4月前半の調整を、今から考えておく。

2015/03/23

▼4月前半の調整リスク。
これは、かねてから折りにふれて解説していることですが、4月に入ると、国内機関投資家がまず、年度初めに利益確定の売りから運用をスタートする公算が高いでしょう。
その前、3月の段階で上がっていればいるほど、その確率は高まります。
そして、現実にそういう状況となっているわけですから、4月の序盤の相場には充分注意する必要があります。
場合によっては、GW前という日本独自のカレンダースケジュールのこともありますから、別に大幅下落にならなかったとしても、いったんポジションをすべて外して利益確定優先という判断をすることも考慮したほうが良いでしょう。
5-6月については、相場の中味ががらっと変わる可能性があるわけで(米国の利上げが、6月にしろ、9月にしろ、目前です)、仕切りなおしをするべきでしょう。
黄金銘柄リストとチャンピオン銘柄リストでは、いったん6月末を以って、半期ベースの区切りとしたいと思っています。
状況によっては(上記のように、4月でいったん全ポジションを外し、オールキャッシュ化する場合は)、その時点で、いったん今年前半の仮想運用の区切りとして、改めて、再スタートを切ろうと思っています。

▼4月前半が鬼門である、もう一つの理由。~需給。
4月前半を、通常の月間のアノマリーより、ことさら当レポートが警戒しているもう一つの理由は、需給です。
制度信用の観点から見ます。
日経平均で過去半年の一番安かったところは、昨年10月17日の14529円でした。
ここが起点としますと、売り方の絶対期日は6ヵ月後ですから、4月16日ということになります。
需給はそんなに単純ではありませんが、敢えて単純に考えましょう。
そうすると、この最後の売り方が手仕舞い完了する(あるいはロールオーバーする)4月16日までには、日経平均は天井をつけてしまうという仮説が成り立ちます。

(日経平均の絶対期日) ・・・図表割愛

これは存外馬鹿にならない時間軸ですから、警戒するに越したことはありません。

▼4月区切りとなる銘柄の例。
日経平均がそうした期日を持っていますから、現在上昇トレンドを歩んでいる多くの銘柄群にも、似たようなことが言えるわけです。
それぞれの銘柄の、過去半年の安値がどこであったか、それが貸借銘柄であった場合には、一体どこまでにはいったん天井をつけてくる可能性があるのか、イメージを持っていたほうが良いでしょう。

▼逆に、入れ替わりで物色されてくる可能性がある銘柄。~ミクシィの例。
東京市場が、仮に当レポートで警戒しているように4月前半でいったん天井をつけてくる場合、ポジションをはずすことは言うまでもありませんが、同時に様子を見ながら、入れ替わりで物色されてくる銘柄には、どんなものが考えられるかも同時に検討しておきましょう。
典型的なものは、大型株指数が上昇している中で奮わない新興市場に一つの例を見出すことができます。
その一つが、ミクシィ2121のような銘柄です。(これを推奨しているわけではないので、誤解ないように。あくまでも例です。)
この銘柄は日経平均とは、真逆のチャート形状となっています。
昨年11月6日に6970円を最後の高値として、ずっと下降トレンドできていました。
確かに、11月6日は、その前後から現在に至るまで、最大出来高をつくっています。
買い方の絶対期日を考えますと、5月5日ということになります。
ちょうどGWです。
しかし、実際には、この銘柄は今年に入って、1月26日に安値3875円をつけて、底練りをしている最中です。
下値は、しかも2月13日の4020円、3月4日の4260円、3月18日の4415円と、明らかに切り上げています。
上値だけが、2月4日の4780円、2月20日の4615円、3月9日の4545円と切り下がりですから、言うなれば長い三角持ち合いが煮詰まりつつある最中ということになります。
5月の絶対期日まで、まだ時間がありますが、日を追って三角がブレイクするタイミングが訪れることは、自明でしょう。
もちろんファンダメンタルズの裏づけがなければ、期待のしようもありませんが、よほどのことがなければ大丈夫でしょう。
現段階では、来期黒字転換予想です。

(ミクシィの日足チャート) ・・・図表割愛

▼東証一部にも似たようなものがある。~ソフトバンクの例。
同じようなものは、東証一部大型株でもあります。
ソフトバンク9984です。

(ソフトバンク日足チャート) ・・・図表割愛

これも、まったく元気の無いチャートが続いています。
この銘柄の場合は、9月19日に高値をつけていますが、その後大きく下落し、そこでかなりの出来高を作って消化していますから、連続性で考えると、11月4日の戻り高値8400が最後の高値を考えるべきでしょう。
ここでも大きな出来高をつくっており、以降、これだけの出来高をつくった局面がありません。
ということは、6ヶ月の絶対期日は5月3日ということになります。
ミクシィとかなり近いです。
ソフトバンクは、1月16日に安値6770円をつけたあと、同様に底練理状態が続いています。
ミクシィのように綺麗な三角持ち合いにはなっておらず、いかにもボックス圏の往来相場です。
下値、上値がほぼ横一線。これがどこでブレイクするかというのが、上記の絶対期日ということになります。
普通は、その前に、反発基調がでてくると思われるので、4月にはその動きをキャッチすることができるかもしれません。
もちろん、ミクシィも、またソフトバンクも、日経平均や市場全体が調整局面入りをする場合に、間髪いれずに逆行高相場になってくるとは限りません。
全体が下がるときには、彼らも一様にいったんは連れ安するリスクも当然残っていますから、安易な買い始動は禁物です。

▼その他の逆行する潜在力を持った銘柄群。
同じように、そのほかの逆行可能性を秘めた銘柄群を今から注意深く見ておくとしたら、非常にわかりやすいのは、資源株でしょう。
なにしろ、原油価格が暴落し、それが大底を打ったという確認がなされれば、原油価格そのものが反発してくる局面を迎えるでしょう。
ちょうど連銀の利上げ(6月か、9月か)にあわせて、原油が反発局面を見せるということは、話としては整合性がつくでしょう。
とくに年後半、10-11月というファンドの損益通算締め切りまで、時間が短いですから、そこでパフォーマンスに貢献できる投資対象といったら、今安いものが、戻り相場を見せるものでしょう。
そういう意味では、原油はその最たるものになります。
この関連でいけば、東京市場の場合、国際石油帝石1605や、三井海洋開発6269などがすぐ頭に浮かびます。

(国際石油帝石の日足チャート) ・・・図表割愛

国際石油帝石の場合は、やや複雑です。
昨年7月23日、そして9月25日に1585円の最後の高値の後、調整入り。
安値は12月1日の1210円と、12月15日の1203円のダブルボトムです。
ところが、1月13日に一時は1180円という安値更新をしており、このへんは、原油の安値更新にかなり引きずられた結果と考えることができそうです。
その後、たいした戻りにもならず、直近ではむしろ反落傾向がかさんでいます。
仮に12月15日の安値をボトムだとしたら、売り手の絶対期日は、6月15日。
仮に1月13日の安値時点を最後の安値としたら、売り手の絶対期日は、7月12日ということになります。
いずれにしろ、6月中旬から7月中旬が絶対期日と見なすことができそうですから、それ以前に基本的には底値が確認され、むしろ上昇の兆候が出てきていてもおかしくありません。
とくに、こうした資源株の場合は、原油価格との連動性が高いですから、非常に状況証拠としては充分なものがあります。
似たようなものでは、三井海洋開発6269などもこの類でしょう。
商社は、三菱商事8058とその他では、ずいぶんと相場つきが違ってきていますから、なんとも言えませんが三井物産8031などは、資源株とかなり近いチャート形状となっています。
こういう切り口で見ていきますと、東邦亜鉛5707など非鉄の一角にも、似たようなケースを見出すことができます。
上記のような銘柄の例を挙げたのは、わかりやすいからで、とくに推奨するつもりがあるわけではありません。
黄金銘柄にしろ、チャンピオン銘柄にしろ、こうした類のもので新たに組み入れるというものがあるとしたら、都度日報において、お知らせします。

▼4月調整が、実はあまり大きな下げにはならない可能性について。
下がっているときには、上がることを想定していなければなりません。
上がっているときには、下がることを想定してなければなりません。
冒頭から、下がることを一応想定して縷々解説してきました。
しかし、(来週の週報・月報合併版で詳しく解説しますが)4月前半に警戒される押しの後は、恐らく相当大きな上昇局面が東京市場を襲うと考えています。
また、もっと言えば、4月の押しもそれほどの下げにはならない可能性が高いのではないかとさえ思っています。
その最大の根拠は、信用売り残の多さです。
グラフは、日刊チャート新聞の投資関連データの中の二市場信用取引現在高のところえ、閲覧することができます。
3月6日段階で8兆円超えで、ここもと最高水準でしたが、この水準は驚くべきことにアベノミクス始まって以来の最高水準です。
この売り方の主体は、やはりアベノミクス始まって以来、ほとんどの期間にわたって売り越し続きの個人投資家であろうと推察されます。
長年のデフレ相場の中で、戻れば売りという投資行動が習性になってしまっていますが、これが悪弊になり始めています。
これまで賢明だった投資行動が大事なところでチャンスを逸する投資行動になりつつあるかもしれません。
この人たちが、我慢しきれずに買ってくると、この信用売り残が低下してくるはずです。
そして、この極端に増大した信用売り残は、個人的には恐らく当面のピークを打ったのではないか、と考えています。
もしそれが正しければ、ここから高いところを個人投資家が買ってくるということになりますから、逆張り基本の彼らは、4月前半の押しでは、まず確実に買ってくるでしょう。
これが、思ったほど下がらないかもしれない理由です。
もっとも、どんと下がって、それを買ってくるという可能性もあるので、一応、4月前半、大きく国内機関投資家の利益確定による下落がある、という前提でいるのが無難です。
もし下がれば、2000円幅(ようするに1割)の下げは、一般調整ならありうることです。
浅い下げであれば、25日移動平均線でしょうから、このままいけば、おそらく19000円前後ということになるでしょう。

▼黄金銘柄リスト、チャンピオン銘柄リスト。
黄金銘柄リスト(89年当時など過去の史上高値を抜けていない、長期波動での出遅れ銘柄からのスクリーニング)とチャンピオン銘柄リスト(過去のすべての史上高値を抜けている、長期波動での青天井銘柄からのスクリーニング)のパフォーマンスは以下の通りです。

年初来:
黄金銘柄リスト -1.9%。
チャンピオン銘柄リスト +20.0%
日経平均 ;+12.1%

黄金銘柄が不調です。
今年に入ってから、鳴かず飛ばすを繰り返しています。
ようやくこのところ、TASAKI7968、川崎汽船9107、富士通6702、ツガミ6101、アスクル2678、旭ダイヤ6140など上値を取ってきたことで、マシになってきましたが、Aが上がれば、Bが下がるの繰り返しなので、全体の母集団の平均パフォーマンスは一向に改善しません。
高値で持ち合っている銘柄が非常に多く、次のステージを待っているようにも見えます。
年初からは、圧倒的に黄金銘柄に対しても、指数に対しても、チャンピオン銘柄が値を飛ばしています。
直近では、フォスター6794、ディップ2379、NOK 7240、ALSOK 2331、空港ビル9706などがパフォーマンス改善に貢献しています。

以上

増田経済研究所
コラム   増田経済研究所
増田経済研究所が、今週の東京株式市場の動向を展望します。米国を中心とした国際情勢を踏まえ、誰が今、何を考え、我々個人投資家はいかに対応すべきなのか、分かりやすく解説します。
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商号等:有限会社増田経済研究所/金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第1069号

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