2月の「街角景気」について(日本)

2016/03/09
  1. 現状判断DIは前月比-2.0ポイントで2カ月連続低下、急速な円高、株安が影響したと見られます。
  2. 先行き判断DIは同-1.3ポイントでした。市場の混乱が、景気の先行き不安を増幅したと思われます。
  3. 所得環境改善の遅れでマインド改善は緩慢ですが、市場心理の落ち着きが後押ししそうです。

市場との連動性の高さが鮮明

「街角景気」は、正式には景気ウォッチャー調査といい、小売店員、サービス業者、中小企業主など、全国2,050名の「景気ウォッチャー」によって、経済の末端の景況感を測ったものです。5段階で景気の現状、先行きを評価し、判断DIを集計します。50が景気に対する中立点です。

8日、内閣府が発表した2月調査は、現状判断DIが前月比-2.0ポイントの44.6、先行き判断DIが同-1.3ポイントの48.2でした。大幅な円高、株安が進行し、企業業績に対する先行き不安が台頭したことから、景気全般に対する慎重な見方が増えたことで、ほぼ全項目にわたってマインドが低下しました。

DIは元々株価との連動性が高い傾向にありましたが、14年の消費税増税の影響でマインドが上下に大きく振れ、連動性が落ちていました。しかし、15年前半以降は連動性が再び高まっており、年初からのマインド悪化は世界的な株安との関係が強いと思われます。

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一部セクターを除き不安心理引きずる

所得環境の改善が遅れているため、今後のマインド回復は緩慢と見込まれます。ただし、G20で景気優先の方針が確認され、国内で景気対策期待が高まっているほか、一部不安視されていた米国経済は、雇用統計などで底堅さが示されました。また、原油価格も反発しており、市場心理は一頃よりは落ち着いています。これは、さらなるマインド低迷を押しとどめると同時に、今後の改善を後押しする方向に働くと期待されます。

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※DI(ディフュージョン・インデックス):相対する回答の全回答に対する割合の差をとり、多数派意見の「多数の度合い」を見る指標

 

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