank of Australia、オーストラリア〔豪〕準備銀行)は定例理事会で、政策金利であるキャッシュレートを1.5%に据え置きました。16年8月の利下げ以来の据え置きが続いています。

国内景気は緩やかな拡大が続いています。インフレ率は、MI_CPIを見る限り、インフレ目標の下限(+2%)近くを推移していると見られます。RBAは年内にもCPIが目標下限の+2%を小幅ながら上回ってくると見ています。また、賃金コストの低位な伸びが続いていると共に、可処分所得に対する住宅債務の比率が過去最高水準で推移するなど、個人消費の先行きには依然不透明感が残っていると判断しています。RBAはこうした状況に鑑み、現状の政策金利の水準を維持することは適切としており、当面は現行の金融政策スタンスを続けると見込まれます。

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消極的選択の対象

豪ドル相場は、対米ドルでは、米ドル金利上昇と動きの鈍い商品市況を背景に軟調に推移していました。足元では、商品市況が小幅ながら回復に転じたこともあり、底堅く推移しています。

豪ドルにとって、引き続き難しい投資環境にあることは変わりありません。米ドル金利は豪ドル金利を0.2~0.3%上回っており、米ドル資産へ投資資金がシフトしやすい環境と思われます。しかし、豪ドルは当面底堅く推移すると見ています。新興国通貨、資源国通貨が対米ドルで弱含む中、豪ドルは資源国通貨ながら先進国通貨の側面も持っていることから、質への逃避の動きもみられる中で消極的に選択されやすい局面にあると考えます。

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