8月のISM景気指数について~金融政策への影響は?

2017/09/07
  1. PMINMI共に上昇しました。製造業の強さが目立ったほか、雇用環境の良好さが再確認されました。
  2. 全体的には緩やかな景気拡大方向に変化ありません。経済指標との動きともほぼ整合します。
  3. 年内利上げに前向きになる環境とは言いにくく、市場の評価も12月の利上げ確率は30%台です。

落ち込みは一時的、底堅い消費を反映

ISM(全米供給管理協会)は、1日にPMI、6日にNMIの8月分を発表しました。PMIは前月比+2.5ポイントの58.8、11年3月以来の高水準でした。NMIは同+1.4ポイントの55.3でした。PMI、NMIの生産ウエイトによる加重平均は、7月のマイナス幅の半分を戻し、景況感の落ち込みは一時的であることが示されました。

PMI、NMIの構成指標で目立ったのは、雇用指数の上昇が大きく、雇用環境の良好さが改めて示されたことです。また、PMIでは在庫指数の上昇が目立ち、在庫の積み上がり→先行き生産抑制が懸念されますが、製品需給のひっ迫度合いを示す納品指数も上昇しており、在庫積み上がりではなく、需要増に応じた在庫積み上げの意味合いが濃いことがうかがわれます。また、NMIでは、企業活動指数、新規受注指数といった足元の活動の改善が目立ちました。小売業や経営管理サービス業などの業況が好調で、個人、企業双方の消費活動の底堅さが反映されたと見られます。

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利上げに慎重な政策運営が示唆される

ISMが分析しているPMI、NMIと実質GDP成長率との関係に基づき、足元の成長ペースを試算すると、年率+2.6%でした。一方、アトランタ連銀発表のGDP Nowは、9月6日時点で+2.9%と、ほぼ同水準です。                                                ※各経済指標から経済成長率〔前期比年率〕を試算

これは、米国が緩やかな成長を続け、インフレ率も低位にとどまることを示唆するものと見られます。金融当局にとっては、利上げに前向きになりにくい状態になってきていると思われます。FF金利(政策金利)先物から算出される、年内の利上げ確率は30%台にとどまっており、市場は利上げに慎重な見方が多数派です。

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