今週は押し場拾い~今年の日本株市場、大相場の根拠

2015/03/09

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【2015年3月7日 黄金週報】

以下は、7日に、会員向けに発信した週報です。

▼雇用統計で、米国市場は大幅反落。
2月の雇用統計はメディアで報道されているように、予想を上回る好調なものでした。
問題は、これに対する市場の反応です。
10年国債利回りは一気に上昇し、2.24%。200日移動平均線が、2.31%ですから、もうあと少しです。

(米10年国債利回り 図表割愛)

6月の利上げを織り込んだ動きですが、株式市場はこの長期金利上昇を受けて大きく反落。
金利が上がって、株価が下がっているわけですから、きわめて自然な関係です。
そうなりますと、どこまでこれが続くかということです。
利上げの織り込みということですから、ダウ公共株の下げとまりでおよそ、わかります。
ダウ公共株は、電力はじめ公益関係の銘柄が多いので、基本的には配当取りの対象です。
利上げに対しては、妙味が薄れるということで、下落しがちです。
そのダウ公共株は、すでに1月30日から下落サイクルに入っており、金曜日、とうとう長期的トレンドラインである200日移動平均線を割り込みました。

(ダウ公共株 図表割愛)

これが、200日線を割ったということは、もうボトムが近いということです。
どうりで、ダウ工業株、S&P500、ラッセル2000小型株指数が史上高値を更新していたにもかかわらず、もっとも先行的なダウ輸送株指数が新値を取れなかったわけです。
相場は、やはり利上げを前に、その織り込みを始めていたことになります。
従って、一番直接的には、このダウ公共株が底入れすること、そして、景気先行的なダウ輸送株が持ち直すことがボトムアウトのシグナルになります。
現在ダウ輸送株指数は、金曜日、あっけなく50日線を割り込みました。
100日線でとまるかどうか、正念場です。
ダウ公共株が200日線を割っていることから、もう下値は限定的でしょう。
先述の10年国債利回りも、当面の頭打ちになる可能性が一番高い200日線が近いわけですし、ダウ輸送株指数は、うまくするとこの100日線前後で下げが終息するかもしれません。
突っ込んで200日線です。

(ダウ輸送株指数 図表割愛)

この二つのシグナルが点灯すれば、米国市場は底入れ、利上げを前にしてうまくソフトランディング(軟着陸)できたことになります。
早ければ、下落幅は限定的で今週中にもはっきりするでしょう。
ただ、浅い代わりに、日柄で長引く可能性も残されているということです。
もう完全に利上げ織り込みが終わった、という明確な証拠は、言うまでもなく一番リスクに敏感なジャンクボンドETFが下げとまることです。

(ジャンクボンドETF 図表割愛)

ジャンクボンドETDは、金曜日100日線を割り込みました。
すぐ下には50日線が控えています。
この50日線を割るかどうかが、試されます。
以上のことから、米10年国債利回りが200日線を目安に頭打ちになって落ち着くか。
ダウ公共株が、200日線割れのどこかで反転するか。
ダウ輸送株が、100日線を目安に底入れ反転するか。
ジャンクボンドが50日線を目安に、底入れ反転するか。
いずれかが、はっきりしてきたら、ボトムアウトのシグナルが相次いで点灯するという意味になります。

今年の相場では、後述しますように、かなりのバブル的様相を呈した大相場が想定されるわけですが、足元では短期的な行き過ぎはどうしても出てくるでしょう。
一応その目安は、以下の定点観測項目をとくにウォッチしておきましょう。
従って、底入れも実は、公共株を位置を考えますと、かなり終盤にさしかかっているということになりますから、ここからの下げの幅も、日柄もそう深刻なものではなさそうだ、ということは推察できます。
一応、当レポートでは、黄金銘柄・チャンピオン銘柄の戦略方針として、これまでの「やや警戒」から、「警戒」に引き下げます。
つまり、キャッシュ比率10%(20%でも可)としたものを、20%確保に変更です。
ダウ輸送株が100日線を割るようでしたら、この比率は40%まで拡大しなければならなくなります。
いずれにしろ、米国雇用統計前後で小天井、その週末のSQ前後で底入れという、月間のアノマリーは、やはり生きていたということになります。
この底入れ完了後は、4月前半まで相場は上げ調子に戻ります。
それは、一重に、すでに日本株に入ってきている欧州系ではなく、米系資金が入ってくるかにかかっています。
物色の対象は、その場合、国内年金系と目される資金や欧州系と違い、米国系資金の場合は、変わってくる可能性が高いでしょう。
米系が日本を買うという場合には、必ず世界的な景気循環の上げ調子のタイミングと判断するわけですから、当然景気敏感株、とくに外需性景気敏感株に集中してくるはずです。
まだ、非鉄などのような商品系カテゴリーは難しいかもしれませんが、機械、化学、部品などの素材、最終的には自動車・エレクトロニクスなどに及ぶはずです。
ここが小動意してくるようですと、米系が入ってきたと判断できます。
その萌芽は、金曜日の相場にすでに洗われていたようです。
メディアでは、薬品が引き続き高いなどと論評していたところが多いのですが、よく見てみれば、金曜日一番上昇したセクターは、精密です。
これなどは、半導体製造装置にも絡んでくる分野ですが、典型的な外需性景気敏感株です。
薬品の相場はかなりいいところを出してしまっている可能性が高いでしょう。
そうした変化が来週はっきりしてくれば、あとは先述のシグナル点灯を確認して、再びフルインベストメントで対応してよい、ということになります。4月中旬くらいまでですから、そうは時間はありません、正味1ヵ月の勝負です。
調整終了から一気に上がるとすれば、外需性景気敏感株以外にないでしょう。

▼2015年から16年にかけて、想像を超えるブル相場の気配。
本来、このシナリオは大きな波動のことですから、週報にはそぐわないかもしれませんが、今年から来年にかけて、つねに心がけておくべき点なので、敢えて解説しておきます。
それは、原油暴落による経済・市場へのポジティブインパクトについてです。
アベノミクスがスタートして以来、日経平均の上昇が、ほぼ為替のドル高・円安の分だけ上がったということは、言うまでもありません。
しかし、ここからは本質的な日本企業の利益成長率がまともに相場の駆動軸になっていきます。
そしてそれに大きなギアリング効果をもたらすと推察されるのが、原油価格の安値低迷です。

▼原油暴落と日本株市場の関係。
話自体は非常に単純です。
原油価格が安いということが、どれだけ株価に好影響を与えるかということに尽きます。
実際に見てみましょう。
まず、原油価格ですが、WTI原油先物価格の超長期チャートです。

(WTI原油先物 超長期チャート 図表割愛)

これを見ますと、70年代、80年代と二度のオイルショック(原油価格暴騰)の後、現在に至るまで、実は原油価格は、4回の暴落をしており、今回はその5回目にあたります。
その暴落は、最高値から半値に暴落する有様でした。
そして、それぞれ、底入れをした1986年、1999年、2002年、2009年、そして今回(今のところは)2015年1月の44ドル台、というボトムアウトタイミングだったとチャートからはわかります。
それを、日経平均の超長期チャートと比較してみましょう。

(日経平均 超長期チャート 図表割愛)

先の原油暴落のボトムタイミングから、実は東京市場は暴騰相場が繰り返されてきたことが確認できます。
1986年の原油ボトム以降、日経平均は、途中のブラックマンデーをものともせず、最終的には1989年の史上最高値まで3倍に暴騰しています。
次は、原油底入れ間近い98年を起点として、2000年のITバブル頂点まで63%の高騰です。
その次は、原油がボトムアウトした2002年の翌年、2003年スタートとして、2007年まで日経平均は2.4倍です。これは、小泉政権のときです。
そして、さらにサブプライムショックで、原油がボトムをつけた2009年があります。
日経平均はその直前、2008年を起点として、2010年まで、これまたはかったように63%の高騰。
そして今回は、今年1月に暴落の現時点における安値をつけていますが、ここから日経平均は63%から3倍の資産効果を演じてみせるという仮説が出てきます。
いかに、日本経済や金融市場にとって、原油の暴落というものが、大きなインパクトを持つかということがこれでわかります。
しかも、それは、すでにアベノミクス相場スタートから2倍になったこの時点から、実は始まる大相場だということです。

▼売り上がりから、押し目買いの相場へ。
20年にわたって、個人投資家は、上がれば売るという投資スタンスできました。
デフレ下においては、それが恐らく最善の判断だったでしょう。
しかし、この上記のシナリオが始まるとしたら、売り上がりのスタンスは命取りです。
押し目はすかさず買えば、必ず報われるという相場展開へと大きく転換していく時期にさしかかっているということになるでしょう。
今年は、米国の利上げがあります。
非常に高い株価水準にある米国株は、どういう調整をするのか、しないのか。
いずれにしろ、一度や二度の波乱はあるでしょう。
しかし、それは絶好のチャンスになるということは、いつも忘れないようにしておきましょう。
とくに、今年から来年にかけては、先進国中でもっとも利益成長率が高く、株価はそれに対してもっとも割安に放置されている日本株が相対優位を維持するでしょうから、欧米株式市場が暴落でもしない限りは、彼らの相場が膠着状態、足踏み、一般的な調整である場合、東京市場の独走という局面もありうるということです。
この場合は、貿易収支の改善が進んでいることから、最終的には貿易黒字復活を織り込むとすれば、日本の経済力の復活ということで、年度変わり(3月末)までに、19500円の心理的な壁をブレイクして2万円まで走るような、意外高の可能性も残されていることになります。
もちろん、どういう上昇にしろ、ここから上がれば、恐らくは年度代わりとなった4月には、機関投資家は利益確定の売りから入ってくる可能性が高いわけで、4月は調整すると見ておいたほうがいいかもしれません。
勝負は、今月中ということになります。

▼黄金銘柄とチャンピオン銘柄。
ロングの順張りと、ロングの逆張りという対照的な銘柄抽出で、チャンピオン銘柄と黄金銘柄の二つの仮想ポートフォリオを公開しています。
このパフォーマンスを比べてみます。

(日経平均と、黄金銘柄リスト・チャンピオン銘柄リストのパフォーマンス比較表 割愛)

こうしてみますと、過去2年(2013年、2014年)ときわめて良好なパフォーマンスだった黄金銘柄が、今年はしょっぱなから苦戦しています。
黄金銘柄は、2013年で3.8倍、2014年で83.9%であったのに対し、今年は年初から、まだ-3.4%ですから、まったく精彩無しです。
この黄金銘柄の暦年のパフォーマンスですが、日経平均が2013年に57%上昇、2014年で7%上昇、今年は今のところ8.5%上昇ですから、今年を除いて、圧倒的に黄金銘柄のパフォーマンスが高かったわけです。
今年も、年間を通じてみれば、同じように黄金銘柄が大きくパフォーマンスで指数に対して水をあけると思っています。
一方、2月13日から始めたチャンピオン銘柄という仮想ポートフォリオでは、黄金銘柄より遥かにロングホールドですから、仮に過去2年、同じ銘柄で運用したと仮定した場合、2013年は90%上昇、2014年は46%上昇していたことになります。
そして今年は現時点ですでに14%上昇となっています。
が、なにより今年が出足からいきなり好調続きとなっているのが驚きです。
長く持って威力が発揮されるはずのチャンピオン銘柄なのですが、いきなりパフォーマンスを上げてきたのには、それなりの理由があるでしょう。
外人は、6週連続で買い越しになっているとはいえ、先物でこそ年初からは2兆1000億円の買い越しながら、現物ではまだ7000億円の売り越しです。
彼らが本格的に買ってくるという状況で、黄金銘柄が再び優位になるのか、チャンピオン銘柄が初めて今年は優位に立つのかですが、わたしはこの2年と同じく、黄金銘柄が再び優位になると想定しています。
現在、買いの主体は、(日経新聞では、外人主導と書いていますが)間違いなく、国内勢主体のはずです。
外人はわずかに欧州系が、昨日解説しましたように、ユーロ建て日経平均のパフォーマンスがドイツDAXを上回ったきたので、あわてて買っただけでしょう。
国内年金系マネーは、国債を売って、その代わりに外債、そして国内株にシフトしてきているわけで、国債の代用品として、薬品のような配当のまだよいもの、あるいは年間の業績の変動が小さいものの、安定して、なおかつ海外で成長が見込まれてきているキッコーマンなどをはじめ、食品株を物色したと想定されます。
しかし、配当利回りは、しょせん2%台ですから、米国債とさして変わりません。
またこの薬品株にしろ、海外での成長が期待されるという食品株にしろ、PERは30倍、40倍がザラです。
米系列がこれに追随するとはとても考えられません。
米系であれば、期間益回りの大きい、つまり株価変動率の高い景気敏感系に入ってくるはずです。
具体的にいえば、チャンピオン銘柄であればファナックに代表されるようなものでしょう。
同じ工作機械系であれば、黄金銘柄の場合なら、ツガミのような銘柄です。
目先調整を終えて、もう一相場あるのだとすれば、こうした銘柄や、そこから派生してくる自動車、エレクトロニクスなどに及んでいくはずです。
金曜日、誰もが薬品株の続伸に目を奪われている中で、実は精密がトップの上昇率だったという事実はそれを示しているのではないか、と考えています。
精密といえば、HOYA 7741がその代表格だったのでしょうが、ここから当然のように、電子部品、機械部品へと派生していくでしょう。
公募増資であえなく、滑落した半導体のSUMCO 3436が大陽線を立てて反発したのも、この同じ流れではないでしょうか。

以上


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