9月の米国雇用統計について~金融政策への思惑は?

2017/10/10
  1. 非農業部門雇用者数は前月比-3.3万人でした。ハリケーンの影響から、7年ぶりの減少となりました。
  2. 失業率が4.2%、平均賃金が前年同月比+2.9%と好調で、労働需給ひっ迫の影響が出てきています。
  3. 現在の金融政策スタンスに対する信頼度が上がったと見られ、ドル、米長期金利は下支えられそうです

集計方法の違いから結果に差

6日に米労働省が発表した9月の雇用統計では、非農業部門雇用者数は前月比-3.3万人でした。ハリケーン「ハービー」と「イルマ」の被害が大きく影響しました。05年8月末頃にハリケーン「カトリーナ」が大きな被害を出した時も、05年9月の速報値は前月比-3.5万人でした(現在、確報値は同+6.7万人)。当時、再び前月比+10万人を超えたのは05年11月でした。 一方、失業率は前月比-0.2ポイントの4.2%でした。非農業部門雇用者数とは集計方法が違うことから、こちらは雇用環境のさらなる改善が示されました。これは、ハリケーンの被害が一時的であることを示していると思われます。ただし、05年当時にならうと、今後1、2カ月は回復度合いを確認する必要があります。

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※失業率は「家計調査」、非農業部門雇用者数や賃金は「事業所調査」に基づく。いずれも、12日を含む週が調査対象期間となっているが、後者が当該期間で賃金を受け取った者のみが対象であるのに対し、前者は賃金と関係なく就業している状態ならば失業者にはならない。

金融政策スタンスへの信頼度向上

民間企業時間当たり平均賃金(以下、単に賃金)は前年同月比+2.9%と、16年12月以来の高い伸びとなりました。7、8月共に同+2.5%でしたが、それぞれ同+2.6%、同+2.7%へ上方修正されました。 最近数カ月で賃金の伸びが上がったのは、雇用者数の60%強を占める中位時給業種(製造業とサービス産業の半分程度)の回復によります。労働需給のひっ迫で、賃金増加の裾野が広がり、今後のインフレ押し上げが期待されます。市場は、失業率と賃金の動向を現在の雇用環境のトレンドととらえ、発表後一時的にドル高・円安、長期金利上昇に振れました。年明け後の利上げの方向性について依然慎重なことから、現在はほぼ発表前に戻っていますが、FRB(米連邦準備理事会)の金融政策スタンスに対する信頼度は上がったと考えられ、ドル、米長期金利の下支えに寄与すると思われます。

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☆ここでは、20ドル台(14年末時点)としている。

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