インドの17年10-12月期GDP~高成長戻る

2018/03/01
  1. 実質GDP成長率は前年同期比+7.2%でした。5期ぶりの+7%台で、高成長を取り戻しつつあります。
  2. 改革の一時的な景気減速圧力を乗り越え、内需主導の成長となっています。設備投資が堅調です。
  3. 輸入増から通貨ルピーは弱含みも高成長が下支え、株価は世界的な下落以降は底堅く推移しそうです

企業の設備投資が堅調

2 月28日、インド統計計画実行省が発表した17年10-12月期の実質GDP成長率は、前年同期比+7.2%でした。+7%台に乗せたのは16年7-9月期以来5期ぶりとなり、主な新興国では最も高い成長となりました。

インド初の統一的な間接税であるGST(財・サービス税)や突然の高額紙幣廃止など、改革に伴う一時的な景気減速を乗り越え、インド経済は活気を取り戻しつつあります。今回は固定資本投資が前年同期比+12.0%と高い伸びとなり、政府のインフラ投資と共に企業の設備投資が活発化したと見られます。これは景気減速をもたらした改革が効果を表してきたものと考えられ、中長期的な内需押し上げの原動力になると期待されます。アムンディでは、18、19年と+7%程度の高成長が続くと予想しています。

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カギはインフレのコントロール

一方、市場は、2月初め以降の世界的な資本市場の混乱の影響を受け、ルピーは下落、株価も年初来高値からの下落率が一時7%を超えました。ルピーは円高・ドル安の影響も加わり、対円相場の下落率は8%を超えています(対ドルでは約3%の下落)。

ルピー下落は、インドの好調な内需が輸入を増加させたことも一因と考えられます。今後、高成長に伴うインフレ進行をコントロールできるかが相場安定のカギです。金融当局は、現在引き締めを示唆していませんが、インフレ率が目標(現在は+4±2%)の範囲ならば、高成長が好感され、ルピーは選好されやすいと思われます。一方、株価は、足元の下落で、主要新興国ではやや割高感があった状態が和らぎました。今後、改革の成果による経済の効率化で高成長が維持されれば、株価下落の余地は限られ、業績拡大期待を背景に底堅く推移すると思われます。

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