豪金融政策は引き続き様子見~豪ドルの展望

2017/09/05
  1. 政策金利は1.5%で据え置きです。豪ドル高警戒も、国内経済の安定から引き続き様子見です。
  2. 雇用環境は良好ながら賃金の伸び低く、住宅債務増大が消費の頭を抑えることが懸念されています。
  3. 好悪双方の材料が混在する中、豪ドルは商品市況の回復に支えられ、当面は底堅く推移しそうです。

足元の安定を追認

RBA(Reserve Bank of Australia、オーストラリア〔豪〕準備銀行)は、本日定例理事会を開き、政策金利のキャッシュレートを1.5%で据え置きました。16年8月以来、据え置きが1年を超えて続いています。

国内景気は緩やかな拡大が続いています。特に企業の景況感が好調で、8月の製造業PMIは約15年ぶりの高水準でした(59.8、02年5月の62.1以来)。一方、消費マインドは伸び悩んでいます。17年4-6月期の賃金コスト指数は、前年同期比+1.9%と、1-3月期に並んで過去20年で最低となったほか、住宅ローンの返済負担が消費の頭を抑えるリスクが指摘されています。RBAは過度な豪ドル高と家計債務の増加を懸念していますが、持続的な景気拡大の下でインフレ率が目標へ向かう流れは変わらないと見ています。

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商品市況との連動性高まる

豪ドルは対米ドル、対円双方で底堅く推移しています。米国で、年内利上げ期待がやや後退していることで、投資資金の流出リスクが縮小したこと、商品市況の回復などが要因として考えられます。

最近1年ほど、商品市況との連動性が下がっていましたが、最近数カ月は連動性が高まっています。これは、原油価格の動きが小さくなり、金属など他の品目の影響度が高まったためと思われます。最近は鉄鉱石、銅、アルミなどの市況が好調であり、豪ドルを押し上げていると見られます。当面は、金融政策は大きな材料とはならず、中国の活発なインフラ投資が金属への需要を下支えし、豪ドルにとって支援材料になると期待されます。

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