戻り基調の一服と中国の注目イベント

2015/10/16

今週の国内株市場ですが、日経平均は18,000円台前半のもみ合い展開でスタートしました。9月末にかけて急落した相場の反動をはじめ、米利上げ観測の後退や、日銀の追加金融緩和への期待、原油価格の復調などを受けた戻り基調を引き継いだ格好です。ただし、その後は軟調ムードが漂い始め、とりわけ水曜(14日)には節目の18,000円台を下回ってしまいました。また、先週に回復した25日移動平均線も再び下抜けてしまいましたが、翌15日(木曜)はこの水準を意識したもみ合いでスタートしており、踏ん張りどころの印象です。

戻り基調が一服し、日米の決算シーズン本格化による業績にらみの状況の中、相場のムードを悪化させたきっかけのひとつとして、13日に公表された中国の貿易統計(9月分)が挙げられます。貿易黒字額は市場予想を大幅に上回ったものの、それは輸入額が想定以上に減少(前年比で-17.7%)したことが背景にあるため、中国が資源などのモノを買わなくなった、つまり中国経済の縮小と受け止められました。

この指標を受けた日米欧の主要な株価指数の初期反応は下落でしたが、一方の中国上海総合指数は前日比でほぼ横ばいながらもプラスを維持しました。結果が悪かった分、中国当局による経済政策への思惑が相場を支えたと思われます。また、中国の貿易統計が公表されたこの日、来年から始まる新5カ年計画について討議されると見込まれる「5中全会(中国共産党中央委員会第5回全体会議)」の日程が10月26日から29日にかけて開催されるとの発表があり、タイミング的にも政策期待が高まりやすかったと言えます。

中国では来週(10月19日)に7-9月期のGDPの公表が予定されているほか、11月にはIMFが人民元を特別引き出し権(SDR)に採用するかどうかの判断が行われます。また、12月にはより具体的な中国の経済政策の方針が話し合われる中央経済工作会議も開催されるなど、イベントが盛りだくさんです。

前回の米FOMCでは利上げの実施が見送られましたが、市場では中国経済が意識されたためという見方もあり、中国の情勢は米国の利上げ観測への思惑につながりやすい材料にもなっているため、何だかんだで中国が注目される場面が今後も増えそうです。

 

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楽天証券経済研究所 土信田 雅之が、マクロの視点で国内外の市況を解説。着目すべきチャートの動きや経済イベントなど、さまざまな観点からマーケットを分析いたします。
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