4月の雇用統計について(米国)

2017/05/08
  1. 非農業部門雇用者数は前月比+21.1万人でした。民間サービス業の増加ペースが戻りました。
  2. 失業率は10年ぶりの4%台前半となり、労働需給ひっ迫による賃金押し上げの圧力が高まっています。
  3. 賃金は足元で加速しあぐねていますが、年内に+3%に乗せることは不可能ではないと思われます。

まだ100万人の労働市場再参入も

5日、米労働省が発表した4月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は前月比+21.1万人、失業率は同-0.1ポイントの4.4%でした。3月の雇用者数増加幅の急激な縮小は一時的なものでした。また、失業率が4%台前半となったのは07年5月以来、約10年ぶりのことです。

3月に増加幅が縮小した一部のサービス業の雇用者数が大きく増加したほか、小売業が3カ月ぶりに前月比プラスに転じ、全体を押し上げました。また、失業者数が705.6万人(前月比-14.6万人)と、07年6月以来の700万人割れに迫りました。労働需給はひっ迫の度合いを増しており、賃金押し上げの圧力が高まっています。ただし、就職の意思がない非労働力人口(9,437.5万人)のうち、潜在的な求職者が570.7万人います。10年前は479.4万人であったのと比べると、まだ100万人、労働市場に再び参入してくる可能性があります。

20170508b

伸び切らない賃金だが・・・

民間企業の時間当たり賃金は前年同月比+2.5%と、2カ月連続で鈍化しました。伸び率上昇のトレンドは崩れていないと思われますが、足元では伸び切らない状況です。

この一因として、潜在的な求職者が控えていることが挙げられます。これに対し、現在の就業者の増加ペース(年間で220万人程度)から、人口増加に伴う新たな求職者増加(年間180万人程度)を差し引いても年間40万人の吸収余地があります。潜在的な求職者は年間10万人程度の減少であり、吸収は可能です。こうした需給構造を考えると、今後も賃金の伸び率が上昇し、年内に前年同月比+3%台に乗せることも不可能ではないと思われます。

20170508c

アムンディ・マーケットレポートはこちら

http://www.amundi.co.jp/report/list.html

アムンディ・ジャパン株式会社
アムンディ マーケット・レポート   アムンディ・ジャパン株式会社
グローバル経済、金融政策、マーケットなどの動向、展望を、投資家の皆様に向けてタイムリーに分かりやすく解説します。本体であるアムンディ・パリからの経済、市場等の見通しも随時ご紹介します。
当資料は、アムンディ・ジャパン株式会社(以下、弊社)が投資家の皆さまに情報提供を行う目的で作成したものであり、投資勧誘を目的に作成されたものではありません。当資料は法令に基づく開示資料ではありません。当資料の作成にあたり、弊社は情報の正確性等について細心の注意を払っておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に記載した弊社の見通し、予測、予想意見等(以下、見通し等)は、当資料作成日現在のものであり、今後予告なしに変更されることがあります。また当資料に記載した弊社の見通し等は将来の景気や株価等の動きを保証するものではありません。

アムンディ・ジャパン株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第350号
加入協会:一般社団法人 投資信託協会/一般社団法人 日本投資顧問業協会/日本証券業協会/一般社団法人 第二種金融商品取引業協会

このページのトップへ