1月の米国物価指標~再利上げの時期は?

2016/02/22
  1. 1月のCPI(消費者物価指数)コア指数は前年同月比+2.2%、原油安効果が剥落し始めています。
  2. インフレ率は景気実態に遅れて出てくる傾向があるため、プラス幅は当面拡大方向と見込まれます。
  3. PCEの+2%台への復帰にはまだ時間を要しそうです。再利上げは年1回程度と予想されます。

原油安効果の剥落がまた一歩前進

2月19日、米労働省が1月CPIを発表しました。中心指標であるコア指数は前年同月比+2.2%でした。サービスコア指数が08年10月以来の+3%台となったほか、財コア指数も同-0.1%とマイナス幅が縮小し、全般的に底上げされました。

1月は原油安の影響で、ガソリン価格(全米平均)が約7年ぶりに1ガロン(約3.8ℓ)2ドルを割り込みました。しかし、エネルギー指数は前年同月比-6.5%と、14年11月以来1年2カ月ぶりにマイナス幅が1ケタとなりました。原油価格の下落ペースが落ちてきたことが、コア指数にも反映されてきたのではないかと思われます。足元の国内需要の伸びは今一つですが、インフレ率は景気実態に遅行する傾向があり、プラス幅拡大は当面緩やかに続くと見込まれます。

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早期の再利上げは難しく、年内1回程度

一方、FRB(米連邦準備理事会)が政策を判断する際のインフレ指標としているPCE(個人消費支出)価格指数(総合)は15年12月時点で前年同月比+0.6%となっています。やはり原油安の影響が剥落してきています。

しかし、15年10-12月期の実質GDP成長率が前期比年率+0.7%にとどまるなど、足元で景気減速懸念が強まっています。したがって、3月FOMC(米連邦公開市場委員会)での再利上げは難しく、6月に1回実施し、その後は情勢に応じて判断されると思われます。

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※PCE価格指数は、CPIよりも上昇率が低めに出る傾向があります。これはPCEが、より現状の消費行動を反映して算定されるからです。ちなみに、1960~2015年の前年同月比の平均値を見ると、CPIコア指数の+3.8%に対し、PCE価格コア指数は+3.4%でした。

 

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