3月のISM景気について~最近の国際情勢の影響は?

2018/04/05
  1. PMIが前月比-1.5ポイント、NMIが同-0.7ポイントと、双方低下も水準は高く、景気は依然好調です。
  2. 鉱工業生産が1516年の景気減速局面以前の水準をほぼ回復するなど、企業活動は順調です。
  3. 米中の貿易摩擦激化が先行きに影を落とすものの、景気に対する影響は限定的と考えられます

安定成長下の高水準は変わらず

ISM(全米供給管理協会)は2日にPMI、4日にNMIの3月値を発表しました。PMIは前月比-1.5ポイントの59.3、NMIは同-0.7ポイントの58.8でした。1~2月に両者は、安定した成長とインフレの経済体質になった90年代以降では最高に近い、60前後の水準を付けた後の低下であり、高水準であることは変わらず、米景気は依然好調です。

PMIの構成指数は、今回はすべて低下し、NMIは実際の企業活動の動向に近い活動指数と新規受注指数が低下し、活動が一服した様子が見られます。しかし、鉱工業生産指数は2月時点で、15~16年に米国景気がやや減速した局面以前の水準をほぼ回復するまで拡大しており、景気の勢いを示すISM景気指数もさることながら、企業の活動水準自体も高いことが分かります。なお、NMIの雇用指数が上昇したことは3月も雇用環境が改善したことを示唆していると思われます。

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貿易摩擦からくる景気先行き不安は行き過ぎ

なお、アトランタ連銀が発表しているGDP Nowで見ると、1-3月期の実質GDP成長率は、PMIまでを織り込んだ4月2日時点で+2.8%と、10-12月期の景気の勢いが続いていると推計されています。

最近は、米中の貿易摩擦が激化し、景気先行き不安が台頭しかねない状況です。しかし、米国の輸出入の対GDP比(実質)は約15%、うち対中に限ると5%未満です。さらに制裁対象(5兆円強)は対中貿易額の約10%なので、対GDP比は0.5%に満たなくなります。二次効果等を考慮する必要はあるものの、米国の景気を大きく下押すリスクは小さいと考えられます。

※各経済指標から経済成長率(前期比年率)を試算

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